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セルフキャリアドックで自律的なキャリア形成 ポイントや事例を紹介

セルフキャリアドックで自律的なキャリア形成 ポイントや事例を紹介

自律型人材の育成が急務だ。どんなキャリア指導が必要だろうか?」

予測不可能な現代社会を生き抜くために、企業は変革を迫られています。20225月に経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」では、働き方の変化に備え、働き手の自律性を高める必要性が明言されました[1]

従業員の自律性を育てる上で大切なことは、個人が自発的に自身のキャリアについて考えるよう促すことです。そして、それぞれの最適なタイミングで、希望するキャリアに沿った研修・教育を受けられる必要があります。そのためには、企業が率先して従業員のキャリア形成をサポートするセルフキャリアドックが有効です。

本稿では、セルフキャリアドックの概要、具体的な導入方法やポイント、導入に成功している企業の具体例などをお伝えします。

人材育成戦略の一つとして、セルフキャリアドック導入を検討している方の参考となれば幸いです。 

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1. セルフキャリアドックとは? 

まずはセルフキャリアドックの概要をご紹介します。

1-1. セルフキャリアドックは従業員の人材開発を目的とした取り組み 

セルフキャリアドックは、2016年に改正・施行された職業能力開発促進法で求められている「職業生活の設計とそのための能力開発」を実践する手段として、従業員自らがキャリアを描き、企業がそれを積極的にサポートする取り組みです。 

セルフキャリアドックの「ドック」は、人間ドックの「ドック」と同様の意味を持ち、船が定期的な検査や修理を受ける施設「dock」に由来します。定期的に自身のキャリアを確認し、調整していくという意味合いです。 

従業員の主体的なキャリア形成を促進するために、企業が人材育成の一環としてキャリア研修とキャリアコンサルティング面談などを組み合わせ、総合的に支援する仕組みとなっています。 

1-2. セルフキャリアドックが求められる背景 

従来の人材育成といえば、企業が主体となり、事業計画や営業戦略に沿って人を教育・育成していくという企業目線での教育が主流でした。 

しかし、労働人口の減少・少子高齢化によって終身雇用制度や年功序列制度が弱体化したことや、国際競争の激化など変化の激しい時代を迎えたことにより、企業は事業の転換やビジネスモデルの変化を余儀なくされています。 

長期的な見通しが立てづらい現代社会では、従業員が自らのキャリアを設計し、キャリアアップしていくことが、企業の生産性向上や従業員個人のキャリアの充実につながります。そのための手段としてセルフキャリアドックが求められているのです。 

1-3. セルフキャリアドックとキャリアコンサルティングの違い 

セルフキャリアドックの中心的な取り組みは、従業員に対するキャリア研修と個人を対象としたキャリアコンサルティング面談です。 

キャリアコンサルティングとは、厚生労働省が定める定義によると、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」です[2]キャリアコンサルティングは面談そのものを指すのに対し、セルフキャリアドックはキャリアコンサルティングを含めた中長期的なキャリア開発プランに沿った包括的な取り組みを指します。 

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2. セルフキャリアドック導入で期待される効果 

セルフキャリアドックを導入することで、どのような効果が期待されるのでしょうか。 

2-1. 従業員への効果 

従業員については、以下のような効果が期待できます。 

 

・キャリアの目標が明確になる
・キャリア自律につながる
・モチベーションの向上

 キャリアの目標が明確になる 

セルフキャリアドックには、自らのキャリア設計が必要不可欠です。将来的にはどんなスキルを身に付け、どんな立場で活躍がしたいのかを考え、キャリアプランを作ることで、キャリアの目標が明確になります。 

キャリア自律につながる 

キャリアの目標が明確になるため、現在の自分が身に付けるべきスキルや知識がわかり、キャリア開発を行うために主体的・自律的に考え学び続けるキャリア自律につながります。 

モチベーションの向上 

キャリアプランが明確になるため、単調になりがちな日々の業務も、自身の望むキャリア形成に必要なスキルを身に付けているという意識を持つことができ、モチベーションの向上が期待できます。 

従業員側のメリットは、自身のキャリアに中長期的な視点を持ち、日々の業務に取り組めることだと言えそうです。 

2-2. 企業側への効果 

企業側については、以下のような効果が期待できます。  

 

