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LXPとは 企業教育は個別最適化の時代へ!人材育成の最新トレンド紹介

これからの人材育成に必要な考え方、手法とは?企業事例も一覧で紹介

「これからの人材育成、何をどう進めるのが理想なのだろうか」

今、企業の人材育成は岐路を迎えています。人材不足とグローバル競争への対応は兼ねてからの課題ですが、ここへ新型コロナウイルスの影響があり、各社の育成計画は大幅な変更を余儀なくされました。

個々の従業員が最大限のパフォーマンスを上げ、企業の業績に貢献していく体制を作るために、企業教育にはICT化とそれによる効率・効果のアップが求められています。

人材開発部門では、これまで以上に「やるべき施策」を見極め、学習効果の高い方法を採用し、目的に向かって着実に推進していく必要があるでしょう。

残念ながら日本では、不況になると教育予算が減らされる傾向があります。リーマンショック後に悔しい思いをした人材開発部門の方、教育管理者の方は少なくないのではないでしょうか。

しかし、2025年問題が差し迫る中、会社の未来を支える人材の育成を先送りする判断は大きなリスクを伴います。社会で広く「まったなし」という感覚が共有されている点が、リーマンショック後とは異なると言えそうです。

人材開発部門の大きなミッションは、社内における教育のプライオリティを上げ、予算を効率よく使って将来を担う人材を育て、戦略人事の一翼を担っていくことです。

そのためには、組織として人材育成をどう考えるか整理し、必要な先に共有し、合理的な計画を立て、最適な手法を選んで改革を進めていく必要があります。

そこで本稿では、企業がこれからの人材育成を進めるために何をどう考えるべきか(戦略)、具体的にどのような手法があるか(戦術)、といったところを具体的かつ網羅的にご紹介します。ぜひ参考にしてください。

この記事の使い方

この記事は、本ブログで公開している人材育成関連の記事の総まとめ記事として作成されています。他の人材育成関連の記事を選んで閲覧するためのインデックスとしてもご利用いただけます。

以下、目的別に活用方法を挙げてみますので、ご参考にしてください。
企業の人材育成についてイチから知りたい方は、1章から順にお読みください。
具体的な手法について知りたい方は、目次を開き、2章3章4章から興味のある項目をお選びください。
人材育成プランの実践について知りたい方5章6章7章8章が参考になります。
8章では当社製LMS「CAREERSHIP®」を利用いただいているお客様の運用成功事例をご紹介しています。

※さらに詳細が書かれている記事にジャンプすることもできます。


目次

1. 改めて、人材育成とは何か

弊社では、「人材育成=教育+キャリア開発支援」ととらえています。人材「育成」というと教育や研修といった学習機会の提供を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、いくら知識やスキルを身に付けても、業務に活用できなければ意味がありません。

ビジネスパーソンの場合、学びの多くは個人のキャリアアップのための手段として存在しています。ゆえ、企業における人材育成というのは、従業員に必要な教育機会を提供し、業務上のスキルアップを促し、キャリアデザインを支援していく一連のプロセスを指します。

ここではまず、人材育成の目的と、その目的を達成するためにぜひ解決しておきたい課題について確認しましょう。

1-1. 人材育成の最終目的は経営目標の達成

企業が人材育成に第一義的に求めるもの、それはビジョンの達成と業績のアップです。福利厚生の一環として、目的の曖昧な研修が「なんとなく」行われる時代は終わりました。今や人事部は、自社の経営目標を実現してくれる「理想の人材」を定義し、人材育成を介して経営をサポートする重要な役割を担っています。

内閣府は平成30年度の年次経済財政報告において、企業が教育投資を1%増加させると労働生産性が0.6%向上するという見解を示しました[1]。厚生労働省も、同年の労働経済分析において、企業がOFF-JTや自己啓発に投資すると翌年の売上高・労働生産性に統計的に有意な伸びが見られるとの分析をしています[2]

つまり、教育に熱心な企業の社員ほど、パフォーマンスとモチベーションが高い傾向にあるということになります。教育への投資と生産性には相関があるのです。その先に業績があります。改めて、企業は競争に勝つために、戦略的な人材育成に本気で取り組むべきと言えるでしょう。

1-2. 人材育成がもたらす副次効果とは?

