「社内セミナーの準備を指示されたが、いつもの社内研修とは何が違うのだろうか?」
日頃から社内研修を企画・実施されている人事部員や教育担当者の中にも、セミナーと研修にどのような違いがあるのかは曖昧だ、という方はいらっしゃるのではないでしょうか。
いずれ社内研修だけでなく、社内セミナーや自社セミナー、講演会などの企画を担当する日が来るかもしれません。この機会に、セミナーや研修といった、似たような用語の意味や目的の違いについて、一度整理しておくのはいかがでしょうか。自社の従業員に、有益なセミナーの選び方をアドバイスするためのポイントも押さえられます。
本稿では、セミナーの意味、セミナーと研修、講演会などの違い、セミナーに参加するメリットや注意点、セミナーの探し方、セミナー参加を有意義にするポイントやマナーなどを解説します。
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目次
1. セミナーとは?研修との違い
セミナーや研修と言えば、ある程度の人数が集まって行う勉強会、のようなイメージはお持ちかと思います。では具体的に何が違うのか、曖昧な部分を整理していきましょう。
1-1. セミナーとは?意味と目的
セミナーとは、特定のテーマについて興味があり、その知識や技術を習得したいという人を広く募って開催されるものです。参加費は有料・無料どちらのものもあります。
目的は仕事に必要なスキルの習得でも、個人的な趣味の追求でも、何でも構いません。参加条件が指定される場合を除き、業界や企業、部署、役職、年齢なども問われません。
上司に参加を勧められる場合なども考えられますが、基本的には誰かに強制されるのではなく、自分の意志で参加します。
テーマは、労働法などの法律、ビジネス英会話、話し方など仕事に役立つものから、資産形成のための不動産投資や副業関連、心理学や食文化など自己啓発・趣味の分野まで幅広く、さまざまなものがあります。
英語表記は「seminar」で、ドイツ語では同じ綴りで「ゼミナール」と読みます。大学の「ゼミ」は「ゼミナール」を略したものです。辞書では以下のように解説されています。
ゼミナール【(ドイツ)Seminar】 の解説
1. 教授などの指導のもとに、少人数の学生が特定のテーマについて研究し、報告・討論するもの。演習。ゼミ。セミナー。
2. 1の方法・形態をとる講習会。セミナー。
引用)ゼミナールの意味「ゼミナール【(ドイツ)Seminar】の解説」、『goo辞書(出典:デジタル大辞泉(小学館))』、https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%82%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AB/(閲覧日:2021年5月31日)
本稿で取り上げる「セミナー」は、上記の2.にあたります。つまり、セミナーは、自主的に参加した人たちが、講師の話を聞くだけでなく、討論やワークなどを行うものと言えるでしょう。
例えば「社内セミナー」であれば、部署や役職・年齢に関わらず、テーマに興味のある従業員が自主的に参加し、講師や他の受講者と討論などをしながら学ぶ、というのが基本のスタイルということになります。
1-2. 研修とは?意味と目的
研修とは、業務に必要な知識やスキルを身につけるために学ぶことです。企業や組織が人材を育成するためにプログラムを企画し、従業員に提供します。希望者参加型の研修もありますが、基本的にはセミナーとは異なり、参加する義務があります。
研修参加も仕事の一環なので、費用は企業側が負担します[1]。
新人研修や管理職研修、リーダー研修などがあり、年齢(社歴)や部署・役職、期待されるキャリアなどによって受講する(できる)研修が決まります。
研修の方法は企業や学ぶテーマによってさまざまで、一般的な座学やeラーニングのほか、その両方を取り入れたブレンディッドラーニング、アクションラーニングのようなグループワークがメインのものなどがあります。コロナ禍では特に、オンライン研修も注目されています。
関連記事:オンライン研修(Web研修)とは?導入のメリットとデメリット、成功させるポイント
1-3. セミナーと研修の違いとは?
