「2021年の再生可能エネルギーの発電コストは、10年前の3分の1の水準に下がっている」[1]
これは2022年に国際再生可能エネルギー機関が「2021年 再生可能エネルギー発電コスト」で報告した内容です。
環境保護はもちろん、再生可能エネルギーは今や価格の面でも優位性が浮き彫りになってきています。日本では再生可能エネルギーの発電コストは高いイメージがありますが、国や企業の取り組みの成果により、コストの下落傾向が続いています[2]。これをさらに進めるためにも、今後の企業による再生可能エネルギー導入の拡大が求められています。
また世界では、脱炭素社会を目指す海外先進企業がサプライヤーに再生可能エネルギーへの転換を求めるということも耳にするようになりました。ESG投資が一般的になっている中、投資家も企業のエネルギーに対する取り組みには注目しています。
企業が従来通りのエネルギー消費を続け、エネルギーへの取り組みが遅れれば、どの業界にとっても今後のリスクになりかねません。
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、化石燃料に代わる再生可能エネルギーのような持続可能なエネルギーを、効率よく、すべての人が平等に使えるようにしようという目標です。細かく設定された目標や取り組み事例は、企業にとってもエネルギーとの向き合い方を考える上で道しるべとなるでしょう。
本稿では、まず目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の具体的な目標内容を分かりやすく紹介します。続いて、現在抱えているエネルギー課題を国内外に分けて解説します。
さらに、企業がエネルギー課題に取り組むアプローチ法や、取り組むメリット・注意点を解説し、最後に日本企業と海外企業の取り組み事例をご紹介します。
「SDGs」以外にも、「ARCSモデル」や「エンプロイアビリティ」など、近年話題の人事系キーワードについて詳しく知りたい場合は、163の用語を解説している「人事用語事典」をご利用ください。
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目次
1. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」企業がまず知っておくべきこと
SDGs(持続可能な開発目標)は、国連により採択された、2030年までに世界全体で達成を目指す目標です。環境や社会、経済などに関する17の目標で構成されています。
その7番目に掲げられている目標が「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」です。まずは目標の内容や必要性を正しく理解しましょう。
1-1. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の正式な目標とは
SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、正式にはこのあとに「すべての人々が、手頃な価格で信頼性の高い持続可能で現代的なエネルギーを利用できるようにする」という目標が続きます。
簡単に言うと、すべての人々が継続的に安価なエネルギー(電気やガス)を利用できるようにしようという目標です。
また、後述する「ターゲット」では、再生可能エネルギーの活用促進、エネルギー利用効率の向上も求められています。
持続可能なエネルギーの供給システムがしっかりと確立すれば、医療や教育、産業、技術革新に至るまで、あらゆる分野を支えることができます。しかし逆に、エネルギーを利用できなければ、健康的な生活や豊かな社会の発展にとって妨げとなります。
また、従来のように石油などの化石燃料を使い続けていると、やがて資源が枯渇してしまう上に、温室効果ガスの排出も減らず、地球環境に悪影響を及ぼすことになります。
こうした理由から、SDGsに目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が存在しているのです。
1-2. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」のターゲット内容
では、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」をより深く理解するために、具体的な目標が示されている「ターゲット」(7.1~7.b)を一通り見てみましょう。
7.1
2030年までに、手頃な価格で信頼性の高い現代的なエネルギーサービスをすべての人々が利用できるようにする。
7.2
2030年までに、世界のエネルギーミックス※における再生可能エネルギーの割合を大幅
に増やす。
7.3
2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。7.a
2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率、先進的でより環境負荷の低い化石
燃料技術など 、クリーンなエネルギーの研究や技術の利用を進めるための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b
2030年までに、各支援プログラムに沿って、開発途上国、特に後発開発途上国や小島嶼開
発途上国、内陸開発途上国において、すべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサー
ビスを提供するためのインフラを拡大し、技術を向上させる。(※)エネルギーミックス:エネルギー(おもに電力)を生み出す際の、発生源となる石油 、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱、太陽熱など 一次エネルギーの組み合わせ、配分、構成比のこと。[3]
以上が目標7のターゲットです。
簡単にまとめると、国際協力によるクリーンエネルギーの開発や利用の強化、途上国におけるエネルギーアクセス拡大、再生可能エネルギーの使用増大、エネルギー効率の改善といった目標が示されています。
1-3. SDGs目標7 重要キーワード「クリーンエネルギー」、「再生可能エネルギー」とは