・人的課題の顕在化
・人材の定着・離職防止
・生産性の向上

人的課題の顕在化 

セルフキャリアドックを導入するためには、現在の人事評価制度の見直しや従業員一人一人のキャリアプランの明確化を行う必要があります。「人事評価制度が事実上機能していない部門があった」「本人が望むキャリアとは別の部署に配属されているパターンが多かった」など、潜在的な人的課題を顕在化し、解決するチャンスです。 

人材の定着・離職防止 

セルフキャリアドックでは、従業員の中長期的なキャリアプランを立て、定期的にキャリアコンサルティング面談を行います。入社時に長期的なプランを立てることで早期離職を防止し、その後はライフステージの変化やキャリアの転機に合わせて研修を行うなど、長きにわたり従業員に寄り沿った支援を行うことで、環境を要因とした離職を防ぐ効果が期待できます。

具体的には、以下のような対応が考えられます。 

【例】
[1]新卒入社社員の離職を防ぐ
社会人としての心構えや仕事への取り組み方などのマインドセット研修と同時に、キャリアプランを作ることで、入社時の一時的なギャップを理由とした離職を防ぎ、新入社員に中長期的な目線を持ってもらうことができます。 

[2]育児・看護休業取得後の復帰を促進する
キャリアプランを見直し、職場復帰のためのプランを作ることで、安心して休業ができる体制づくりを行います。育児・介護休業者が抱える不安を相談できる窓口を設けるなど、復帰しやすい環境を整えることで、復帰率を高める効果が期待できます。 

[3]中堅社員の離職を防ぐ
従来型の人事評価制度が大きく変わってきたことで、年功序列を意識していた中堅社員がモチベーション低下によって離職してしまう場合は、キャリアプランを設計し直すことで、モチベーションの維持・向上が狙えます。今までのキャリアで培ったスキルを棚卸し、自身の強みと強化した方がよい部分をクリアにすることで、時代に即したキャリア開発を支援できます。 

 生産性の向上 

セルフキャリアドックにより従業員一人一人が自身のキャリアに関心を持ち、日々の業務へのモチベーションを高めることで、結果として組織力が強化され、生産性アップを目指せます。 

企業としてのメリットは、従業員のフェーズに合わせた支援を行うことで、自社の人材の価値を最大限に引き出せることだと言えそうです。 


3. セルフキャリアドックの導入ステップ 

次に、実際にセルフキャリアドックを導入するためのステップをご紹介します。 

3-1. セルフキャリアドックを導入する目的を明確にする 

まずは、どのような目的でセルフキャリアドックを導入するのかを明確にします。 

セルフキャリアドックが法律(職業能力開発促進法)に規定されているとはいえ、企業によって人材育成のフェーズや課題は異なります。自社の事業戦略と従業員の自律的なキャリア開発を両立できる最適な状態を作ることを目的とするとよいでしょう。 

この段階で、企業が掲げる社会的意義を実現するための「求める人物像」を明らかにし、合わせて育成計画の策定も行います。企業の求める人物像が不透明だと、従業員がキャリアに向き合う際に、このまま自社で働き続ける選択が最善であるかの判断が難しくなってしまいます。 

また、定めた人物像は自社の評価基準となるため、採用や人事評価、人員配置といったことに使用できます。 

3-2. セルフキャリアドックを行う体制を整える 

セルフキャリアドック導入の目的が決まったら、体制を整えます。セルフキャリアドックは、キャリア研修とキャリアコンサルティング面談が肝で、キャリアコンサルタントの配置は必須です。 

対象となる複数の従業員に対し面談を行うため、キャリアコンサルタントも複数を確保しなければなりません。一般的には外部のキャリアコンサルタントに依頼する場合が多いようです。 

同時に、従業員にキャリアコンサルティング導入の周知を行います。この際、経営層が積極的にメッセージを発信するなど、全社的な取り組みであることをアピールするようにしましょう。法律に準拠し、コミットメントする企業であると従業員に安心感を与えることができます。 

また、導入前の準備として従業員にキャリアの棚卸し目指す人物像のイメージを描いておいてもらうことも重要です。事前準備ができていると、セルフキャリアドック導入時に具体的な相談や計画を立てることができ、より効果が期待できます。 

キャリアコンサルタントについて 

 