セミナーと研修の違いを以下にまとめました。
参加の目的 | 参加の | 費用 | |
セミナー | 業務に必要なスキルの習得でも、個人的な趣味の追求でも制限がない | 任意 | 有償 |
研修 | 業務に必要な知識やスキルの習得 | 強制 | 基本的に無償 |
セミナーと研修は、参加の目的と、参加の必要性、また参加費用の有無が異なります。
セミナーは参加の目的が仕事に必要なスキルの習得でも、個人的な趣味の追求でも制限がないのに対して、研修は業務に必要な知識やスキルを身につけるために参加します。
そのため、セミナーは参加が任意なのに対して、研修は参加が義務であり、費用を企業が負担するケースが多いです。
1-4. 講演会、ワークショップ、勉強会とは?意味と目的
セミナーと研修の他にも、似たような学習の場があります。以下について見ていきましょう。
・ワークショップ
・勉強会
講演会
講演会とは、あるテーマについて、大勢に向けて話す・伝えることです。経済評論家やプロスポーツ選手など、そのテーマについて詳しい専門家や著名人が講師を務め、知見や体験談などを話します。
特に条件が指定されない限り、テーマや講師に興味のある、幅広い年齢や属性の人が大勢参加します。そのため、多くの人が理解できるよう、話される内容は広く浅くなります。
講演会では、講師が聴衆に一方的に話す形になり、討論や質疑応答が行われることはほとんどありません。
ワークショップ
ワークショップとは、受講者が主体の体験型の講座のことです。もともと演劇や美術の分野で行われてきましたが、最近ではダンスやアクセサリー作り、子供向けの工作など、さまざまなものがあります。
参加者は、講師からアドバイスを受けたり、意見交換をしながら、自主的に創作活動などに参加します。
体験を通して学ぶ形であるため、セミナーよりも意見交換が活発で、能動的なものであると言えます。
ビジネスにおいては、自主性を高めたり、メンバー同士の親睦を深める目的で、よく社員研修に取り入れられています。また、課題解決策の検討や新たなアイディアが必要な際など、特定のテーマについて活発な意見交換を期待する場面でも、ワークショップ形式のミーティングが行われることがあります。
勉強会
勉強会とは、共通のテーマに興味のある人が定期的に集まり、議論することです。セミナーより少人数で行われ参加費も手頃であることが多く、比較的気軽に参加できます。投資・資産運用の研究や読書会などがよく行われています。
勉強会では、主催者が用意したテーマに対し、参加者が知識を持ち寄り共有し、意見交換や発表を行います。
勉強会は、主催者も参加者もある程度の知識を持っていることが前提で行われます。そのため、勉強会の主催者の役割は、講師のように教えることよりも、会をスムーズに進行することがメインになります。
企業での活用例としては、部署やチームで集まり特定のテーマについてディスカッションをしたり、先輩が自身の体験やスキルをアウトプット&後輩がインプットするナレッジシェアの場とするケースがあります。
以上、セミナーと研修、その他の学習の場について見てきました。それぞれの違いを頭に入れておくと、目的やテーマから最適な学習の場を選ぶために役立ちます。
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2. セミナーに参加するメリットと注意点
次に、セミナーに参加するメリットと注意点を見ていきます。
2-1. セミナーに参加するメリット
セミナーに参加するメリットは、以下のようなものがあります。
・最新の知識や専門的な情報を得られる
・他の参加者と交流できる
・多角的な視点を取り入れることができる
学習意欲の高い参加者だけで学べる
セミナーは、誰かに強制されるのではなく、自主的に参加するものであるため、参加者は必然的に学習意欲が高い人たちになります。
参加者全員が積極的に知識やスキルを得たいと考えているため、討論やワークが盛り上がり、充実した時間を過ごせる可能性が高いでしょう。
最新の知識や専門的な情報を得られる
セミナーで学ぶテーマについて、その時点で最新の知識を得ることができます。近年はビジネス環境の変化が激しく、少し前に学習した内容はすでに古くなっているかもしれません。定期的にセミナーに参加することで、変化に乗り遅れることを防げます。
また、講師はそのテーマについての専門家であるため、深い知見に触れることができます。「ここだけの話」を聞ける場合もあるでしょう。セミナーでは大抵、意見交換や質疑応答も行われます。専門家ならではの視点からアドバイスをもらえるチャンスです。
