「1on1ミーティング(1on1 MTG)は会社にも個人の成長にもメリットがあることはわかった。これだけ成果があるなら、どうやって対話を進めればいいのか、早く知りたい」
ヤフーが1on1 MTGを実施して成果を上げていることもあり、多くの会社が1on1 MTGを導入し始めているようです。早速実施するように言われたマネージャーはもちろん、具体的な導入プログラムを作成する立場にある人事担当者も、他社が実際にどのようなやり方をしているのか、大いに気になるところでしょう。
皆さんも、1on1 MTGの具体的なやり方、進め方を知りたくて、あちこちのサイトをネットサーフしておられるのではないでしょうか。
しかし、1on1 MTGを本当に実のあるものにするためには、具体的な方法を学ぶ前に、最初に理解しておくべき基本的な考え方があります。
本稿では、1on1 MTGを行うにあたって知っておくと役立つ、「成長マインドセット」、「感情、思考、行動のABCDEモデル」の2つの概念についてご紹介します。
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目次
1. 1on1 MTGについての基本事項
本題に入る前に、2回にわたって紹介した1on1 MTGの目的と定義を簡単に確認しておきましょう。
1on1 MTGは、「会社の持続的成長のために、部下のやる気を引き出して成長を促す」ために、上司と部下が定期的に行う1対1の対面による対話のことです。
1on1 MTGを行うことによって、上司と部下がお互いの理解を深め、上司が的確なサポートをすることで仕事のパフォーマンスアップが期待できます。さらにチーム全体の信頼関係が高まって、組織としてより大きな成果を上げられるようになり、会社の成長という点でもメリットがあることを説明しました。また、1on1 MTGのテーマをどう決めるか、部下が自ら考えて行動できるよう、上司がどうサポートするかなど、1on1 MTGの基本プロセスについても解説してきました。
多くの会社では、正式な人事評価制度の中で、社員一人ひとりが担うべき業務内容、一定の期間内(通常は1年単位)に達成すべき目標、その目標がどの程度達成されたかを測る指標を、上司との間で確認し、合意する仕組みがあると思います。
その目標設定と評価を行うため、1年もしくは半年に1度、定期的な人事面談を行うのが通例でしょう。
しかし、半年や1年に1回の面談だけでは、当然ながら、部下の成長をサポートする施策としては十分ではありません。もっと頻繁に上司が部下に接して、よりきめ細やかに、かつ効果的、効率的に部下の成長を促すべく、リアルタイムにサポートをする手段が、1on1 MTGです。併せて、上司と部下との間で強固な信頼関係を築く、絶好の場でもあるのです。
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2. 1on1 MTGにおける「成長マインドセット」
1on1 MTGの目的のキーワードは、「成長」です。
株式会社にとって、持続的成長が至上命題であることは言うまでもありません。会社の成長を担う人材育成は、会社としての最重要課題であり、管理職の最重要任務の一つです。
それでは、社員一人ひとりにとって、「成長」はどんな意味を持つのでしょうか。
2-1. 「成長」の重要性と必要性
40代後半以上の、高度成長期からバブル期の右肩上がりの時代を肌で経験した人たちにとっては、「成長」はよいことであり、当然すべきもの、という考え方が当たり前かもしれません。
一方、30代前半以下の世代は、物心ついたときには「失われた20年」に突入しており、無理のない学習環境で学ぶことを目指した「ゆとり教育」で育ちました。経済が低迷し、就職氷河期で苦労した世代もいます。彼らの多くが、以前のような成長神話に踊らされなくなっていても不思議はありません。上司の目から見て、「最近の若者は成長意欲に欠ける、上昇志向がない」と感じることも少なくないでしょう。
しかし、「成長」の物差しは、高度成長期やバブル期の経済的豊かさや昇給昇格だけではありません。
より優しい人間、より強い人間に成長すること。温かな家庭を築くこと。
人それぞれ、「成長」の物差しは違っていてよいはずです。自分にとって価値のある尺度を見つけ、昨日の自分より今日の自分が少しでも「成長した」と実感できることが、私たちの幸せや人生の充実にとって必要不可欠な要素ではないでしょうか。
言い換えれば、人は誰でも「成長したい」という気持ちを持っているのです。
上司が部下と1on1 MTGを行う際は、「1on1 MTGは、部下の『成長したい』という(潜在的な)思いをカタチにするためのサポート手段」だということを、まず念頭においておきましょう。
2-2. 成長マインドセットとは
「成長」の重要性に関して、スタンフォード大学心理学教授であるキャロル・ドゥエック氏は、「成長マインドセット」という概念を提示しました。マインドセットとは、ものの考え方、思考様式、一種の信念のことです。
4歳児にジグソーパズルを解かせる実験で、簡単なパズルを解かせたあと、安心して解ける同じようなパズルか、もっと難しいパズルか、どちらがいいか尋ねると、子どもの選択は分かれます。
その後どんどん能力を伸ばしていくのは、どちらを選んだ子どもだと思いますか?