「キャリアコンサルタント」は、2016年に国家資格となった、登録制の名称独占資格です。資格を所有しない人は、キャリアコンサルタントや紛らわしい名称(「〇〇キャリアコンサルタント」や「キャリコン専門家」など)を名乗ることができません[3]。また、国家検定である「キャリアコンサルティング技能検定(1級・2級)」も同等の資格です。 

無資格でもキャリアコンサルティングは可能ですが、キャリアコンサルタントは国によりキャリアコンサルティングの専門家と認められた人物であり、さらに法律により守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されていることから、有資格者が行うことが一般的です。 

なお、キャリアコンサルタントやキャリアコンサルティング技能検定(1級・2級)の資格保持者以外でも、人事部門の経験豊富な管理職などは、事前に研修を受けることでキャリアコンサルタントの役割を果たすことができるとされています。 

自発的なキャリア開発の必要性が高くなり、それを担うキャリアコンサルタントの役割が大きくなったため、政府は2024年度末までにキャリアコンサルタントを10万人に増やす「キャリア・コンサルタント養成計画」を発表・実施しています[4]。 

3-3. セルフキャリアドックを導入する 

準備が整ったら、セルフキャリアドックの導入を行います。以下のプロセスを定期的に繰り返し、自律的なキャリア開発を支援します。 

 

・キャリア研修の実施
・キャリアコンサルティング面談の実施
・面談後のフォローバック

キャリア研修の実施 

キャリア研修とは、これまでの仕事や経験を振り返り、棚卸しを行うことで、今後の人生をより豊かに過ごすためのキャリアを描くことを目標とした研修です。 

新卒入社社員、中堅社員、育児・介護休業を控える従業員など、それぞれのステージに合った従業員を集め、専用のプログラムを集合研修で行うことが一般的です。対象者自身がキャリアプランを作成できる場合は、このタイミングで作成しておきます。 

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キャリアコンサルティング面談の実施 

キャリアコンサルタントが、作成されたキャリアプランを元に、キャリアコンサルティング面談を実施します。キャリアプラン作成のサポートが必要な場合は、キャリアコンサルティング面談時に、キャリアコンサルタントが助言を行いながら作成していきます。 

なお、厚生労働省は、キャリアコンサルティング面談において、学歴・職歴・資格などがまとめられたジョブカードの活用を推奨しています。 

厚生労働省「ジョブ・カードとは」,『ジョブ・カードが作れる、わかる マイジョブ・カード』
https://www.job-card.mhlw.go.jp/guidance/know 

ジョブカードを使用しない場合は、従業員のバックグラウンドを事前に把握することが難しくなります。従業員がどのような環境でどのような経験をしてきたのか、今後は何に取り組みたいかなどを多面的に聞き取り、今までのキャリアの全体像を把握するなど、細やかで効果的なコンサルティングを行えるよう工夫が必要です。 

面談は、数回に分け以下の順に進めていきます[5] 

[1]自己理解自分自身の興味や適性、能力の明確化
[2]仕事理解携わる業務の遂行に求められる能力の明確化
[3]啓発的経験職務に求められる能力、キャリアルートなどの理解
[4]意思決定目標の設定や、キャリアプランの実現に必要な能力を習得するための研修・セミナーなどの情報提供

 面談後のフォローバック 

面談が終了したら、面談内容のフォローバックを行います。キャリアコンサルタントが作成した個別報告書を人事部内で共有し、必要であれば経営層へ報告を行います。本人へのフォローバックも大切です。上司との追加面談を設定したり、キャリア開発研修などの参加を促したりします。 

人材開発支援助成金について 

 

政府は、企業が人への投資を加速化し、持続的な成長を維持するため、人材開発に関するさまざまな助成金制度を整備しています。現在、セルフキャリアドック導入そのものに適用される助成金は廃止されていますが、「人材開発支援助成金」として、人材開発に関わる取り組みや研修費用などが助成される制度があります。ぜひお役立てください。 

 

参考)厚生労働省「人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇等付与コース、特別育成訓練コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html 

3-4. セルフキャリアドック導入のポイント 

セルフキャリアドックの導入を成功させるために、以下3点を意識する必要があります。 

 

・従業員の意識改革

・管理層の理解

・継続した周知

 従業員の意識改革 

厚生労働省が公表した「令和3年度「能力開発基本調査」」の結果によると、キャリアコンサルティングを行う仕組みを導入している事業所は全体の42.3%に留まりました[6]。また、キャリアコンサルティングを行っていない理由としては「労働者からの希望がない」49.8%と最多です[7] 