ここで、ターゲットに出てくるキーワード「クリーンエネルギー」と「再生可能エネルギー」の意味について解説します。
- クリーンエネルギー(クリーンなエネルギー)
- 再生可能エネルギー
クリーンエネルギー(クリーンなエネルギー)
法律では現在のところ定義されていませんが、一般的に、環境に対してクリーンなエネルギーのことを指します。つまり二酸化炭素や窒素酸化物のような温室効果ガスや環境汚染物質を排出しないエネルギーのことです。例えば太陽光発電や風力発電などがあります。
原子力発電は放射性廃棄物を「核のゴミ」として排出し、水力発電はダム建設の際に周囲の環境を破壊する恐れがあるため、これらはクリーンエネルギーとされていない場合もあります。
再生可能エネルギー
「エネルギー供給構造高度化法」において、再生可能エネルギー源は、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されています。また、政令においては、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています[4]。
この二つの用語は同義語のように使われがちですが、実際は視点が異なるので、整理して覚えておきましょう。
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2. SDGs目標7 世界と日本におけるエネルギーの課題
では目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」現在抱えているエネルギーの課題を、国内外に分けて見てみましょう。
2-1. SDGs目標7 世界では「電力アクセスのない地域の存在」と「再生可能エネルギーへの移行の遅れ」が主な課題
まず、持続可能なエネルギーへのアクセス状況は世界で大きな格差があり、今でも電気なしで暮らしている人がいます。その数は減少傾向ではありますが、2020年の時点で7億3300万人にのぼっています。その約4分の3以上がサハラ以南のアフリカ、主に農村地域に住んでいる人たちです。電気の代わりに薪や石炭・動物の糞などを燃やして生活している地域もあります[5]。
電気の使えない地域では、医療や教育の普及がますます遅れ、貧困にも結びつき、発展が滞ってしまいます。こうした地域でのエネルギーアクセス改善ために、世界で協力し合い公的機関および民間による大規模な取り組みが必要です。
図1)世界で電力を利用できていない人々の数
引用:国際連合広報センター,持続可能な開発目標(SDGs)報告2022,https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_report/(閲覧日:2023年1月31日)
もう一つは、再生可能エネルギーの普及の遅れが挙げられます。温室効果ガスを排出する化石燃料や天然ガスなどのエネルギー利用を減らし、再生可能エネルギーへ移行することは、地球温暖化を防ぐ上で最も重要です。
移行の現状を見ると、世界で使われている総エネルギーのうち再生可能エネルギーの割合は低く、わずか17.7%です[6]。2019年の再生可能エネルギー総使用量は、2010年よりも増加していますが、気候変動の緊急性が高まっている中、再生可能エネルギーへの移行の速度をさらに上げていかなければなりません。
2-2. SDGs目標7 日本では「エネルギー自給率の低さ」「再生可能エネルギーの割合の低さ」が主な課題
日本では燃料や電気が使えなくて困ることは、現在ではほぼありません。しかしエネルギーに関しては大きな問題を抱えています。
一つ目は日本のエネルギー自給率が低いことです。2019年度の日本のエネルギー自給率は12.1%で、図2の通り世界の主要諸国と比べ非常に低い水準です。日本はエネルギー資源が乏しいことが原因として挙げられますが、日本で使うエネルギーは、海外から輸入している石油・石炭・LNG(天然ガス)といった化石燃料に大きく依存しています。
エネルギー自給率が低いと国際情勢の変化に脆弱になり、エネルギー源の安定的な確保が難しくなるため懸念されています。
図2)主要国の一次エネルギー自給率比較(2019年)
引用元)経済産業省資源エネルギー庁, 2022-08-12日本が抱えているエネルギー問題(前編), https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2021_1.html(閲覧日:2023年1月31日)
もう一つは、再生可能エネルギー利用の割合が低い点が挙げられます。
例えば、日本で消費している電力量における再生可能エネルギーの比率(再エネ電力比率)が2019年度で18%です。依然として、国内の総発電数の70%以上は化石燃料を燃やして発電する火力発電に依存している状況です[7]。他の先進国と比較しても、日本は発電電力量に占める再エネ電力比率が高くありません(図3)。
図3)主要国の発電電力量に占める再生可能エネルギー(再エネ)比率の比較
引用元)経済産業省 資源エネルギー庁, 日本のエネルギー 2021年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」, https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2021/007/(閲覧日:2023年1月31日)
日本政府は2030年度に再生可能エネルギー利用の割合を36~38%に増やすという目標を立てていますが[8]、目標年度まで9年しかなく、スピードを上げて再生可能エネルギーにシフトしていかなければなりません。引用元)経済産業省資源エネルギー庁,再生可能エネルギーFIT・FIP制度ガイドブック2022年度版,p.2, https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/kaitori/2022_fit_fip_guidebook.pdf(閲覧日:2023年1月31日)
ちなみに、再エネ先進国であるドイツは2025年に40~45%、イギリスは2030年に44%を目標としています[9]。日本が2030年に目標を達成したとしても、その時点で世界水準とは差がついていることも考えられます。
3. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に企業が取り組むアプローチ法とメリット、注意点
国内外のこうしたエネルギー問題に対し、企業がどのようなアプローチで取り組みを行っているかを見てみましょう。また、企業が目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に取り組むメリットや注意点も理解しておきましょう。
3-1. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に企業が取り組むアプローチ法
目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に対して企業が行っているアプローチ方法は、主に以下の五つが挙げられます。
【企業内での取り組み(サプライチェーンも含む)】
- 再生可能エネルギー利用増大
- エネルギー効率の向上
【事業を通じた取り組み】
- 省エネ機器、省エネシステムの開発や活用
- 持続可能なエネルギーの開発
- 貧困地域・遠隔地のエネルギーアクセス改善
再生可能エネルギー利用増大
事業所内(及びサプライチェーン)におけるエネルギーを、再生可能エネルギーに切り替え発電や移動燃料などに利用します。これにより化石燃料や天然ガスの使用を減らします。
再生可能エネルギーへの切り替えは政府も近年積極的に推進しています。経済産業省の公式サイトでは、再生可能エネルギーの導入に取り組む事業者や自治体向けにガイドブックを公開しています。
国や地方自治体の支援施策や関連法規、事業の進め方、事例集など、事業開始に有用な情報が掲載されています。まずは情報収集を、という企業におすすめです。
引用元)
経済産業省資源エネルギー庁,再エネガイドブックweb版,
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/guide/ (閲覧日:2023年1月31日)
再生可能エネルギー100%化を目指す世界の大企業が参加
「RE100」とは
世界の大企業の取り組みとして、RE100への参加も注目されています。RE100は「100% Renewable Energy」の略称で、世界で影響力のあるグローバル企業が、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにシフトさせることを目指す国際的な企業連合です。参画企業は事業運営を100%再生可能エネルギーで行うこと目指すと宣言しています。
RE100参画日本企業はリコー、積水ハウス、ソニー、イオン、アスクル、富士通など、2023年3月時点で78社です[10]。
世界のRE100加盟企業はアップル、マイクロソフト、グーグル、スターバックスコーヒーなど世界的に有名な大企業が300社以上(日本企業を含む)参画しています[11]。
エネルギー効率の向上
事業活動で消費するエネルギーを削減する方法(省エネ)や、エネルギー使用の効果を上げる方法です。例えば、消費電力の少ないLED照明の設置や、電気の流量調整するインバーターの設置などの他、熱利用や自家発電などでの廃熱の再利用、専門機関(「省エネルギーセンター 」など[12])を活用した省エネ活動などがあります。
省エネ機器、省エネシステムの開発や活用
発電機、蓄電池、インバーター、メーター、マイクログリッド(小規模電力網)など、省エネルギー化を実現する機器、設備、システム、サービスなどの開発やその利用により、電気利用の効率化に貢献する取り組みです。
持続可能なエネルギーの開発
バイオマス燃料や地熱発電など、まだそれほど普及していない新しい持続可能なエネルギーの開発や、エネルギー変換効率の向上技術などに関わる事業で、再生可能エネルギーの普及促進に貢献する取り組みです。
貧困地域・遠隔地のエネルギーアクセス改善
電気へのアクセスを持たない人々や地域に対し、再生可能エネルギーの設備・環境の構築や技術支援を行う取り組みです。政府や民間企業、NGO団体などのパートナーシップにより行われているケースが多く見られます。
以上が主なアプローチ法です。
3-2. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に企業が取り組むメリット
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に取り組んだ場合に期待できる、企業にとってのメリットを確認しておきましょう。
- 環境先進企業として認められる
- 省エネによるコスト削減ができる
- 化石燃料の価格高騰によるリスクを回避できる
- 他業種との協働のチャンスが増える
環境先進企業として認められる
省エネや再生可能エネルギー利用を導入することで、環境問題への企業姿勢が評価され、環境先進企業として社会に認められます。企業のイメージやブランド力が上がり、投資家に対するアピールポイントになります。
省エネによるコスト削減ができる
省エネルギーに取り組むことで電気代などのコスト削減につながります。
化石燃料の価格高騰によるリスクを回避できる
化石燃料は有限であるため、将来的に価格の高騰は避けられないでしょう。再生可能エネルギーへの転換はそうした価格高騰リスクを回避できます。
他業種との協働のチャンスが増える
再生可能エネルギーの利用に取り組むRE100など、省エネや再生可能エネルギー関連の団体や連合体に参画すると、他業種との情報交換を通してエネルギーに関する学びの場が増えたり、協業のビジネスチャンスが増えたりします。
以上が、主なメリットです。
3-3. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に企業が取り組む際の注意点
こうしたメリットがあり得る一方で、以下のような注意点もあるので事前に把握しておきましょう。
- 自然由来のエネルギーは天候の影響を受ける
- 再生可能エネルギーのコストが高い
- 途上国での取り組みでは、パートナーが必要
自然由来のエネルギーは天候の影響を受ける
自然由来の再生可能エネルギーは、太陽光、風力など天候の影響を受けるため、発電量が大きく変動しやすく安定しづらいと言えます。