もちろん、難しいパズルを選んだ子どもです。
ドゥエック教授は、簡単な方か難しい方か、どちらを選択するかは、マインドセットによることを発見しました。そして、伸びる子のマインドセットを「成長マインドセット(*)」、そうでないほうを「硬直マインドセット」と名付けました。
さて、この比較表を見て、皆さんは、ご自分が「成長」と「硬直」のどちらのマインドセットのほうが強いと思われますか?
おそらく、時と場合によって硬直モードになったり成長モードになったり、というのが実際のところではないかと思います。
ただ、歳をとるとだんだん硬直モードの方が強まるのも1つの傾向です。なぜなら、地位が上がるにつれて「失敗するわけにはいかない」というプレッシャーが増し、若い頃のように大胆なリスクテイクがしづらくなるからです。
また、経験を重ねることで失敗をうまく回避する技を身につけ、失敗が少なくなる分、失敗への耐性が減り、保守的になりがちです。さらには、「もう今さら“成長”なんていう歳でもないし……」と、自分自身の可能性にふたをしてしまう場合もあるかもしれません。
しかし、最近の脳科学の研究では、脳は生涯にわたり変化し続け、新たな能力を習得していけることがわかっています。部下の成長を促すには、まず上司自身が成長マインドセットを持ち、自分自身の成長の可能性を信じることが重要です。
では、若ければ成長モードでいるか、というとそうでもなく、若者世代でも硬直モードが目立ってきているのも最近の傾向です。
少子化による親の手厚い保護やゆとり教育の影響か、子どもを痛い目に遭わせないよう、周りの大人が先回りして手を差し伸べてやる結果、失敗を経験せず、「失敗慣れ」していない子どもが増えていると言われています。その結果、「失敗はよくないこと」という考えが、若者の中に広まっているようです。
努力しても能力は変わらない、是が非でも他人より優位に立ちたい、といった典型的な硬直マインドセットではないものの、失敗して傷つくのが怖いから、最初からあえてチャレンジをしない思考が、小さい頃から培われてしまっているのです。
しかし、言うまでもなく、失敗のないところに成長はありません。
フォード・モーターの創設者であるヘンリー・フォード氏が残した言葉通り、「唯一、本当の失敗とは、そこから何も学ばないこと」なのです。
失敗しないことが良いことと考える若者には、成長のためには失敗は不可欠であり、恥ずかしいどころか買ってでもやるべき貴重な体験なのだということを教え、成長マインドセットを植え付けていく必要があります。
*…英語では「Growth mindset」です。ドゥエック氏の著書の翻訳版「マインドセット『やればできる!』の研究」では、「しなやかマインドセット」と訳されていますが、本稿では直訳して「成長マインドセット」としています。
2-3. 1on1 MTGで硬直マインドセットに気づかせる
硬直マインドセットに陥っている人たちへの朗報は、「それを自分で変えることができる」ということです。マインドセットとは、ものの考え方、思考様式、一種の信念のことですから、遺伝子やIQと違って、自分が意識して変えようと思えば変えられるのです。
1on1 MTGにおける上司の重要な役割は、部下が硬直状態だった場合、本人に自分の状態を気づかせて、成長マインドセットに切り替えるよう背中を押してやることです。
何か新しいことに挑戦しようとしても、どうしても1歩が踏み出せない。
人目を気にして、失敗を恐れて、ついためらってしまう。
そんな部下の姿を見て「成長意欲がない。ダメだな」と決めつける前に、まず成長の意味、楽しさを伝えましょう。
成長マインドセットと硬直マインドセットの比較表を見せて、硬直モードになってないか?と尋ねてみましょう。
自分が硬直していたと気づき、成長しよう、と思えば、それがまさに「成長マインドセット」です。
2-4. 成長し続けるためのスキルとチャレンジレベルのバランス
成長マインドセットに切り替わったら、次は具体的にどう成長し続けていくか、継続のコツがあります。それは、「スキル」レベルと「チャレンジ」レベルのバランスをとることです。