人材育成が採用とエンゲージメントに与える影響も忘れてはいけません。

人材不足が進む今、各社が優秀な人材を確保するためにしのぎを削って採用に取り組んでいます。新入社員でも年収1000万を望めるNECの新報酬制度[3]は、その切実さを物語っていると言えるでしょう。

成果主義が当たり前となっている外資系企業では、ゴールドマン・サックス証券やGoogle日本法人など、20代で年収1000万円を超える例は珍しくありません。

とはいえ、全ての企業が同じことをできるわけではありません。また、転職が当たり前になり、通年採用をする企業も増えてきているので、優秀な人材はよりよい条件を提示する企業に流れていきます[4]。「最初から優秀な人材」をお金で確保した場合のリスクはそこにあると言えるでしょう。すなわちエンゲージメントの問題です。

その点を解決に導き得るのが、その会社の「人の育て方」です。育成は人を変えます。そして育成の支援をする側、される側の間に、絆を生みます。

採用した人材を人財ととらえ、必要な投資を行い、業績上の効果を得、同時にエンゲージメントを高める―これが人材育成の理想的な姿と言えるでしょう。

1-3. 人材育成の最大のポイントは設計にあり

では、実際に効果的な人材育成を行うには、どうしたらよいのでしょうか。その答えは「設計」にあると言えます。目標を設定し、そこに至るまでのプロセスをきちんと定義することです。

そしてそのプロセスにおいて、最適な学習または指導を、最適な方法で従業員に届けることが大切です。

1-4. スタート前に解決しておきたい周辺課題

人材育成上の課題は大小含めて山積していますが、事前にぜひクリアしておきたい課題として、組織や体制の問題があります。人材育成上の大目標に向かって立ち回ることになる人材開発部門は、経営層と業務部門の板ばさみになりがちです。

施策をしっかりと推進していくためには、社内における人材開発部門のプライオリティを上げ、担当者が一定の権限を持って行動したり、発言したりできるよう、環境を整えておく必要があるでしょう。

必要な部門への根回し、経営層を通じての通達、場合によっては組織変更も必要になるかもしれません。このことは人材育成という本題から逸れているように思えるかもしれませんが、具体的な施策が動き出してから体制の不備や思わぬハードル(例えば他部門との協業の難しさ)に気付く、というのはありがちな展開です。

まずは旗振り役となる人材開発部門が健全に活動できるよう、環境条件を確認しておくことをおすすめします。

最近は、経営と人材育成を直結させ、戦略人事を効率的に推進していくためにCHRO(Chief Human Resource Officer; 最高人事責任者)やCLO(Chief Learning Officer; 最高学習責任者)といったポストを用意する企業も増えています。会社に対してこうした提言を行っていくことも、改革の推進に役立つでしょう。

[1] 内閣府『平成30年度 年次経済財政報告』p.176. https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/index_pdf.html
[2] 厚生労働省『平成30年版 労働経済の分析』p.128. https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/18/dl/18-1.pdf
[3] “NEC新野社長「新卒年収1000万円、世界では必然」”. 読売新聞. https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47190850Q9A710C1X13000/
[4] 外資系企業の多くが年収を公開していないのは、正にこの理由からです。


2. 人材育成の手法一覧(Off-JT編)

効果的な人材育成を実現するためには「設計」が重要と申し上げましたが、設計の前に、世の中にどんな手法があるのかを知っておくことはとても大切です。戦術を知らないと戦略が立てられないからです。

設計段階で、具体的な手法をイメージすることができれば、目標を達成するためのプロセスをより効率的に作り上げることができます。ここから4章にかけては、主な育成の手法をご紹介していきます。

まずはOff-JTです。

Off-JT(Off the Job Training)は、業務の外で行われる、教育を目的としたトレーニングのことです。日本企業には旧来「徒弟制度」という考え方があり、企業においてもOJT(On the Job Training)が中心でした。しかし今ではOff-JTを中心に教育プランを考えるやり方が主流になっています。