他の参加者と交流できる
セミナーでは、参加者同士で交流できることも大きなメリットの一つです。
所属する業界や役職、年齢が違っても、同じテーマに高い関心を持つ同士、良い友人関係になれたり、新たなビジネスが生まれたりする可能性は十分あります。
多角的な視点を取り入れることができる
講師からはもちろん、他の参加者から得られる知識や情報も多くあります。
セミナー参加者の所属している業界、企業、部署、年齢はさまざまです。普段接点が無い人たちと同じテーマについて考え意見交換することで、新たな視点から物事を考えることができます。
上司や同僚では思いつかないようなアイディアや、問題の解決策のヒントをもらえる場合もあります。
以上がセミナーに参加するメリットになります。自分の意志で学習の場に赴き、普段接している会社・家族・友人関係以外の人たちと共に学ぶメリットはとても大きいと言えるでしょう。
2-2. セミナー参加の際に気を付けること
セミナーに参加するとさまざまなメリットがありますが、以下の点には気を付けなければなりません。
・不審な参加者とは関わらない
・参加後のフォローを自分で行う必要がある
講師や主催企業をよく調べてから参加する
毎日数多くのセミナーが開催されていますが、中には「確実に儲けられる投資」などと謳ったり、高額な参加費を取られ返金や解約は不可など、悪質なセミナーも存在しますので注意が必要です。
このようなセミナーを避けるためには、講師や主催企業をよく調べることです。信頼できる講師・企業であるか、実績を確認しておきましょう。
また、同じテーマでも、講師によってセミナーのスタイルや質は変わってきます。例えば、座学でみっちり学ぶのを好む講師と、グループワークなどの実践を重視する講師では、参加者に求められることは異なります。肩書は立派でも、最新技術の研究には関心が薄い講師だと、最新情報を聞きたくて参加したのに、一般的な内容のみで終わってしまうこともあります。
確実に自分が希望する内容を学べるセミナーに参加するには、上司や同僚など自分の志向を理解してくれる人や、人事部員などセミナーの情報に詳しい人に紹介してもらうと良いでしょう。また、講師のSNSをチェックすることもおすすめです(次章を参照)。
不審な参加者とは関わらない
セミナーの参加者の中には、他の参加者をマルチ商法や良からぬビジネスに勧誘しようとする人もいます。
近年のセミナーでは、参加条件に勧誘禁止が含まれていることが多いようです。トラブルを避けるためには、セミナー参加以外を目的とする人が潜り込めないようになっているか、申し込み前に参加条件をしっかりと確認しておくとよいでしょう。
参加後のフォローを自分で行う必要がある
セミナーは自主的に参加するものであるため、上司や教育担当者から感想文やレポートを求められることはありません。そのため、学んだ内容を定着させる・役立てるための工夫を自分で行う必要があります。
仕事関連のセミナーであれば、ぜひ内容を部署やチームに共有し、仕事の質や効率アップに役立てましょう。
以上のようなことに注意してセミナーに参加し、貴重な時間を楽しく充実したものにしましょう。
3. セミナーの探し方
セミナーを探すには、前述した知人からの紹介以外にもさまざまな方法がありますが、本稿ではセミナー検索サイトを利用する方法と、SNSを活用する方法の2つをご紹介します。
3-1. セミナー検索サイトを利用する
セミナー検索サイトでは、希望の開催場所、時間、テーマなどを選択し、都合の良いセミナーを探すことができます。最近はコロナ対策としてオンラインセミナーも増えているようです。
以下でいくつかご紹介します。
【ビジネスに特化した検索サイト】
・ビジネスセミナーガイド
・日経ビジネススクール
【ビジネス以外のテーマも探せる検索サイト】
・セミナーズ
・こくちーずpro
・ストアカ
・無料セミナー.com
【ビジネスに特化した検索サイト】
ビジネスセミナーガイド
ビジネスセミナーガイドは、ビジネスをテーマとしたセミナーに特化したポータルサイトです。
階層別・対象別(管理者、新入社員など)、業務別(人事、営業、研究開発など)、テーマ別(IT、コロナ関連、働き方改革など)、業種別(一般製造業、商社、飲食など)でセミナーを検索できるようになっています。
参加費は、数千円~4万円ほどのものが多いようです。無料のセミナーに絞って検索することもできます。
