ホワイト企業とは、職場環境が整っていて、働きやすい企業のことです。
長時間労働やパワハラなど職場環境が劣悪な「ブラック企業」 に対する言葉として使われ始めました。
「就職するのに良い企業」「なんとなく良さそう」とイメージで捉えられがちな言葉でもありますが、厚生労働省による認定制度「安全衛生優良企業公表制度(ホワイトマーク)」も作られており、認知が広がっています。
本稿では、ホワイト企業とは何か、企業の7つの特徴や厚生労働省の取り組みをご紹介します。
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目次
1. ホワイト企業とは
ホワイト企業は、ブラック企業の対義語として登場した言葉です。ブラック企業に特徴的な長時間労働や過度なノルマ設定などがない、コンプライアンスに関する意識が高く従業員を大切にする企業という意味で使われています。
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2. ホワイト企業の特徴
ホワイト企業は、具体的に次の点で評価されます。
2-1. 離職率が低い
言い換えれば、「従業員の勤続年数が長い」ということです。これは、職場環境が良いことを意味しています。
2-2. 残業が少ない
職場内に残業が奨励されない雰囲気があり、効率的に業務が進められていたり、「ノー残業デー」といった制度が適切に導入・運用されていたりすると考えられます。
残業が少ないと、従業員の心身の健康やモチベーションの維持につながります。このような企業は従業員からの評価も上がる傾向にあります。
2-3. 福利厚生が充実している
福利厚生には法律で義務付けられている法定福利厚生と、企業が任意で提供する法定外福利厚生があります。
ホワイト企業では、雇用保険や健康保険など社会保険料を企業が負担する法定福利厚生だけでなく、各種休暇制度や住宅手当、勤務制度など、企業独自の福利厚生が充実しています。働きやすい環境づくりに積極的だといえるでしょう。
2-4. 法令遵守を徹底している
企業全体としてコンプライアンスに関する意識が高く、またそのための教育制度も整っています。コンプライアンスを徹底することで、企業や従業員が守られ、企業の健全な発展につながります。
2-5. 明確な評価制度がある
従業員が納得できるような人事評価制度がきちんと整備されています。自分の働きがどのように評価され、昇給や昇格に反映されるのかが明確になっていれば、従業員は自身のキャリアプランを立てやすくなり、目標意識を持って意欲的に働けるでしょう。
2-6. 長期的な視点に基づいて人材を育成している
従業員が長期的に勤務することを前提に人材育成・教育制度が構築されています。能力やスキルを向上させる仕組みが整っていることで、より生産性が高まるという好循環が生まれます。
2-7. 給料が適切に支払われている
適切な額の給料を遅滞なく支払う能力があるということは企業が安定し、また従業員を大切にしていることを意味します。
ホワイト企業には、従業員を長期にわたって雇用し、育てていこうという考え方があります。従業員が継続的に勤務するので、長期的視野を持って人材育成ができ、スキルやノウハウを継承していくことが可能になります。結果として経営が安定し、業績向上につながります。
3. 安全衛生優良企業公表制度(ホワイトマーク)
厚生労働省では、2015年6月から「安全衛生優良企業公表制度」を開始しました。これは、職場での従業員の安全と健康の確保、快適な職場環境づくりに積極的に取り組んでいる企業を認定し、企業名を公表する制度です。
「安全衛生優良企業公表制度」として評価することで、積極的に労働安全衛生に関する取り組みを実施する企業の社会的認知度を高め、より多くの企業に取り組みを浸透させることが目的です
認定を受けるには、「過去3年間、労働安全衛生関連の重大な法律に違反していないこと」の他、次のような対策に積極的に取り組んでいる必要があります。
・従業員の健康保持や増進への対策
・メンタルヘルス対策
・過重労働防止対策
・安全管理への対策
認定の有効期間は3年間です。認定企業には、「ホワイトマーク」が付与され、働きやすい優良企業として自社のPRに活用できます。企業イメージだけでなく、従業員のモチベーション向上も期待できるでしょう。また、求職者にとっても、就職先を選ぶ際の判断材料になります。
安全衛生優良企業認定マーク(通称:ホワイトマーク)
出典)厚生労働省「安全衛生優良企業公表制度について」,
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000075611.html
4. まとめ
ホワイト企業とは、職場環境が整っていて、働きやすい企業のことです。具体的には、次のような特徴を持つ企業を指します。
・離職率が低い
・残業が少ない
・福利厚生が充実している
・法令遵守を徹底している
・明確な評価制度がある
・長期的な視点に基づいて人材を育成している
・給料が適切に支払われている
厚生労働省は、職場での従業員の安全と健康の確保、快適な職場環境づくりに積極的に取り組んでいる企業を認定し、企業名を公表する「安全衛生優良企業公表制度」を展開しています。
厚生労働省が評価や認定をすることによって、積極的に労働安全衛生に関する取り組みを実施する企業の社会的認知度を高め、より多くの企業に取り組みを浸透させることが目的です。
認定基準としては「過去3年間、労働安全衛生関連の重大な法律に違反していないこと」の他、次のような対策に積極的に取り組んでいる必要があります。
・従業員の健康保持や増進への対策
・メンタルヘルス対策
・過重労働防止対策
・安全管理への対策
ホワイト企業には、時間をかけて従業員を育てていこうという考え方があります。職場環境をより良いものに整備していこうとするのもそのためです。
働きやすい職場環境が実現すれば、従業員のモチベーションが向上したり、心身の健康を維持しやすくなったりします。
また、安定的に人材を確保できるので、企業としては長期的視野を持った人材育成や教育の計画を立てることができます。それによって個々の能力が向上することで、企業全体のレベルが高まり、業績向上へとつながっていくのです。
従業員にとって働きやすい職場環境の実現に向け、今一度自社の制度を見直してみてはいかがでしょうか。
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参考)
非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構「安全衛生優良企業公表制度」
http://shem.or.jp/shem-system