Off-JTにはいろいろな種類があります。以下に代表的なものを挙げます。

2-1. 集合研修

日時や場所を指定し受講者を一カ所に集めて行われる研修です。広く一斉に学ぶ必要のあるテーマに有効な手法です。

最近はオンライン研修も当たり前になりつつあり、集合研修の在り方は多様化しています。

2-2. eラーニング

インターネットを利用してパソコンやモバイル端末で学習する手法です。時間や場所の制約がないため、世界中に均一な教材を届けることができます。

eラーニング自体はもはや珍しいものではありませんが、DXの技術を取り入れ自律的な学習を促す「LXP」の考え方や、昇格テストなどの社内で行われるテストをオンライン化する動きなどが見られます。

2-3. 海外研修、海外留学制度

主にグローバル人材育成を目的に実施される研修です。語学力の向上のみならず、国際感覚や、日本では得られない知見を得ることができます。

2-4. 企業内大学

大学の講座のように、従業員が自由に受講科目を選択できる研修制度です。従業員の能力の底上げや、優秀な人材の確保を目的としています。

2-5. 公開講座、外部セミナー

社外の公開講座やセミナーに従業員を出席させる研修手法です。さまざまな分野の専門家が講師を務めるため、その分野の基礎知識やトレンド情報などを得ることができます。

2-6. 通信教育

テキストを使用した個人の学習方法です。課題やテストを提出し、添削されて戻ったものを確認する、というサイクルを繰り返しながら学びを深めます。

2-7. 社会人大学、大学院

業務に必要なスキルを身に付けるため、自らの意思、あるいは企業からの派遣で、従業員が大学や大学院で学びます。近年は、手軽に学べるオンライン講座のMOOCも注目されています。

2-8. 越境学習、留職

「越境学習」は従業員が所属する組織の枠を越えて、実際に業務をしながら学びを得ることです。「留職」は新興国のNPO団体へ従業員を派遣し、本業で得た知識やスキルなどを活用しながら社会課題の解決に取り組む学習方法です。どちらも、普段と違う組織と交流し、実際に働くという特徴があります。


3. 人材育成の手法一覧(OJT編)

OJTは業務の中で行われるトレーニングのことです。新人が先輩から指導を受ける風景は、すぐにイメージできるでしょう。OJTのやり方は企業や職種によって様々なので、それ自体に種類はありません。

代わって、OJTを支援する取り組みをご紹介します。OJTはどうしても現場任せになりやすいので、時に人間関係に支障を来したり、トレーニングの質にムラが生じたりします。現場任せのOJTはリスクが高いのです。

これを最小限に抑え、効果を最大限に引き出すために、以下のような支援プログラムが活用されています。

3-1. 1on1ミーティング

上司と部下が定期的に行う1対1の対面による対話です。「会社の持続的成長のために、部下のやる気を引き出して成長を促す」ことを目的としています。

3-2. メンター制度

新入社員や若手社員に対し、直接の上司に当たる人とは別の人が相談役となる制度です。仕事上の悩みや不安の解消、企業理念の浸透など、メンタル面のフォローやマインド共有をする点が特徴です。

3-3. OJTトレーナーの育成

トレーニングの内容を統一し、質を高めるために、選ばれたOJTトレーナーに教育を施します。OJTトレーナーのミッションを明確にし、指導方法を伝えることで、トレーナーとしての自覚を醸成し、自信を持って指導に当たれるよう、支援します。


4. 人材育成の手法一覧(発展型)

近年では、OJTやOff-JTの枠組みを超え、IT技術を駆使するなどしてより効果的な手法が開発されています。これについても代表的なものを確認しておきましょう。

4-1. ブレンディッドラーニング

eラーニングと集合研修を組み合わせた学習形態です。eラーニングのデメリットである「受講者同士の交流が減る」、「その場で質疑応答ができない」という点を、集合研修を組み込むことによってカバ-できます。

4-2. 反転授業

学習内容を「インプットする方法」と「アウトプットする方法」を従来と逆転させた教育手法です。知識を習得するだけでなく、使って学ぶことに重点が置かれているため、実務で活躍できる人材を育成したい企業にとって効果的です。