大手企業の主催であったり、有名企業の重役や大学教授などが講師を務めるセミナーが多く、信頼度は高いでしょう。
日経ビジネススクール
日経ビジネススクールは、日本経済新聞社が主催する、公開セミナーや法人向け研修を行う人材育成サービスです。
「変革と活力をもたらす人材の育成」を掲げており、「経営・マネジメント」、「戦略思考・問題解決」、「コミュニケーション」、「ビジネス英語・語学」「ビジネス新潮流」など、ビジネスに特化した11種類のテーマがラインナップされています。
参加費はセミナーによって異なりますが、おおよそ1万円台~8万円台のものが多くなっています。
主催が日本経済新聞社のため、信頼性は抜群です。また、早稲田大学ビジネススクールや京都大学MBAなど国内外の有名ビジネススクールと提携しており、セミナーの質の高さも期待できます。
【ビジネス以外のテーマも探せる検索サイト】
セミナーズ
セミナーズは「日本No.1のセミナーポータルサイト」を謳う、知名度の高いセミナー検索サイトです。
人気のあるビジネス系のセミナーを筆頭に、自己啓発やファッション・美容、スポーツ・格闘技など14種類のジャンルがあります。
参加費は無料のものも多く、有料のものは数千円のものがボリュームゾーンのようです。
そのテーマに精通した企業や経営者、コンサルタントなどがセミナーを主催しており、比較的リーズナブルな参加費で本格的な知識やスキルを得ることができるでしょう。
こくちーずpro
こくちーずproは、セミナーや勉強会などの募集や応募ができるイベント支援サービスです。
「IT」、「営業」、「マーケティング」などビジネス系、「キャリア」、「生活」、「福祉」など自己啓発系、「音楽・フェス」や「スポーツ」などの趣味系まで、25種類のジャンルがあります。
参加費は無料のものもあり、有料の場合はおおむね数千円からとなっています。
ジャンルが豊富なため、興味のあるセミナーを見つけやすく、また、参加費が無料、リーズナブルなものも多くみられます。一方で、18万件以上のセミナーやイベントが登録されているため(2021年6月21日現在)、主催者が信頼できる人物・団体であるか、参加する意義のあるセミナーなのか、よく精査するべきでしょう。
ストアカ
ストアカは、教えたい人(個人や団体)と学びたい人をマッチングする「日本最大級のまなびのマーケット」です。
プレゼンやマーケティング、リーダーシップなどの「ビジネススキル」のほか、「Web・IT・デザイン」、「ハンドメイド・クラフト」、「ヨガ・フィットネス」、「子育て・キッズ」など、15ジャンルのセミナー・講座が用意されています。
参加費は、下限が千円となっており、無料のセミナーは開催されていません(2021年6月8日現在)。
こくちーずproと同様、ジャンルが豊富で興味のあるセミナーを見つけやすくなっています。セミナーの内容や登録している講師については、運営事務局がガイドラインに準拠するようチェックしており、万が一の場合の補償制度もあるため、その点は安心感があると言えるでしょう。
無料セミナー情報.com
無料セミナー情報.comは、参加費が無料のセミナー情報だけを集めたポータルサイトです。
テーマは政治経済、コーチング、リーダー研修などの「ビジネス」のほか、「情報技術」、「生活・文化・健康」、「マネー」の4つのカテゴリーに分かれています。
無料のセミナーだけを効率よく探すことができます。とにかく出費を抑えたい、とりあえずお試しで参加してみたいという方におすすめです。なお、このWebサイトの運営会社は、無料を条件としない、通常のセミナー検索サイトも運営しています(下記「参考」を参照)。
なお、無料のセミナーは質が悪いのでは?とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。本格的に学ぶにはやはり有料のものがおすすめですが、無料でも質の高いセミナーはあります。身近で参加した人の評判や、主催者・講師の実績、Web上の口コミなどを参考に検討するとよいでしょう。
3-2. SNSを活用する
気になる講師がいる場合、TwitterやFacebookなどのSNSをフォローしておくと、セミナーの告知がされることがあります。
告知以外でも、投稿内容によって、その講師の人となりやものの考え方、どのくらい研究熱心かなどがうかがえます。場合によっては、直接メッセージをやりとりできるかもしれません。SNSをうまく利用すれば、講師やセミナーとのミスマッチを防ぐことができるでしょう。