あなたが新入社員で、営業部に配属されたばかりだと想像してみてください。もしも上司にいきなり「〇〇社に営業に行って来い」と言われたら、どうでしょうか。名刺の渡し方さえ知らない社会人ほやほやの社員にとっては、チャレンジレベルが高すぎますね。
まずやるべきことはスキルレベルを上げることです。顧客との接し方、基本的な商品知識、プレゼンの仕方など、基本的なスキルを1つずつ習得するところから始めます。そのようにしてスキルレベルが上がってくると、営業成績も上がって成長の手ごたえを実感し、仕事が楽しくなってきます。
ところが、営業スキルを着々と身につけて、営業トークもすらすら口をついて出てくるようになると、同じことの繰り返しのように感じられ、だんだん退屈してくるでしょう。
そこから脱却するには、新しいチャレンジが必要になります。例えば
・新規顧客開拓をする
・別の商品を扱う
・別の部署に異動し、やったことのない業務に携わる
など、チャレンジレベルを上げることによって、新たな成長ステージに上がることができるわけです。
そうやって、ジグザクと、スキルとチャレンジのレベルのバランスをとりながら、昨日より今日の自分が少しでも成長することで、充実感をもって仕事を続けることができるのです。
1on1 MTGは、部下のスキルレベルとチャレンジレベルを確認し、両者をうまくバランスさせながら上げていく施策を検討する、絶好の場です。
スキルとチャレンジのレベルが交互に上がり、健やかな成長軌道に乗っていれば、OKです。(下図の中央の右肩上がりの矢印)。
しかし今の業務を全うするにはスキルレベルがまだ低く、不安モードになっていたら、足りないスキルを丁寧に教える必要があるでしょう(上図の左上の赤い矢印)。
今の業務はチャレンジレベルが簡単すぎて、退屈モードになっていたら、業務の難易度を上げたり新しい業務をアサインしたりして、チャレンジレベルを上げてやります(上図の右下の赤い矢印)。
なかなか手間のかかる仕事かもしれませんが、1on1 MTGでこうした部下育成に取り組むことが、上司の皆さんにとっての、まさに新たな成長機会。ぜひ果敢にチャレンジしてみてください。
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3. 感情、思考、行動のABCDEモデル
1on1 MTGで部下のやる気を引き出して成長を促すには、人間の感情、行動、思考の関係と、それらが起こる仕組みを理解しておくことが不可欠です。ここでは、米国の臨床心理学者であるアルバート・エリス氏が、認知行動療法のひとつとして開発した「ABCDEモデル」について説明していきます。
3-1. 感情、思考、行動の関係
通常、私たちは、好ましくない「逆境(Adversity)」に出合った瞬間、ネガティブな感情が湧き起こる、とっさに身体が動いて行動する、といった何らかの反応、「結果(Consequence)」を起こします。
実は、「結果」が生じる前には、無意識のうちに何らかの「思考(Belief)」が働いています。「思考」といっても、多くの場合、客観的思考ではなく主観的な「思い込み」です。
結果として起こる感情や行動が適切であれば、別に何の問題もないのですが、そうでない場合が多々あります。問題が起こる時は、思わず抱いてしまう、誤った思い込みが悪さをしているのです。
例えば、次のような思考と結果です。
・逆境(Adversity):上司から「明日9時から1on1 MTGしよう」と言われた。
・結果(Consequence):不安な気持ちが湧き起こる(感情)。上司の前でつい顔をしかめてしまう(行動)。不安が尾を引き、夜眠れず、翌朝遅刻する(行動)。
(実はCの前には、以下のような思考が働いている)
・思考(Belief):今日の1on1 MTGでは、営業成績が悪いと怒られるに違いない。
「遅刻する」という好ましくない行動を正すには、単に行動面だけに目を向けて「遅刻しないようにしよう」と思うだけでは不十分です。その行動の裏にどんな誤った思考が働いているかに気づき、思考そのものを正していかなければ、また同じように遅刻をしてしまう可能性があります。