4-3. アクションラーニング

現実に起きている課題をケースとして、その解決に取り組むグループワークの一種です。解決に向けた実際の行動とその振り返りを通じて、個人ならびにグループの学習する力を養成します。

4-4. ソーシャルラーニング

ソーシャルメディアを利用する学習形態です。「教える側」、「学習する側」という役割が固定されておらず、参加者が相互に教え・学ぶことができる点が特徴です。

4-5. ゲーミフィケーション

ゲームの仕組みや手法を社会の色々な場面に活用する取り組みです。企業研修においては、ゲームのような娯楽の要素を盛り込むことで、受講者が遊びながら効率的に学べるという効果があります。

4-6. マイクロラーニング

例えば「1回5分で完結するeラーニング」のように、モバイル機器などを用いて短時間で少ない学習量を手軽に学習する方法です。すき間時間で学習・復習できるため、従業員の「学ぶ習慣」を醸成します。

4-7. アダプティブラーニング

eラーニングの一種で、個人の習熟度に合わせたオーダーメイドの学習コンテンツを提供する仕組みです。従来の均一的な教育とは異なり、個人に最適化された内容を効率的に学ぶことができます。

4-8. ワークプレイスラーニング

職場の「実務経験」と座学での「学習」を連携させることで、より効果的な学びに高め、人材の能力向上を促す学習方法です。例えば、「実務」重視のOJTに、「学習」要素の強いOff-JT(メンター制度など)を加えることが挙げられます。

4-9. アクティブラーニング

講師が一方的に講義するのではなく、受講者が主体性を持って知識を習得できるように設計された学習方法です。グループ討議、共同作業・研究、体験学習といったプログラムが活用されています。


5. 7つのプロセスで効果的な人材育成プランを作る

人材育成のよしあしは設計で決まるといって過言ではありません。どんなに有名な講師の方に講義をしていただいても、その内容がきちんと設計された全体像の一部にはまるものでなければ、効果もありがたみも半減してしまいます。

人材育成改革はまったなしです。賢く無駄のない人材育成プランを作りましょう。そのためには、次の7つのプロセスを実践する必要があります。

(1) 経営目標に沿って将来的に必要な人材モデルを定義する
(2) トップの人材モデルの要件をブレイクダウンし、階層別・業種別の人材モデルを定義する
(3) 階層別・業種別人材モデルの要件を人材育成マップに落とし込む
(4) 人材モデルと実際の人材のギャップを洗い出し、目標を設定する
(5) 目標を達成するための研修プログラムを用意する
(6) 研修プログラムとキャリア面談を連携させる
(7) PDCAサイクルを整備する


6. 代表的な研修プログラムご紹介

研修プログラムは、育成プランのメイン施策です。それぞれの研修は、2章でご紹介した様々な手法を組み合わせて実現されます。決まった形があるわけではなく、自社の特徴を生かしたり、強化したい分野に力を入れたりと、様々な工夫が可能です。

6-1. 階層別研修

組織の階層ごとに実施される研修です。「役職」や「役割」を遂行するのに必要な能力を育成します。主に以下のような分類で実施されます。

a. 管理職研修

業績向上、部下の育成、組織力の強化など、管理職に求められるスキルを習得します。マネジメント、リーダーシップ、戦略的思考などが挙げられます。

b. リーダー研修

業績向上を成し遂げ、周囲のメンバーを牽引するリーダーとして必要なスキルを習得します。コミュニケーション、リーダーシップ、チームビルディングなどが挙げられます。

c. 中堅社員研修

部下のモチベーションを上げ、業務能力を伸ばすために必要なスキルを体系的に習得します。コーチング、目標管理、マネジメントなどが挙げられます。

d. 若手社員研修

業務を一人で遂行し、主体的に仕事に取り組む姿勢を求められる若手社員に必要なスキルを習得します。クリティカルシンキング、問題解決、OJT指導などが挙げられます。

e. 新入社員研修

新社会人として、組織で業務を遂行する上で必要な考え方や心構えやビジネスを円滑に進めるための基礎知識を習得します。ビジネスマナー、ビジネス文書、タイムマネジメントなどが挙げられます。