以上、セミナーの探し方についてご紹介しました。自分に合ったセミナーを見つけるためにぜひご活用ください。
4. セミナー参加を有意義にするポイント
貴重な時間を割いてセミナーに参加するのですから、せっかくの時間を有意義に過ごしたいものです。ここでは、そのためのポイントをご紹介します。
・事前質問の制度を活用する
・積極的に参加する
明確な目標を立て、それを達成するためのセミナーを選ぶ
事前に、セミナーに参加する目的をはっきりさせ、達成したい目標を決めておきましょう。例えば、プレゼンのスキル向上を最終的な目的として「話し方」のセミナーに参加するのであれば、目標を「セミナー参加前よりも人前で堂々と話せるようになる」などとします。
目標が曖昧だと、セミナーに参加すること自体が目的となってしまう場合があります。
目標が明確であれば、たくさんのセミナーの中から自分に合ったものを探す際もスムーズです。そのセミナーに参加することで目標を達成できるのか、よく考えてセミナーを選ぶようにしましょう。
事前質問の制度を活用する
セミナーによっては、主催者が事前に質問や取り上げて欲しい内容を受け付けています。
セミナー内で講師に詳しく解説してもらえたり、議論のテーマにしてもらえたりしますので、ぜひ活用しましょう。
積極的に参加する
セミナー中に疑問点や意見があれば、積極的に発言しましょう。自分の発言によって他の参加者の疑問が解決したり、議論を深めるきっかけになる可能性があります。
また、2-1.で述べたとおり、セミナーは、普段関わりの無い人たちと交流できる場でもあります。参加者が前向きにワークや議論に参加することで、新しい考え方を身につけたり、テーマに対する理解をより深めることができます。
以上のポイントを押さえてセミナーに参加し、充実した時間を過ごしましょう。
5. セミナーに参加する際のマナー
セミナーに参加するのマナーが気になるという方も多いと思います。いくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・キャンセル・途中退室は連絡・報告を
・参加者同士の交流は主催者の案内に従う
無難な服装を選ぶ
主催者から指定があればそれに従うようにしますが、服装自由のセミナーが多いようです。
服装自由の場合、基本的にはTPOに合わせて、周りから浮かないようにすれば問題ありません。主催者のホームページやSNSでセミナーの様子を確認できれば、その参加者に合わせればOKです。様子がわからなければ、ジャケットにパンツやスカートのビジネスカジュアルが無難でしょう。
もしも迷ったら、ラフな服装よりもスーツやビジネスカジュアルを選びましょう。他の参加者がラフな服装で、自分だけカッチリ目でも問題はありませんが、逆の場合は失礼になってしまう場合があるためです。
キャンセルや途中退室は連絡・報告を
仕事の都合や体調不良などで急遽セミナー参加を取りやめなければならない場合は、有料はもちろん、無料でもキャンセル待ちの受け付けなどがあるため、主催者への連絡が必要です。
キャンセル料がかかるのか、有料の場合は何日前までなら返金が可能か、代理受講が可能かなどは、各セミナーのキャンセル規定に定められています。申し込み前によく確認しておきましょう。
また、セミナー中に急用などで途中退室せざるを得ない場合は、マナーとして主催者側に一言伝えてからにしましょう。
参加者同士の交流は主催者の案内に従う
参加者同士の情報交換もセミナーに参加するメリットの一つですので、基本的には積極的に交流するべきです。
ただし、マルチ商法などの勧誘防止のため、名刺交換が制限されている場合もあります(2-2.参照)。主催者の案内に従うようにしましょう。
以上のように、セミナー参加の際は、社会人としての基本的なマナーを守り、その他については主催者の案内に従うようにしましょう。そうすれば重大なマナー違反をしてしまうということはありません。
セミナーを開催するには
本稿では、セミナーに参加する立場でポイントや注意点を解説してきました。こちらでは、もしセミナーを開催する立場になったらどのような手順で準備を進めれば良いのかご紹介します。
(1) 目的を明確にする
まず、セミナーを開催する目的を明確にします。例えば、社内セミナーであれば「AI技術の最新情報と競合の動向を部署を超えて共有する」、顧客(候補)に向けたセミナーであれば「RPAの導入に課題のある顧客を獲得し、支援ツールの販売につなげる」など。