セルフキャリアドック導入時に、従業員が自身のキャリアに興味を持ち、主体的にキャリア開発を行っていく重要性や意義なども合わせて周知し、従業員の意識を変えていく必要があります。 

管理層の理解 

ミドル世代が多い管理層から、「キャリア開発は自己啓発の一環として個人が実施すべきでは?」「キャリアコンサルタントが面談を行うということは、管理者である自身が信頼されていないのでは?」といった誤解から生じる不満が出る可能性があります。 

セルフキャリアドックは、現場の人間関係や実業務への好影響を及ぼす効果が期待できることを伝え、理解してもらうようにしましょう。 

以下に、上記の不満に対する回答例を、厚生労働省の資料「「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開」[8]からご紹介します。 

【例】
[Q.1]キャリア開発は自己啓発の一環として個人が実施すべきでは?
[A.1]職業能力開発促進法により、事業主は従業員のキャリアコンサルティングの機会を確保し、その他の援助を行うことが規定されています。従業員が主体的に仕事に取り組み、自らのキャリアを開発することで、それぞれのスキルが上がり、結果として職場の生産性向上につながることを期待しています。 

[Q.2]キャリアコンサルタントが面談を行うということは、管理者である自分が信頼されていないのでは?
[A.2]キャリアコンサルタントは、業務上の指示などに対して、何らかの助言をする立場にありません。キャリアコンサルティング面談は、自己理解とともに、上司と部下の相互理解を促進するために実施されるものです。上司の立場では言いづらいことを、対象従業員に気づいてもらう場でもあります。必要に応じキャリアコンサルティング面談後に上司と部下の面談を設定し、相互理解と信頼関係をより深めることが可能です。 

継続した周知 

セルフキャリアドックは、人間ドックと同様に「定期健診」することに意味があります。従業員のキャリアが続く限り定期的に行うことができるよう、社内報や定例会議などでこまめに周知を行い、全社にセルフキャリアドックの意識が浸透するよう工夫が必要です。 

「従業員の意識改革」「管理層の理解」「継続した周知」が揃うことで、セルフキャリアドックの導入が成功します。どれも一朝一夕には難しいですが、粘り強く続けていきましょう。 


4. セルフキャリアドックの導入事例 

実際にセルフキャリアドックを導入し成功している企業を、厚生労働省の事例集[9]と報告書[10]から3社ご紹介します。なお、従業員数は資料公表当時のものです。 

 

・DIC株式会社

・株式会社パスコ

・エーザイ株式会社

 DIC株式会社(東京都中央区、化学工業、従業員数3,583人) 

DIC株式会社は、個人のキャリア開発と組織活性化を図り、業績向上につなげるためにセルフキャリアドックを導入しました。具体的な取り組みとして、従業員への事前ガイダンス、キャリアコンサルティング面談、面談結果を受けた人事部門への組織課題のフィードバックを行いました。 

皆がポジティブにキャリアを考えるよいきっかけになり、業績向上につながる印象を持てたという結果が出ています。現在は、研修プロラムの一つに、「キャリアデベロップメントプログラム」としてセルフキャリアドックが導入されています。 

参考)DIC株式会社Color&Comfort「DICの研修体系」,https://www.dic-global.com/ja/recruit/environment/training.html,(閲覧日:2022年12月22日) 

株式会社パスコ(東京都目黒区、その他サービス(測量、建設コンサルタント、情報処理)、従業員数2,116人) 

株式会社パスコは、若手社員や中途採用者の定着率の低下傾向、メンタル不調者の増加傾向、予測される働き盛り世代の減少を改善することを目的に、セルフキャリアドックを導入しました。会社依存型キャリアの先輩社員の姿が、若手社員の将来像に影を落としているのではという仮説を元に階層別研修を行い、キャリアについて考える機会を提供することからスタートしました。 

他にも、社外のキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティング面談などを通じ、従業員の会話の中で日常的に「キャリア」という単語が出るようになり、「キャリアは会社が提示するもの」という従業員の意識が徐々に変わってきているそうです。 

エーザイ株式会社(東京都文京区、製薬、従業員数 連結10,452人、単体3,246人) 