f. パート/アルバイトスタッフ研修

店舗や現場での接客・運営に必要となる知識を習得します。OJTが一般的ですが、オフィスでの座学や、eラーニングを併用するケースもあります。

6-2. 業種別研修

業種によって必要となる知識・スキルを習得します。金融業であれば財務分析研修、飲食業であれば接遇研修などが挙げられます。

6-3. 全社員研修

組織における共通の価値観や業界の基礎知識などを習得します。企業ビジョンや業界の基礎知識、企業風土に関わるテーマ(ダイバーシティ、コンプライアンスなど)などが挙げられます。

6-4. グローバル人材育成

海外ビジネスを進める上で必要となる知識・スキルを習得します。ビジネスレター、国際会計基準、海外研修などが挙げられます。

6-5. トレーナーズトレーニング

指導・育成担当者として、「教える」ために必要な知識や心構え、指導法を習得します。プレゼンテーションやコーチング、ファシリテーションなどが挙げられます。


7. 効率的な人材育成のカギとなるツールたち

人材育成プランの設計自体は今のところ人の手でしかできませんが[5]、一連のプロセスをサポートしてくれるツールには様々なものがあります。

まずITです。特に学習管理システムは、教育施策の実施とデータの収集・管理、そのために必要なコミュニケーションに係る業務負荷を確実に軽減してくれます。AIも徐々に実用化されていくでしょう。

テンプレートや書籍は教育管理者自身のパフォーマンスアップやスキルアップに役立ちます。

そしてコンサルタントや講師などの「人」が占める部分は、IT化が進む影響で減りはするものの、よりコアで重要な位置を占めるようになっていくと思われます。

7-1. 学習管理システム(LMS)

Learning Management Systemの略で、「学習管理システム」とも呼ばれます。当初はeラーニングの教材管理に向けて開発されましたが、今やeラーニングだけでなく、研修管理、タレントマネジメントなど、人材育成に関わるシステムを一元管理できるものもあります。

7-2. タレントマネジメントシステム

従業員のタレント(才能)・業務経験・スキルなどをデータとして一元管理するシステムです。人材の適性配置や育成・教育などに活用します。

LMSと連携した使われ方も注目されています。

7-3. 人工知能(AI)

コンピュータを使って、学習・推論・判断など人間の知的な働きを人工的に実現したものです。学習ログの確認・分析など、人材育成の場でも活用されています。

7-4. 各種テンプレート

育成計画書や目標管理シートなどの各種テンプレートを活用することで、人材開発部門の業務効率化を図ります。

7-5. 書籍

人材育成や教育、働くことをテーマにした書籍を読むことで、自身の知見を深めます。研修企業選びに迷った際は、各研修会社から出版されている書籍を読めば、選定の参考にもなります。

7-6. コンサルタント/講師

戦略的な人材育成を実現するには、時としてプロの力を使うことがあります。うまく活用して新しい知見や質の高い情報を得ることで、人材育成の効率化・最適化につながります。

[5] 将来的にはAIが強力な支援者になるはずです。


8. 大手企業に学ぶ人材育成の極意

自社の人材育成を考える際に、他社の事例を活用することはとても大切です。

自社と似た課題に対し、他社がどのような考え方でどのようなアプローチをしているのかを知り、参考にすることができるからです。また、事例に目を通す中で、自社では顕在化していない課題に気付いたり、新たな価値基準や目指すべき方向性を見出したり、といったこともあります。

事例は示唆に富んでいます。ここでは、人材育成改革に積極的取り組む企業の事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

8-1. トヨタ自動車株式会社

2016年にカンパニー制への移行を宣言し、経営な組織の在り方を大きく変えようとしているトヨタ自動車では、社内に点在する教育リソースを集約し、「教育の環境づくり」を進めています。そのために、それまでオンプレ型だったLMSをクラウド型に変更。システム部門の手を借りず、人材開発部のみでシステム導入を成し遂げ、各カンパニーの意向をヒアリングしながら長期的な視点で全社的な教育環境の構築を行っています。