再生可能エネルギーのコストが高い
再生可能エネルギーは大規模な運用が難しく、依然として価格が高いと言わざるを得ません。しかし技術開発や再生可能エネルギーの普及を促す国の制度(FIT制度・FIP制度[13])なども進んでおり、コストは徐々に低減化しています。
途上国での取り組みでは、パートナーが必要
途上国においてエネルギーアクセス改善の取り組みを行う場合、地域の生活や風習、人材などの細かな実態調査が必要です。そうした情報収集は容易ではないため、地元政府や現場に詳しい団体などとのパートナーシップが不可欠です。
以上が取り組む上での注意点です。メリットと注意点を理解して取り組みを進めましょう。
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4. SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」日本&海外企業の取り組み事例
それでは最後に、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を目指す企業の取り組み事例を、日本企業と海外企業に分けて紹介します。
4-1. SDGs目標7 日本企業の取り組み事例
まず目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に取り組む日本企業の事例を五つ紹介します。
ここで紹介する企業は、外務省サイト「JAPAN SDGs Action Platform」のジャパンSDGsアワード [14]の受賞団体、経団連SDGs特設サイト「Keidanren SDGs」の「Innovation for SDGs 事例集」経済産業省 資源エネルギー庁「カーボンリサイクル技術事例集」、農林水産省「SDGs×食品産業」から選出しています。
また、「水素社会」の実現に向けた先進的な事例の一つとして、エア・ウォーター株式会社の取り組みも紹介します。
- 株式会社セブン-イレブン・ジャパン
- 株式会社エルコム
- 日清食品ホールディングス株式会社
- 株式会社ユーグレナ
- エア・ウォーター株式会社
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
「オフサイトPPA」を活用しエネルギーを地産地消
国内に2万以上の店舗を展開するセブン-イレブン・ジャパンは、再生可能エネルギー利用の取り組みとして、店舗から離れた敷地に発電企業が発電施設(太陽光発電所)を建設し、そこで作られた再生可能エネルギーを店舗に送電する「オフサイトPPA [15]」という仕組みを2021年から首都圏の店舗で活用しています。
さらに2022年6月には、新たな「オフサイトPPA」を開始しました。北陸電力グループが福井県に新設した太陽光発電所で発電した電力を、北陸3県(富山、石川、福井県)のセブン-イレブン303店舗に供給することで、北陸でつくられた再生可能エネルギーを地元で消費する地産地消を実現しています。今後20年間、継続的に再生可能エネルギーの供給を受けることで、カーボンニュートラル [16]に貢献するとしています。
図4)取り組みのイメージ
引用元)
セブン-イレブン・ジャパン,ニュースリリース2021年10月28日, セブン‐イレブンと北陸電力グループが取り組む再生可能エネルギーの地産地消 北陸電力グループ初のオフサイトPPAによる電力供給を来春開始,https://www.sej.co.jp/company/news_release/news/2021/202110281500.html (閲覧日:2023年1月31日)
株式会社エルコム
プラごみをエネルギー化するボイラを開発
環境機器関連企業のエルコムは、漂着プラスチックや使用済プラスチックを燃料化し、製造などの動力熱源に有効利用することができる樹脂ボイラを開発、2017年に「e-PEPシステム」を販売しました。
e-PEPシステムは1システムあたり、年間約100トンの廃プラ排出を削減し、温室効果ガス(CO₂)排出抑制(約290トン/年)能力と、省エネルギー(化石燃料約9万リットル/年)能力があるとされ、現在、民間企業・自治体などで導入が進んでいます。
特に漂着プラスチックに悩む自治体や、使用済プラスチックの処理・リサイクルを外部委託に依存している企業にとって、事業所内でプラスチックを有効利用できるという点が大きなメリットです。
この取り組みは、プラスチック処理及び化石燃料問題へ同時にアプローチする独自のエネルギー循環型モデルを構築したとして、第5回「ジャパンSDGsアワード」を受賞ました。そのほか、北海道省エネルギー・新エネルギー促進大賞「新エネルギー大賞」、Japan Pack Award 2019「省資源化賞」などエネルギー関連の数々の章を受賞しました。
日清食品ホールディングス株式会社
ごみ発電電力の使用・バイオマスECOカップの採用
日清食品ホールディングス株式会社は、2030年度までの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」の一環として、省エネや再生可能エネルギーの使用に取り組んでいます。
製造工場での例として、日清食品グループではLED照明や人感センサー照明などの省エネ設備を製造工場に導入しています。また、一部の製造工場では、太陽光パネルやバイオマスボイラーを設置して再生可能エネルギーを使用しているほか、熱エネルギーの再利用も行っています。
ごみ焼却に伴うエネルギーを用いた「ごみ発電電力」を使用する取り組みも進めており、2020年3月からは、東京本社で使用する電力の50%以上を「ごみ発電電力」に切り替えています。
また、「カップヌードル」の容器は、従来のプラスチックを植物由来のバイオマスプラスチックに一部置き換えた「バイオマスECOカップ」へ切り替え始め、石化(石油化学)由来のプラスチック使用量の削減に取り組んでいます。
同社は2021年2月に、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際企業連合体「RE100」に参画しています。
株式会社ユーグレナ
バイオジェット燃料・次世代バイオディーゼル燃料を開発・生産