エーザイ株式会社は、環境変化を先取りし、変化に適応するために、「期待された成果を出す人材」、「課題や問題を解決する人材」を育成することを課題と捉え、自立した従業員に主体的にキャリア開発に取り組んでもらうことを目的にセルフキャリアドックを導入しました。 

具体的には、50歳代の従業員を対象にキャリアディベロップメント研修を実施し、受講後にキャリアコンサルティング面談を行いました。複数回の面談を実施した結果、自発的なキャリア形成に向けた意識の醸成ができてきたと感じているそうです。 

企業がありたい姿を実現するために課題となっていることを洗い出し、セルフキャリアドックを実施する目的を明確にすることが、導入を成功させる要因となりそうです。 


5. まとめ 

セルフキャリアドックは、従業員の主体的なキャリア形成を促進するために、企業が人材育成の一環としてキャリア研修とキャリアコンサルティング面談などを組み合わせ、総合的に支援する仕組みのことです。 

セルフキャリアドックは、従業員側、企業側それぞれに次のような効果が期待できます。 

従業員側
・キャリアの目標が明確になる
・キャリア自律につながる
・モチベーションの向上 

企業側
・人的課題の顕在化
・人材の定着・離職防止
・生産性の向上 

セルフキャリアドック導入までには、以下の3ステップが必要です。 

[1]セルフキャリアドックを導入する目的を明確にする
[2]セルフキャリアドックを行う体制を整える
[3]セルフキャリアドックを導入する 

上記ステップの[3]では以下のプロセスを定期的に繰り返し、自律的なキャリア開発を支援します。 

・キャリア研修の実施
・キャリアコンサルティング面談の実施
・面談後のフォローバック 

セルフキャリアドックの導入を成功させるためのポイントは以下3点です。 

・従業員の意識改革
・管理層の理解
・継続した周知 

セルフキャリアドックを導入し成功している、以下の企業の事例をご紹介しました。 

DIC株式会社
・株式会社パスコ
・エーザイ株式会社 

セルフキャリアドックは、従業員だけでなく企業側にとっても組織活性化などのメリットがあります。人的資本の重要性が高まり、働く人の価値観も変わりつつあります。ぜひ積極的に導入していきましょう。

[1] 経済産業省「未来人材ビジョン」,2022年5月,https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf,(閲覧日:2022年12月19日)
[2] 厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html,(閲覧日:2022年12月20日)
[3] 特定非営利活動法人日本キャリア開発協会「国家資格キャリアコンサルタント試験」,https://www.jcda-careerex.org/,(閲覧日:2022年12月22日)
[4] 厚生労働省,「キャリア・コンサルタント養成計画について」,https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000052927.pdf,(閲覧日2022年12月22日)
[5] 厚生労働省「キャリアコンサルティングの流れ」,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198322.html,(閲覧日:2022年12月22日)
[6] 厚生労働省「令和3年度「能力開発基本調査」の結果を公表します」,(参考1)調査結果の概要,令和4年6月24日,https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00105.html,(閲覧日:2022年12月22日)
[7] 厚生労働省「令和3年度「能力開発基本調査」の結果を公表します」,(参考1)調査結果の概要,令和4年6月24日,https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00105.html,(閲覧日:2022年12月22日)
[8] 厚生労働省「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000192530.pdf,(閲覧日:2022年12月22日)
[9] 厚生労働省「セルフ・キャリアドック普及拡大加速化事業 好事例集」,https://www.mhlw.go.jp/content/000609490.pdf,(閲覧日:2022年12月22日)
[10] 株式会社セントメディア(現:株式会社ウィル・オブワーク)「厚生労働省委託事業セルフ・キャリアドック導入支援事業(平成28年度・29年度)最終報告書」,平成30年3月,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000200338.pdf,(閲覧日:2022年12月22日)

参考)
厚生労働省「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000192530.pdf(閲覧日:2022年12月22日)
厚生労働省「セルフ・キャリアドック普及拡大加速化事業 好事例集」,https://www.mhlw.go.jp/content/000609490.pdf,(閲覧日:2022年12月22日)
株式会社セントメディア(現:株式会社ウィル・オブワーク)「厚生労働省委託事業セルフ・キャリアドック導入支援事業(平成28年度・29年度)最終報告書」,平成30年3月,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000200338.pdf,(閲覧日:2022年12月22日)
厚生労働省「セルフ・キャリアドックで会社を元気にしましょう!」, https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000192528.pdf (閲覧日:2023年2月1日)

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