こうした分析を、「逆境(Adversity)」「思考(Belief)」「結果(Consequence)」の頭文字をとって、ABC分析と呼んでいます。
3-2. 誤った思考=「思考のワナ」
この、客観的でない誤った思い込みのことを、「思考のワナ」と呼びます。
「思考のワナ」は、臨床心理学では「認知の歪み」と呼ばれており、典型的なものは以下のとおりです。
ABC分析では、自分が何の「思考のワナ」に囚われていたのかに気づくこと、つまり自己認識することが、大切なポイントです。
3-1であげた「営業成績が悪いと怒られるに違いない」という思考は、「早とちり」のワナと見ることができです。
自己認識のためには、まず上記のリストを眺めてみて、自分が陥りがちな「思考のワナ」はどれか、あたりをつけておきます。そして、何かネガティブな出来事に遭遇した時に、どんな感情が起こるか見つめます。ネガティブな感情にさいなまれたり、不適切な行動をとりそうになったりしたら、その「ワナ」にはまっていないか、自問してみるのです。
あらかじめワナの名前が分かっていれば、「あ、これは『早とちり』だ」などと、気づきやすくなります。気づけば、おのずと自分を客観視できて、多くの場合ワナから抜け出すことができます。
3-3. より適切な行動をとるために
「思考のワナ」に気づくだけでなく、より的確な思考に切り替えて、出来事に対してしかるべき行動をとる、というのが次のステップです。
まず、湧きおこった思考(Belief)に対して「反論(Dispute)」を企てます。その上で、今ここでとるべき、より「効果的な(Effective)な思考や行動」を改めて考えてみるのです。
先ほどの例で言えば;
・思考(Belief):営業成績が悪いと怒られるに違いない(早とちり)。
→反論(Dispute):1on1 MTGの目的は部下育成と言われた。怒られると決まったわけではない。
→効果的な思考(Effective):ちょうどいい機会だから、手こずっている顧客の攻略法について相談してみよう。
この「反論(Dispute)」と「より効果的な(Effective)思考や行動」の2つのステップと、先ほどのABCを合わせて、ABCDEモデル、と呼びます。
3-4. 1on1 MTGにおけるABCDEモデルの活用
では、こうした思考分析を1on1 MTGにどう応用していけばよいのでしょうか。
ABCDEモデルは、「逆境に対して感情的にならずに冷静に的確な行動をとる」プロセスに他なりません。仕事をする上で非常に有用な行動パターンを身につけるには、うってつけのモデルです。逆境に直面しても、そこで起こるネガティブ感情や行動に惑わされず、その裏にある思考のワナに気づき、適切な思考に切り替えるくせをつければ、チャレンジングな業務でも、失敗を恐れず前向きに取り組めるようになります。
その結果、成功すればその人の自信となりますし、失敗しても「失敗から学ぶ」成長マインドセットがあれば、次に活かすことができます。
つまり1on1 MTGでは、上司の皆さんがABCDEモデルを活用して、部下が思考のワナから抜け出して、より適切な行動をとれるよう、サポートすればよいのです。
なかなかよい結果を出せなかったり、困った問題が起きたりすると、自分で対処できなくなってしまう部下に対して、「がんばってやってみよう」とただ漠然と励ますだけではいささか心もとないです。その人がどういう思考のワナに囚われているのか、気づきを促し、それに対する反論を一緒に考え、より効果的な行動を見つける手伝いをしてあげることこそ、上司としての大切な役割です。
2-2で説明したような、硬直マインドセットに凝り固まっている部下には、「成長マインドセットに切り替えよう」だけでなく、その裏にある思考を掘り下げてみるとよいでしょう。
過去の1回の失敗経験を「過剰一般化」して、自分は何もできないヤツなんだ、と思い込んでいるのかもしれません。