航空業界では持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)の導入が求められている中、株式会社ユーグレナは、微細藻類ミドリムシ(学名:ユーグレナ)や廃食油を主原料としたバイオ燃料と従来の石油系燃料と混合した、「サステオ」を開発し生産しています。
この取り組みは、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車とANAホールディングスの協力のもと「国産バイオ燃料計画」として2015年に開始され、2020年に次世代バイオディーゼル燃料を、2021年はバイオジェット燃料の供給を開始し、現在、車両・船舶・航空機で利用が拡大しています。
2022年11月には、防衛省が運航する岸田文雄首相を乗せた政府専用機に「サステオ」が初給油され、政府専用機にとって初のSAF使用となりました。また、2023年の1月には東京都の都営バス58両に「サステオ」が給油され運行を開始しました。
「サステオ」は燃料の燃焼段階では二酸化炭素を排出しますが、使用済みの食用油の原材料である植物とユーグレナは成長過程で光合成によって二酸化炭素を吸収するため、燃料を使用した際の排出量が実質的にプラスマイナスゼロとなり、カーボンニュートラルの実現に寄与するものと期待されています。
エア・ウォーター株式会社
移動式水素ステーションの製作・運営
エア・ウォーター株式会社は、水素ガスを製造・供給している産業ガスメーカーです。同社は水素ガスの製造、貯蔵、運搬から使用方法に至るまでの豊富な知見と技術を生かし、各自治体と連携を行いながらFCV(燃料電池自動車)の普及促進に関する取り組みを行っています。
例として、北海道に2カ所(札幌市と室蘭市)ある水素ステーションの設計・製作と運用業務を行っています。水素ステーションとは、FCVに水素を充填する施設のことで、どちらの施設も移動可能です。
移動式のタイプのものは、水素供給するために必要な設備一式を大型トレーラーなどに積載し、必要な場所まで移動して水素を充填できます。
同社は今後も各自治体と連携しながら、水素ステーションの利便性の向上などを積極的に行い、脱炭素社会の構築に向けたインフラ整備に貢献するとしています。
先述の通り、世界に先駆けて「水素社会」を目指す、官民が連携した先進的な事例の一つとして紹介しました。
以上、日本企業の取り組み事例を5件紹介しました。
4-2. SDGs目標7 海外企業の取り組み事例
続いて、海外企業の取り組み事例を四つ見てみましょう。ここでは2022年と2023年の「Global 100」(世界で最も持続可能な100社)[17]、「SDG INDUSTRY MATRIX —産業別SDG手引き」、「RE100リーダーシップ・アワード」[18]に掲載されている企業から紹介します。
企業内
- シュナイダーエレクトリック(仏)
- ネステ(フィンランド)
- アップル(米国)
- シャネル(仏)
シュナイダーエレクトリック(仏)
電気が使えない途上国で電力供給を支援
エネルギー管理の電気機器・産業機器メーカーであるシュナイダーエレクトリックは、「エネルギーへのアクセス」を基本的な人権であると考え、2050年までにエネルギーアクセスのない8000万人に電力を提供する目標を掲げ取り組みを行っています。
例えばアフリカのチャド共和国にて、地元企業のZIZ energy とのパートナーシップを通じ、遠隔都市5市にソーラー ハイブリッド マイクログリッドを設置し、配電および監視ソフトウエアを提供しています。これにより従来1日平均2時間しか供給されていなかった電力が、15万人に24時間、供給できるようになりました。
また、「ケニア国立学校電化プログラム」では、ケニア政府、Rural Electrification Authority (地方電化庁)とのパートナーシップのもと、ケニア遠隔地の学校128校の電化に取り組みました。ソーラー マイクログリッドの提供や利用維持のための人材トレーニングを行ったことで、現地の小学生にエネルギーもたらし、夜間の校舎利用やコンピュータ、プリンタ、照明が使えるようになりました。
同社は2021年の「Global 100」で第1位に認定され、12回連続でランクインしました。
ネステ(フィンランド)
持続可能な航空燃料の開発で世界を牽引
航空業界は世界の炭素排出量の約2~3%を占めており、飛行による二酸化炭素排出を削減する解決策が求められています。
フィンランドに本拠を置くエネルギー企業のネステは、これまで10年以上にわたって航空機向けの持続可能な燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)を開発・生産してきました。現在、世界最大のSAFメーカーとして世界展開を拡大しています。
同社のSAF「Neste MY Sustainable Aviation Fuel™」は、使用済み食用油や動物性脂肪廃棄物など、100%再生可能な廃棄物と残留原料から製造されています。化石燃料との混合率は最大50%で、この燃料は従来の化石燃料のジェット燃料と比較して、最大80%の温室効果ガス排出量の削減が可能だと言われています。
さらなる新しい原材料の研究開発にも努めており、エアバス社、ロールスロイス社、DLR(ドイツの航空宇宙研究センター)との共同研究プロジェクト「ECLIF3」において、100%SAFの飛行試験を実施するなど、将来のSAFの可能性を追求しています。
同社は「Global 100」に17回連続で選出されており、2023年は29位にランクインしています。
アップル(米国)
サプライヤーの再エネシフトを支援
アップルは、自社製品の生産や利用を通じて、排出する二酸化炭素を実質ゼロに抑えるカーボンニュートラルを、2030年までに達成する公約を挙げています。
同社はまず自社の施設から再生可能エネルギーへの移行を始めました。そして10年間の取り組みを経て、製造サプライチェーンを通じてクリーンエネルギーへの移行を推進するため「サプライヤークリーンエネルギープログラム」を立ち上げました。
2022年4月の同社の発表によると、「サプライヤークリーンエネルギープログラム」により、主要な製造サプライヤーのうちの213社が、25カ国で同社製品の製造をすべて再生可能電力でまかなうことを約束しているとのことです。