(2) 企画 → 会場・講師の確保
目的を踏まえてターゲットやテーマを決定し、参加人数、講師は内部か外部か、日時、開催場所などを計画します。
企画が固まり次第、会場や講師の確保を行います。
(3) セミナーの告知・宣伝
ターゲットに向けて告知・宣伝を行います。メールやDM、チラシの送付、自社サイトに案内を掲載するほか、新規顧客を獲得したい場合はSNSやイベント告知サイトなども利用すると効果的です。
(4) 会場の備品チェックなどの直前準備
当日スムーズに運営できるよう、確認や準備をしておきます。例えば、機材は搬入口を問題なく通れるか、想定通りのレイアウトが可能か、受付や参加者の案内についてスタッフの教育は万全か、などです。
また、当日参加が可能なセミナーを除き、リマインドメールも送っておきましょう。
以上がセミナー開催までの手順になります。
既存顧客や販促を目的とした外部向けのセミナーでは、改まった商談の場よりもお客様と気軽に交流することができます。お客様にとって実のある内容にできれば、会社としての信頼や、商品サービスへの評価につなげることができるでしょう。一方で、セミナーの内容が弱い、進行がスムーズでないなどお客様の期待に応えられなかった場合は、ネガティブに働く可能性もあります。
外部向けのセミナーを開催する場合は、目的を明確にし、しっかりと準備をしておくことが大切です。
また、セミナーの管理業務は、LMS(学習管理システム)など研修管理ができるシステムを利用すると効率よくこなすことができます。当社製の統合型LMS「CAREERSHIP®」の場合、応募型の研修(セミナー)を登録して参加者を募り、申請を通じて参加を決定するという一連のフローが実現可能です。また、参加者へのメール配信や事前・事後のアンケートも簡単に設定することができます。
6. まとめ
セミナーとは、特定のテーマについて興味があり、その知識や技術を習得したいという人を広く募って開催されるものです。
参加条件が指定される場合を除き、業界や企業、部署、役職、年齢などは問われません。基本的には誰かに強制されるのではなく、自分の意志で参加します。
英語表記は「seminar」で、ドイツ語では同じ綴りで「ゼミナール」と読みます。大学の「ゼミ」は「ゼミナール」を略したものです。「ゼミナール」は、辞書では「少人数の学生が特定のテーマについて研究し、報告・討論するもの」また、「その方法・形態をとる講習会。セミナー」と解説されています。
つまり、セミナーは、自主的に参加した人たちが講師の話を聞くだけでなく、討論やワークなどを行うものと言えます。
セミナーと似たような学習の場には、以下のようなものがあります。
・研修
企業や組織が人材を育成するためのもので、業務に必要な知識やスキルを身に付けるために学ぶこと。セミナーとは異なり、基本的には参加する義務がある。
・講演会
あるテーマについて、大勢に向けて話す・伝えること。そのテーマについて詳しい専門家や著名人が講師を務め、知見や体験談などを話す。
・ワークショップ
受講者が主体の体験型の講座のこと。よく社員研修に取り入れられているほか、特定のテーマについて活発な意見交換が期待される場面でも、ワークショップ形式のミーティングが行われることがある。
・勉強会
共通のテーマに興味のある人が定期的に集まり、議論すること。企業での活用例としては、特定のテーマについて部署やチームでディスカッションをしたり、先輩と後輩のナレッジシェアの場とするケースがある。
セミナーに参加するメリットは、以下のようなものがあります。
・学習意欲の高い参加者だけで学べる
・最新の知識や専門的な情報を得られる
・他の参加者と交流できる
・多角的な視点を取り入れることができる
セミナーに参加する際には、以下のような点に注意が必要です。
・講師や主催企業をよく調べてから参加する
・不審な参加者とは関わらない
・参加後のフォローを自分で行う必要がある
セミナーを探すには、以下の方法があります。
・セミナー検索サイトを利用する
・SNSを活用する
セミナー参加を有意義にするポイントは、以下のとおりです。
・明確な目標を立て、それを達成するためのセミナーを選ぶ
・事前質問の制度を活用する
・積極的に参加する
セミナーに参加する際のマナーには、以下のようなものがあります。
・無難な服装を選ぶ
・キャンセル・途中退室は連絡・報告を
・参加者同士の交流は主催者の案内に従う
