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「技能実習生・失踪」のすべて 理由、予防の仕方、発生時の対応まで

「海辺の彼女たち」という映画をご存知でしょうか。ベトナムから来た4人の技能実習生が、実習先から失踪する場面から物語が始まります。技能実習生の生活や直面する問題などをリアルに取り上げています。

技能実習生を受け入れている、または受け入れを検討している企業の担当者の方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

技能実習制度は単なる労働力を確保するための手段ではなく、技術移転のための国際協力が主な目的です。日本の技術力を発展途上国に移転できるのは素晴らしいことですが、同時に「技能実習生の失踪」という大きな課題も抱えています。

自社の技能実習生の中から失踪者が出ると、警察や入国管理局の調査を受けることになり、企業イメージを下げる原因になります。企業では、このような事態にならないように最善の対策を講じる必要があります。

本稿では、「技能実習生が失踪する理由」「失踪を防ぐための対策」「万が一、失踪した場合の対処方法」などを具体的に分かりやすく解説します。

基本となるのは技能実習生とのWin-Win関係の考え方です。ぜひ参考にしていただければ幸いです。


1. 【2020年は超5,800人】 技能実習生の失踪数は増加傾向に

出入国在留管理庁の「失踪技能実習生を減少させるための施策」によると、2020年の国内の技能実習生の数(前年末の在留技能実習生と当年に新規入国した技能実習生の合計人数)は49万4,000人に上り、失踪者は5,885人です。

下記のグラフを見ると、2014年から技能実習生の数は増加しており、それに伴い失踪者数も増加傾向にあることが分かります。毎年の技能実習生の失踪数の割合は、1.2%から2.1%で推移しています。

グラフ)技能実習生と失踪者の推移

※グラフは以下を参考にライトワークスにて作成
出入国在留管理庁「失踪技能実習生を減少させるための施策」,『出入国在留管理局資料』,https://jsite.mhlw.go.jp/fukuoka-roudoukyoku/content/contents/000678897.pdf(閲覧日:2021年9月20日)
出入国在留管理庁「失踪技能実習生を減少させるための施策」,『技能実習制度における失踪問題への対応について』,令和元年12月24日,https://www.moj.go.jp/isa/content/930004592.pdf(閲覧日:2021年9月20日)

国籍別では、ベトナム人の技能実習生の失踪数が一番多く、次いで中国、カンボジア、ミャンマーなどの国が続きます。

表)国別に見る技能実習生の失踪者数の推移

(単位:人)
2015年2016年2017年2018年2019年
総失踪者数5,8035,0587,0899,0528,796
ベトナム1,7052,0253,7515,8016,105
中国3,1161,9871,5941,5371,330
カンボジア58284656758462
ミャンマー336216446345347
インドネシア252200242339307
その他336346400272245

参考)法務省「出入国在留管理をめぐる近年の状況」,https://www.moj.go.jp/isa/content/001335866.pdf(閲覧日:2021年9月20日)

ベトナムからの技能実習生の失踪者がどんどん増えている背景には、同国からの技能実習生の数が増え続けていることが挙げられます。逆に中国は減少傾向にあり、このことは失踪件数の減少にも反映されています。(以下のグラフを参照)

グラフ)国別にみる技能実習生の数

※グラフは以下を参照してライトワークスにて作成
厚生労働省「外国人技能実習制度の現状、課題等について」,平成30年3月23日,https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/ginoujisshukyougikai/180323/3_mhlw-genjyoukadai.pdf#search=’%E6%8A%80%E8%83%BD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E7%94%9F%E3%81%AE%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E4%BA%BA%E6%95%B0+%E6%A5%AD%E7%A8%AE%E3%81%94%E3%81%A8′(閲覧日:2021年8月26日)


2. 技能実習生が失踪する理由

法務省の情報を基に調べると、実習生が失踪する主な理由として以下が挙げられます[1]

・労働賃金に不満がある
・パワーハラスメントを受けた
・実習期間終了後も日本で働きたい

それぞれを詳しく解説します。

・労働賃金に不満がある

2017年1月から2018年9月にかけて、法務省の「技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム」が、失踪者が出た実習実施機関に対して調査を行いました。1,555の機関(失踪者2,025人)に実地調査が行われ、662の機関(失踪延べ人数937人分)で、以下の不正行為が明らかになりました[2]