日本のサプライヤー企業として、2021年にはキオクシア株式会社やシャープ株式会社など、新たに20社のサプライヤーがクリーンエネルギーへの取り組みを表明し、その多くは、施設内の太陽光発電設備に投資していると報告されています。
このプログラムで同社は、サプライヤーが世界各地で再生可能エネルギーへの移行できるよう支援しています。
まず、同社が再生可能エネルギー移行から学んだことをデータ共有し、トレーニングや教材資料を提供するなど知識習得のサポートをしています。また、再生可能エネルギーの業界グループをつくり、サプライヤーの交流や学びを支援しています。
この取り組みは、再生可能エネルギーへの切り替えをサプライヤーに働きかけている功績が評価され、2020年「RE100リーダーシップ・アワード」のグリーン推進優秀賞を受賞しています。また、同社は2023年の「Global 100」でも73位にランクインしています。
シャネル(仏)
カリフォルニアの低所得者にクリーンエネルギーを提供
高級アパレル大手のシャネルは2019年に、住宅用太陽光発電の大手であるサンラン社(米国)と提携し、カリフォルニア州の低所得者向け集合住宅に住む約3万人に太陽光発電を提供しています。
対象となった地域は、クリーンエネルギーへのアクセスがなく、入居者の80%が低所得者であるコミュニティです。この取り組みにより、低所得者層の人々が電力を無料で利用できるようになりました。この取り組みではさらに、地域住民に太陽光発電の設置技術者としての職業訓練と雇用機会を提供しています。
再生可能エネルギーの提供を通じて幅広い利益を生み出している功績が評価され、同社のこの取り組みは2020年「RE100リーダーシップ・アワード」のベスト コミュニティ チェンジメーカー賞を受賞しています。
以上、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を目指す海外企業の取り組み事例を4件紹介しました。
2030年に向けこうした取り組みがビジネスモデルとなり、さらに多くの企業がエネルギーアクセスの格差改善、再生可能エネルギーへの移行やエネルギー利用の効率化などの課題解決に取り組むことが期待されています。これからエネルギーの課題に取り組もうとしている企業の方は、ぜひこれらの事例を参考してみてください。
本ブログではSDGsの17の目標について、それぞれ詳しく解説した記事を公開しています。
1. 貧困をなくそう | 2. 飢餓をゼロに | 3. 全ての人に健康と福祉を | 4. 質の高い教育をみんなに | 5. ジェンダー平等を実現しよう | 6. 安全な水とトイレを世界中に | 7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに | 8. 働きがいも経済成長も | 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう | 10. 人や国の不平等をなくそう | 11. 住み続けられるまちづくりを | 12. つくる責任 つかう責任 | 13. 気候変動に具体的な対策を | 14. 海の豊かさを守ろう | 15. 陸の豊かさも守ろう | 16. 平和と公正を全ての人に | 17. パートナーシップで目標を達成しよう
5. まとめ
SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、正式にはこのあとに「すべての人々が、手頃な価格で信頼性の高い持続可能で現代的なエネルギーを利用できるようにする」です。
簡単に言うと、化石燃料に代わる再生可能エネルギーのような持続可能なエネルギーを、効率よく、世界のすべての人が利用できるようにしよう、という目標です。
SDGsにおいて目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が必要な理由は、エネルギーの供給システムの確立が、人々の健康的な生活や豊かな社会の発展に欠かせないからです。
もう一つの理由は、化石燃料を使い続けていては、有限な資源であるがゆえにやがて枯渇し、また、温暖化ガスの排出により地球環境に悪影響を及ぼすためです。
エネルギーに関する状況を見ると、世界の場合は「電力アクセスのない地域の存在」と「再生可能エネルギーへの移行の遅れ」、日本の場合は「エネルギー自給率が低い」「再生可能エネルギーの割合が低い」といった問題や課題が挙げられます。
こうした課題解決に向けて、企業は以下のようなアプローチで取り組みを行っています。
- 再生可能エネルギー利用増大
- エネルギー効率の向上
- 省エネ機器、省エネシステムの開発や活用
- 持続可能なエネルギーの開発
- 貧困地域・遠隔地のエネルギーアクセス改善
目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に企業が取り組む際には、以下のようなメリットが期待できます。
- 環境先進企業として認められる
- 省エネによるコスト削減ができる
- 化石燃料の価格高騰リスクを回避できる
- 他業種との協働のチャンスが増える
また、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に企業が取り組む場合、注意点は以下のようなものが挙げられます。
- 自然由来のエネルギーは天候の影響を受ける
- 再生可能エネルギーのコストが高い
- 途上国での取り組みでは、パートナーが必要
実際に日本企業が行っている目標への取り組み事例を、外務省「JAPAN SDGs Action Platform」、経団連「Keidanren SDGs」、経済産業省 資源エネルギー庁「カーボンリサイクル技術事例集」、農林水産省「SDGs×食品産業」の掲載企業を中心に5事例を紹介しました。
- 株式会社セブン-イレブン・ジャパン
- 株式会社エルコム
- 日清食品ホールディングス株式会社
- 株式会社ユーグレナ
- エア・ウォーター株式会社
海外企業の取り組み事例は、「Global 100」、「SDG INDUSTRY MATRIX —産業別SDG手引き」、「RE100リーダーシップ・アワード」の掲載企業から4事例を紹介しました。
