おすすめ記事

人材育成の効率的な進め方 企業に役立つ手法,プログラム,ツール紹介

従業員エンゲージメントとは 定着率の向上と組織の成長をもたらす鍵

従業員エンゲージメントとは、企業と従業員の信頼関係と積極的な結びつきの度合いを指します。

人材の流動が激しくなっている昨今、従業員エンゲージメントの在り方が、人材の定着率や仕事に対する意欲を左右するといわれています。

本稿では、従業員エンゲージメントとは何か、そのメリットや向上のための施策を解説します。

■人材育成計画の方法から効果的な教育手法までこれ1冊で解説!
「人材育成大百科」の無料ダウンロードはこちらから


1. 従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、企業と従業員の信頼関係と積極的な結びつきの度合いを指します。

「ロイヤリティ」混同されやすいですが、まず、その違いから説明しておきましょう。
ロイヤリティとは、日本語では「忠誠」と訳されます。ロイヤリティは、従業員が持つ企業に対する心理や行動のことです。

一方で、従業員エンゲージメントは、企業と従業員の双方向で働く心理や行動を指し、企業が一方的に何かを与えるだけのものとは異なります。お互いが積極的に関わり、作用し合って生み出す良質のエネルギーともいえるかもしれません。

両者の違いを理解しているか否かでエンゲージメント向上のための取り組みも変わってくるので注意が必要です。


2. 従業員エンゲージメントが注目される理由

なぜ、従業員エンゲージメントが重要視されているのでしょうか。そのメリットを見てみましょう。

2-1. 従業員定着率が向上する

従業員エンゲージメントは、従業員にとっての働きやすさや仕事へのやりがいなどから生まれます。働きやすい環境とやりがいのある仕事を企業が提供すれば、従業員エンゲージメントが生まれ、定着率が向上します。在職期間が長くなる過程で、エンゲージメントはより強固になっていくでしょう。

2-2. 組織が成長する

従業員エンゲージメントが高いと、従業員は、安心・安全・信頼などのポジティブな要素の中で働くことができます。仕事に対するモチベーションを高いまま維持し、職場の他のメンバーへの協力も惜しまない余裕を持つこともできます。

さらに、企業の目標達成に向けて、工夫や改善を怠らず、新しいことにも積極的にチャレンジできます。そのような個人で構成される組織なら、着々と成長していくことができるでしょう。

2-3. 顧客満足度が向上する

企業全体のエンゲージメントが高いということは、企業の方針と一致した仕事や行動をとる従業員が多いということです。企業のビジョン、目的、目標に向かって、全従業員が一丸となって仕事に取り組むため、絶えずより良いもの、より良いサービスが提供されます。その結果、自社の商品やサービスを利用する消費者やユーザーからも高い評価と満足度が得られ、業績向上につながります。


3. 従業員エンゲージメント向上施策・ポイント

従業員エンゲージメントを向上させるためには、具体的に、どのような施策を講じていけばよいのでしょうか。

3-1. 基盤づくり

従業員エンゲージメントには、まず企業と従業員の共通項が必要です。

そのためには、企業や経営者の理念、ビジョン、思いを従業員に明確に伝えておかなければなりません。そこに従業員が共感し、エンゲージメントを引き出していくからです。

共感や信頼がなければ、高いエンゲージメントは構築できません。採用の段階からきちんと発信し、共通の価値観を持つ人材を集めることも重要です。

3-2. 現状把握と改善

前述の基盤づくりは、企業や経営者から発信するメッセージであり、継続的なエンゲージメントを醸成するものではありません。

より強固なエンゲージメントを築いていくためには、企業の現状把握をして改善点を見つけ出していくことが大切です。人事という立場からは見えなかったり、測れなかったりするような現場の状況が必ずあります。それらを把握し、必要と見極めた施策を実行していくことが、従業員エンゲージメント向上の鍵です。

現状把握の方法としては、従業員の不満や不安、意見、提案を募るアンケートを取るのも一つの手段です。最近では、明確に「従業員エンゲージメント調査」と題して、従業員や職場の現状を確認している企業もあります。あるいは、誰もが意見を出しやすい雰囲気で話し合える機会を設けるのも一手でしょう。

3-3. 向上させるためのコミュニケーション

従業員の状況を把握したまま何もしなかったり、意見を聞きっぱなしにしたりすることは、従業員エンゲージメントを下げることにつながります。従業員からの信頼と協力意欲を失うからです。不満や要望に対して、企業として全てに応えることは難しいでしょう。しかし、結果を報告するなどの何らかのフィードバックをしてコミュニケーションを取っていくことが大切です。このやり取りの過程もエンゲージメント向上の機会になり得ます。

3-4. 向上施策の例

具体的な施策に関しては、自社の現状から見つけ出すことが大前提です。この点は徹底するようにしましょう。

多くの企業で取り組み、成果を上げている施策をご紹介します。

・人事評価制度を見直し、透明性の高い公平な評価制度への改編
・物理的な職場環境のリノベーション(オフィス全体、デスク、個室設置など)
・コミュニケーション機会の創出(イベント、研修、制度、1on1導入など)
・業務フローの見直し、改善(組織変成、システム導入など)
・スキルアップ・キャリアアップ支援

従業員エンゲージメントを向上させるためには、従業員が働きやすい職場環境づくり、自分が企業に貢献できていると実感できるような仕組みづくりが重要です。


4. まとめ

従業員エンゲージメントとは、企業と従業員の信頼関係と積極的な結びつきの度合いを指します。

従業員エンゲージメントを高めると次のような効果があります。
・定着率の向上
・組織の成長
・顧客満足度の向上

では、従業員エンゲージメントを向上させるのに具体的にどのような施策を講じる必要があるでしょうか。
・従業員エンゲージメントの基盤づくり
・従業員エンゲージメントの現状把握と改善
・従業員エンゲージメント向上のためのコミュニケーション

企業や経営者は従業員に理念やビジョンを伝えるだけでなく、現状を把握し、従業員にフィードバックをしていきながら改善できる点は積極的に改善していく。この一連のプロセスが従業員エンゲージメントを高めていきます。

変化の激しい時代だからこそ、従業員エンゲージメントを向上させることが組織が持続的に成長し続けるために非常に重要なのです。

参考)
Forbesjapan 強い組織のカギ「従業員エンゲージメント」が高い企業トップ10
https://forbesjapan.com/articles/detail/17225/2/1/1
日経新聞 「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO16873820W7A520C1TJ1000/
三菱地所グループ 生産性向上のカギを握る従業員エンゲージメント
http://www.mecyes.co.jp/resource/mres_office-journal_vol.22.pdf
ダイヤモンドオンライン 従業員エンゲージメントの高い企業が持続的成長を実現する
https://diamond.jp/articles/-/50423
リシテア 「人事経営課題とトレンド」
http://lysithea.jp/knowledge/special/engagement.html

無料eBook「人材育成大百科」

人材育成の基本から、計画の立て方、効果的な教育手法、そして学習管理システム(LMS)の最新活用法までをコンパクトに解説。

人材育成に関する悩みや課題を解決するための完全ガイドです。

資料内容
・人材育成の基本の説明
・人材育成計画のたて方
・育成計画表のサンプルと作成方法ガイド
・効果的な育成手法の紹介
・人材育成を効率化するLMSのご紹介

プライバシーポリシーをご確認いただき「個人情報の取り扱いについて」へご同意の上、「eBookをダウンロード」ボタンを押してください。