・残業時間等不適正231人
・書類不備222人
・割増賃金不払い195人
・賃金からの過大控除92人
・契約賃金違反69人
・最低賃金違反58人
・その他の人権侵害36人

上記の違反項目を見ると、残業時間の不適正や割増賃金の不払い、契約賃金違反など、労働賃金に関係する違反が多くを占めています。

技能実習生の多くは技能を身につけるだけでなく、「お金を稼ぐ」ことも目的として来日しています。借金をして日本に来ている人も少なくないため、「契約書の通りに給与を払ってもらえない」「最低賃金以下で働かされる」など、労働賃金に対する不満が募ると、より多くの給与をもらえる仕事に就くために失踪することがあります。

・パワーハラスメントを受けた

実習先の企業でパワーハラスメントを受け、これが失踪の原因になることもあります。

日本人でも、職場でパワーハラスメントを受けることはあります。なぜ日本人は失踪しないかというと、パワーハラスメントを受けた場合の対応方法について知っていることと、最終手段として転職という選択肢があるためでしょう。

技能実習生には、基本的に転職の自由がありません。パワーハラスメントから逃れる最終手段がなく、故に、失踪につながるケースがあります。

厚生労働省の定義によると、パワーハラスメントには「身体的若しくは精神的な苦痛を与えること」が含まれます[3]。そして、2020年6月1日に、パワハラ防止法とも呼ばれる「改正労働施策総合推進法」が施行され、今やパワーハラスメントはれっきとした違法行為です。

パワハラ防止法は外国人労働者にも適用されるため、技能実習生を叩くなどの身体的な暴力行為、暴言などによる精神的な攻撃は裁判問題に発展する可能性があります。

自社内でパワーハラスメントを発生させないためには、日本人従業員に対する研修を行うなどして、外国人労働者に対する差別や攻撃が生まれない労働環境を構築することが重要です。

・実習期間終了後も日本で働きたい

技能実習生は実習期間が終了すると、母国に帰国しなければいけません。技能実習生の中には、実習が終わっても日本で働き続けるために、失踪して不法就労をする人がいます。

これは個人の問題だから、企業ではどうしようもない、とお考えになるかもしれません。しかし、実習が終了する前から、その後のキャリアプランについて話し合う機会を持ち、本人の意向を確認することで、予防は可能です。

従来、技能実習生は3年または5年までしか日本に滞在できませんでした。しかし、2019年4月より「特定技能」が追加され、技能実習2号を修了した技能実習生は条件を満たせば特定技能1号への移行が可能になり、在留期間をさらに5年延ばすことができます。

これを実現するためには、段階ごとの技能検定に合格する必要があります。企業が技能実習生のキャリアに寄り添い、スキルアップをサポートすることで、上記のような理由での失踪を減らせる可能性があります。

[1] 法務省「調査・検討結果報告書」,平成31年3月28日,https://www.moj.go.jp/isa/content/930004167.pdf(閲覧日:2021年9月21日)
[2] 法務省「報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」」,令和2年12月,https://www.moj.go.jp/isa/content/001334958.pdf(閲覧日:2021年8月26日)
[3] 厚生労働省「パワーハラスメントの定義について」,平成30年10月17日,https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000366276.pdf(閲覧日:2021年9月21日)


3. 技能実習生が失踪した場合、企業に生じるデメリット

技能実習生が失踪して、企業側に労働環境や賃金などについての不正行為が発覚した場合、以下のようなデメリットが生じます。

・技能実習生の受け入れが停止される
・優良認定要件の減点
・企業名の公表

詳しく解説していきます。

・技能実習生の受け入れが停止される

企業において何らかの不正行為があり、それが原因で技能実習生の失踪が多発した場合、3年間、技能実習生の受け入れが停止されます。多発に該当する失踪人数は以下の通りです。

表)「多発」に該当する技能実習生の失踪数

企業での受け入れ総数失踪人数
50人以上受け入れ総数の5分の1
20人以上、49人以下10人
19人以下受け入れ総数の2分の1

上の表に該当する失踪者を出した企業は、技能実習生の新規受け入れだけでなく、在留期間の更新や申請手続きも停止されます。在籍している技能実習生は、実習を継続するために新たな実習実施機関を探さなければいけません。