セミナーに参加すると、社内研修とはまた違った学びや経験を得ることができ、日々の仕事や生活に大きなプラスになります。
ぜひこの記事を参考に、自分に合ったセミナーを探してみてください。
[1]自己啓発的な学習や、企業側から機会提供され自主的に参加するものについては有償の場合が多い。企業によってはキャリアアップ・スキルアップ支援制度があり、一部~全額について補助金を出す場合もある。
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参考)
「セミナーの意味とは?成果を上げるポイントも知っておこう」, 『KeySessionマガジン』,2020年10月14日, https://magazine.keysession.jp/what-is-the-meaning-of-the-seminar/#i-7 (閲覧日:2021年6月2日)
「セミナーと勉強会の違いとは?参加するにあたって気を付けなければいけない事」,『alivelifコラム』,2018年4月26日, https://alivelif.co.jp/media/?p=457(閲覧日:2021年6月2日)
Schoo「「研修」と「セミナー」の違いは?目的に応じた正しい選択を」, 『Schoo for Business』, https://schoo.jp/biz/column/176 (閲覧日:2021年6月2日)
株式会社スペースマーケット「セミナーの意味とは?意味のないセミナーの特徴と参加のポイント」,『SPACEMARKET EVENT』, https://event.spacemarket.com/magazine/know-how/biz/seminar-point/ (閲覧日:2021年6月10日)
「男性がセミナーに参加する時の服装は何を着ればいい?」,『KeySessionマガジン』, 2020年9月11日, https://magazine.keysession.jp/attire/ (閲覧日:2021年6月10日)
karibusa「社外セミナーや講習会の服装、どうする? ビジネスマナーを押さえた大人女子のシンプルコーデ20選♪」,『#CBKmagazine』,2021年3月15日, https://magazine.cubki.jp/articles/70209142.html (閲覧日:2021年6月10日)
「個人でセミナーを開催するには?手順と準備すべき内容を解説!」,『マイベストプロ』,2019年8月27日, https://mbp-japan.com/professional/column/0002-2/ (閲覧日:2021年6月10日)
「自社セミナー開催時の手順を3ステップで解説!」,『List Finder』, https://promote.list-finder.jp/article/eventseminar/seminar-3step/ (閲覧日:2021年6月10日)
「ビジネスセミナーガイド」,『株式会社クロスリンク』http://www.crosslink.co.jp/seminar/ (閲覧日:2021年6月21日)
「日経ビジネススクール」,『株式会社日本経済新聞社』https://school.nikkei.co.jp/ (閲覧日:2021年6月8日)
「セミナーズ」,『ラーニングエッジ株式会社』https://seminars.jp/ (閲覧日:2021年6月21日)
「こくちーずプロ」,『 株式会社こくちーず』,https://www.kokuchpro.com/ (閲覧日:2021年6月8日)
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「トアカでは何が学べますか?」,『ストアカ』, https://support.street-academy.com/hc/ja/articles/200700149-%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%81%A7%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8C%E5%AD%A6%E3%81%B9%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B-(閲覧日:2023年3月28日)
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