小学生の頃から優等生だったために、自分は人よりも優秀な成功者であるべき、という「べき論」に囚われて、失敗を恐れて苦手な業務から逃げ回っているのかもしれません。
「思考のワナ」のリストや「ABCDEモデル」の考え方を上司と部下で共有しておけば、部下がつまずきそうになったとき、「ほら、また『視野狭窄』やってるよ」「その思考に対して、どう『反論(Dispute)』しようか?」というふうに、共通言語を使ったヒントの出し方ができます。共通言語があるおかげで、本来は指摘しづらい欠点も口に出しやすくなり、部下もそれを受け入れやすく、気づきのチャンスを得やすくなります。
そして、何よりも大切なのは、上司自身も、自分が陥りがちな「思考のワナ」を認識しておくことです。
例えば、
・部下が作成した提案書に2つか3つ程度のタイプミスがあっただけで、「こんなドラフトじゃあ、使えない。0点!」といった「All or nothing」のワナに囚われていないか。
・メールでの質問に1日たっても返事がないと、「あいつは、上司のことをナメてるにちがいない」と勝手に「マインドリーディング」をしていないか。
・部下が立て続けに遅刻したとき、理由も訊かずに「あいつは時間にルーズなやつだ」とべったりラベリングをしていないか。
1on1 MTGでは、上司自身が「思考のワナ」に囚われず、何の先入観もわだかまりもなく、部下と接することが大きな効果を上げる秘訣です。
4. まとめ
本稿では、1on1 MTGを、本当に実のあるものにするために役立つ2つの考え方をご紹介しました。
①成長マインドセット
「成長」は、私たちの幸せや人生の充実にとって必要不可欠な要素であり、人は誰でも本来「成長したい」という気持ちを持っています。「成長マインドセット」、つまり、新しいことに挑戦して、その努力のプロセスを重んじ、失敗から学ぶ前向きな思考様式が、私たちの本来の姿勢なのです。
部下のやる気を引き出して成長を促すことを目的とする1on1 MTGでは、部下が成長マインドセットを持って前向きに業務に取り組むよう背中を押してやることが、上司の重要な役割になります。また、成長の継続とレベルアップのためには、部下のスキルレベルとチャレンジレベルを確認しながら、両者のバランスをうまくとりながら、上げていくことを心掛ける必要があります。
②感情・思考・行動のABCDEモデル
人間が逆境(Adversity)に直面した瞬間に、ネガティブ感情や不適切な行動という結果(Consequence)が生じる裏には、何らかの主観的思考(Belief)が働いています。
多くの場合、その思考は「思考のワナ」と呼ばれる誤った思い込みです。そのワナに気づいて、それへの反論(Dispute)を考え、今ここでとるべき効果的な(Effective)な思考や行動を考えてみる、というプロセスがABCDEモデルと呼ばれるものです。
なかなか適切な行動がとれない部下に対しては、このABCDEモデルを活用して、自分が囚われやすい思考のワナに気づかせ、それに反論し、効果的な行動をとれるようサポートすることが、上司としての大切な役割です。
そして、何よりも大切なのは、上司自身も、自分が陥りがちな「思考のワナ」を認識することです。1on1 MTGでは何の先入観もわだかまりもなく、部下と接することが大きな効果を上げる秘訣です。
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<参考文献>
・「ヤフーの1on1」本間浩輔 ダイヤモンド社 2017年
・「マインドセット『やればできる!』の研究」キャロル・S・ドゥエック 草思社 2016年
・「フロー体験 喜びの現象学」ミハイ・チクセントミハイ 世界思想社 1996年
・「心理学」無藤隆他 有斐閣 2004年
・「大人のための図鑑 脳と心のしくみ」池谷裕二 新星出版社 2016年
・「ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性」鳥井哲志編 ナカニシヤ出版 2006年
・「動機づけ面接法 基礎・実践編」ウィリアム・R・ミラー、ステファン・ロルニック 星和書店 2007年