- シュナイダーエレクトリック(仏)
- ネステ(フィンランド)
- アップル(米国)
- シャネル(仏)
こうした事例は、自社の本業を通してエネルギーの課題解決につなげている点や、他の企業や組織との協働で取り組みを生み出している点で高い評価を受けています。今回ご紹介したようなさまざまな業種の企業事例がビジネスモデルとして広まり、世界一丸となって目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を目指すことが期待されています。
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[1] ここでの再エネの発電コストとは、2021 年に新規導入された太陽光と洋上風力の発電コストのこと。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA), RENEWABLE POWER GENERATIONCOSTS IN 2021, EXECUTIVE SUMMARY,p1-2, https://www.irena.org/publications/2022/Jul/-/media/Files/IRENA/Agency/Publication/2022/Jul/IRENA_Power_Generation_Costs_2021_Summary.pdf?la=en&hash=C0C810E72185BB4132AC5EA07FA26C669D3AFBFC(閲覧日:2023年3月2日)
[2] 資源エネルギー庁, 国内外の再生可能エネルギーの現状と今年度の調達価格等算定委員会の論点案, p.11, https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/078_01_00.pdf(閲覧日:2023年3月2日)
[3] 慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボ,「SDGsとターゲット新訳 Ver.1.2(2021.3)」, https://xsdg.jp/pdf/SDGs169TARGETS_ver1.2.pdf(閲覧日:2023年1月31日),太字は編集部による編集。
[4] 経済産業省 資源エネルギー庁,再生可能エネルギーとは,https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/index.html (閲覧日:2023年3月2日)
[5] 国連統計局,Goal 7 – Affordable and clean energy,https://unstats.un.org/sdgs/report/2022/goal-07/ (閲覧日:2023年1月31日)
[6] 国際連合広報センター,持続可能な開発目標(SDGs)報告2022,https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_report/(閲覧日:2023年1月31日)
[7] 経済産業省 資源エネルギー庁, 日本のエネルギー 2021年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」, https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2021/007/(閲覧日:2023年1月31日)
[8] 経済産業省資源エネルギー庁, 令和3年10月 エネルギー基本計画の概要, p.12, https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_02.pdf (閲覧日:2023年1月31日)
[9] 経済産業省資源エネルギー庁, 2019年9月 国内外の再生可能エネルギーの現状と今年度の調達価格等算定委員会の論点案
,https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/046_01_00.pdf (閲覧日:2023年1月31日)
[10] 日本気候リーダーズ・パートナーシップJCLP事務局,RE100・EP100・EV100国際企業イニシアチブについて,https://japan-clp.jp/climate/reoh (閲覧日:2023年1月31日)
[11] RE100 theclimategroup, RE100 Members, https://www.there100.org/re100-members (閲覧日:2023年1月31日)
[12] 省エネルギーに関する情報提供や実践活動支援などを行う一般財団法人。優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性に優れた製品、ビジネスモデルを表彰する「省エネ大賞」を主催。
[13] FIT(Feed-in Tariff)制度:再生可能エネルギーの固定価格買取制度。一般家庭や事業者が再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が買い取ることを国が約束する制度。FIP(Feed in Premium)制度:発電事業者が再生可能エネルギーで発電した電力を卸電力取引市場や取引で自由に売電し、その売電価格に対して一定の補助額(プレミアム)が事業者に交付される制度。
[14] ジャパンSDGsアワードとは、SDGs達成に向けて優れた取り組みを行っている、企業や団体などをSDGs推進本部として表彰するもの。NGO・NPO、有識者、民間セクター、国際機関等の広範な関係者が集まるSDGs推進円卓会議構成員から成る選考委員会の意見を踏まえて決定される。
[15] オフサイトコーポレートPPA(電力購入契約:Power Purchase Agreement)の略。
[16] 社会活動全体で地球上の温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること。