8-2. アサヒビール株式会社

eラーニング利用率の低さに頭を悩ませていたアサヒビールでは、キャリアポータルサイトをリニューアルし、アクセス数を従来の12倍(6,000PV)に拡大しました。工夫した点として、①社員のキャリアを支援するコンテンツ②使い勝手の良いシステム③社員の「学びたい」気持ちの高まりを意識した情報発信④eラーニングの利便性とリアルの学びの良さを掛け合わせた教育が挙げられます。

8-3. 株式会社JTB

「自律創造型社員」の育成に注力することを宣言しているJTBでは、2019年に人財育成の考え方を「社員を育てる」から「社員が自ら育つ。それを会社が支援する」にシフト。教育プラットフォーム「JTBユニバーシティ」を活用して研修改革プロジェクトを進めています。「必s要な時に必要な学びを提供する」こと、「見える化・データ化」の実現のために、統合型のクラウドLMSを導入。グループの人財教育・キャリア形成支援のためのハブとして活用しています。

8-4. 株式会社タカラトミー

世界各地にグループ会社があるタカラトミーでは、全社員がコンプライアンスを意識できる取り組みをしています。年に一度、「コンプライアンスを考える日」というイベントを実施するほか、社員が業務で必要とする法令知識を効率的に習得するために、eラーニングも活用しています。

8-5. ジンズ株式会社

急激な新規出店に伴い、店舗スタッフ教育の体系化が急務となったジンズでは、LMSによるスキル習得の仕組みを構築しました。その結果、個々のスタッフが「今どの階層にいてどこまで習得しているか」を店長以外も把握できるようになり、本部・エリアリーダー・店長が連携して教育できるようになりました。

8-6. TDK株式会社

年間60本以上、日数にして約170日の研修を実施するTDKでは、意識(マインドセット)とスキルの2軸を基盤とした研修プログラムで、「自律型人間」を育成しています。主となるのは集合研修ですが、知識習得にeラーニングも活用して効率的に学習機会を提供しています。

8-7. 大日本住友製薬株式会社

大日本住友製薬では、部署ごとに異なっていたLMSを統合することで、管理の手間を大きく削減しました。従業員にとっても利便性が向上し、各自が空き時間を活用して教材にアクセスできるようになりました。

8-8. 物語(上海)企業管理有限公司

上海でのスタッフ教育に課題を抱えていた物語コーポレーションでは、eラーニングによってスタッフの学習意欲を高めることに成功しました。ポイントは動画での「見える化」です。文字ではなく動画で接客や調理法などを配信し、長くても3分以内に収めることで、手軽に学べる環境を整えました。

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9. まとめ

いかがでしたか?

人材育成とは何かというところから、人材育成の考え方や手法、研修プログラム例、ツール、事例などをご紹介してきました。

企業における人材育成とは、従業員に必要な教育機会を提供し、業務上のスキルアップを促し、キャリアデザインを支援していく一連のプロセスを指します。

内閣府や厚生労働省の報告により、教育投資は企業の生産性を向上させることが証明されました。企業は競争に勝つために、積極的かつ戦略的に人材育成を進めていく必要があります。

人材育成は、以下の事実を踏まえて進めましょう。

・効果的な人材育成は生産性を向上させる
・人材育成は採用やエンゲージメントの確立にも役立つ
・戦略的に人材育成を進める際の最大のポイントは「設計」である

施策の検討に入る前に、旗振り役たる人材開発部門の動きが阻害されぬよう、組織的なハードルを取り除き、社内におけるプライオリティを上げておくことが大切です。

設計にあたっては、以下のような点がポイントになります。

・代表的な育成の手法を押さえておく
・経営目標をベースとした育成プランを作る
・育成プランに沿った研修プログラムを用意する
・施策の推進に各種ツールを活用する
・他社の事例をチェックする

従業員一人ひとりの潜在能力を最大限に引き出し、伸ばすことができれば、組織全体の生産性が底上げされ、ビジネスの成長が見込めます。人材開発部門は、人財を通じてビジョンの達成と業績のアップに貢献する、経営の強力なサポーターです。スピード感を持って、最適な育成プランを作り、推進していきましょう。

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