[17] 「Global 100」とは、カナダの出版・調査企業である「Corporate Knights」社により2005年にスタートしたSDGs達成に貢献している企業のランキング。「Global 100 Most Sustainable Corporations in the World (世界で最も持続可能な100社)」とも呼ばれ、世界経済フォーラム(WEF)がスイスのダボスで開催している年次総会(ダボス会議)で毎年発表され注目されています。
[18] The Climate Groupが英国の環境NGO「CDP」と提携し、100%再生可能エネルギーへの移行に向けて先進的な取り組みを行う RE100(企業による再生可能エネルギー100%電力調達イニシアチブ) 参画企業を表彰する制度。
参考)
International Renewable Energy Agency(IRENA),13 July 2022 Press Releases
Renewable Power Remains Cost-Competitive amid Fossil Fuel Crisis
https://www.irena.org/news/pressreleases/2022/Jul/Renewable-Power-Remains-Cost-Competitive-amid-Fossil-Fuel-Crisis(閲覧日:2023年3月21日)
日本貿易振興機構(ジェトロ),再エネ、材料コスト増でも発電コストは低下、IRENA報告書,https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/07/b1c775298dea7bb6.html (閲覧日:2023年3月21日)
国連統計部(UNSD),The Sustainable Development Goals Report 2021,Goal 03
https://unstats.un.org/sdgs/report/2021/goal-03/ (閲覧日:2023年2月3日)
国際連合広報センター, 手ごろな価格のクリーン・エネルギーの普及はなぜ大切か, https://www.unic.or.jp/files/07_Rev1.pdf (閲覧日:2023年2月3日)
経済産業省資源エネルギー庁,再生可能エネルギーFIT・FIP制度ガイドブック2022年度版,p.3,https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/kaitori/2022_fit_fip_guidebook.pdf (閲覧日:2023年2月3日)
Corporate Knights, 100 most sustainable companies of 2023 still flourishing in tumultuous times, https://www.corporateknights.com/rankings/global-100-rankings/2023-global-100-rankings/2023-global-100-most-sustainable-companies/ (閲覧日:2023年2月3日)
Corporate Knights,The 100 most sustainable corporations of 2022,https://www.corporateknights.com/rankings/global-100-rankings/2022-global-100-rankings/100-most-sustainable-corporations-of-2022/ (閲覧日:2023年2月3日)
Corporate Knights,2021 Global 100 ranking,https://www.corporateknights.com/rankings/global-100-rankings/2021-global-100-rankings/2021-global-100-ranking/ (閲覧日:2023年2月3日)
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The Climate Group,RE100 Leadership Awards: the winners, https://www.there100.org/our-work/news/re100-leadership-awards-winners(閲覧日:2023年2月3日)
セブン-イレブン・ジャパン,国内店舗数,https://www.sej.co.jp/company/tenpo.html (閲覧日:2023年2月3日)
セブン&アイ・ホールディングス, ニュースリリース2021年3月31日,セブン&アイグループとNTTグループの協創で取り組むRE100店舗の実現 国内初オフサイトPPAを含むグリーン電力を一部店舗に導入,https://www.7andi.com/company/news/release/18114.html(閲覧日:2023年2月3日)
経団連,KeidanrenSDGs,国内初 オフサイトPPAを含むグリーン電力を一部店舗に導入,https://www.keidanrensdgs.com/data/278 (閲覧日:2023年2月3日)
エルコム, 第5回「ジャパンSDGsアワード」を受賞しました。,https://www.elcom-jp.com/20211224(閲覧日:2023年2月3日)
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石油化学工業協会, Let’s Study 石油化学 ~石油化学なんでも情報~石油化学製品はこう使われる,https://www.jpca.or.jp/studies/junior/enyinfo03.html(閲覧日:2023年2月3日)
農林水産省, SDGs×食品産業,17の目標と食品産業とのつながり 目標7, https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/goal_07.html#goal_top(閲覧日:2023年2月3日)
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