また、企業に対する3年間の停止期間が経過した後、自動的に技能実習生の受け入れが再開できるわけではありません。地方入国管理局に再発防止策を提出して、問題再発の可能性がないと判断された場合のみ、技能実習生の受け入れを再開できます。

貴重な労働力として働いていた技能実習生がいなくなり、さらに数年にわたり技能実習生の受け入れが停止されると、企業の生産性や経営目標の達成に大きな影響が及ぶ可能性があります。

・優良認定要件の減点

法務省は優良な実習実施者の要件を定めており、優良認定を受けると技能実習期間の延長や技能実習生の受け入れ人数の拡大が可能になります。

優良認定を受けるためには120点満点中66点以上を獲得する必要があります。しかし、技能実習生の失踪者が出ると50点の減点対象になる可能性があり、場合によっては優良認定を受けられないこともあります。

優良認定が受けられなくなると、その後の技能実習生の在留資格や受け入れ人数に影響が及び、事業の推進に支障をきたす可能性があります。

・企業名の公表

出入国在留管理庁の「失踪技能実習生を減少させるための施策」には、失踪防止に向けた主な施策として「失踪技能実習生を雇用した企業名の公表」も含まれています[4]

多数の失踪者を出している企業として名前を公表されると地域での評判に悪影響が及び、企業イメージの悪化につながります。

このように、技能実習生が失踪すると企業に大きなデメリットとなります。企業の担当者は、その影響範囲をしっかり認識しておきましょう。

[4] 法務省「技能実習制度における失踪問題への対応について」,令和元年12月24日,https://www.moj.go.jp/isa/content/930004592.pdf(閲覧日:2021年8月26日)


4. 技能実習生の失踪を防ぐために企業がすべきこと

技能実習生の失踪を防ぐため、企業側ではどんな対策が可能でしょうか。具体的に解説します。

4-1. 技能実習生に適した労働環境の構築

2章でご説明したように、技能実習生が失踪する理由には「労働賃金」「パワーハラスメント」などの問題があります。この問題を解消することは、企業の最低限の責務と言えるでしょう。

具体的な対策として、以下が挙げられます。

・雇用契約の締結状況を確認する
・賃金を見直す
・受け入れ後のサポート体制を整える
・差別や暴力を容認しない

一つずつ解説します。

・雇用契約の締結状況を確認する

技能実習生を受け入れる際は、雇用契約を締結する必要があります。「実習生」という呼び名から、「これは研修なので雇用契約は不要」と考えてしまうかもしれませんが、それは誤りです。実習生は労働者であり、適用される労働関係法令は日本人の場合と同じです。

労働契約期間、労働時間、従事する業務などを明記して、技能実習生に通知しなければいけません。

言うまでもなく、雇用契約を結んだ後は、その内容を遵守する必要があります。給与や残業代などの条件を労働者に無断で変更すると労働契約法違反になります[5]

技能実習生を受け入れている企業の人事担当者は今一度、自社の雇用契約の状態を確認してみると良いでしょう。

・賃金を見直す

技能実習生にも日本人労働者と同じく、労働基準法が適用されます。最低賃金や時間外労働、有給休暇などについても、日本人と同じ基準が適用されます。

最低賃金を下回る金額で労働させたり、残業代を支払わないなどの違法行為を行うと、労働基準監督署から是正勧告や指導を受ける可能性があります。

きちんと賃金を支払っているつもりでも、労働基準法に準じた内容になっているか、見直してみましょう。

・受け入れ後のサポート体制を整える

日本に来た技能実習生の中には、日本の生活環境が肌に合わずストレスを感じる人がいます。また、日本語の習得が難しいため、日本人従業員とのコミュニケーションがうまくいかず、悩む人もいます。ここに企業が支援の手を差し伸べることは、技能実習生の心のケアにつながります。

例えば、銀行口座の開設や携帯電話の契約、病気になったときの病院の探し方などに不安を感じている技能実習生もいるでしょう。日本人従業員が同行するなどして積極的にサポートしましょう。

また、部門の責任者や上司とは別の相談役を配置することで、技能実習生が気軽に悩みを打ち明ける環境を作ることができます。日本人従業員が日本語または英語で悩みを聞くこともできますが、技能実習生の母国語で相談できるメンターを配置できればさらに効果的です。

・差別や暴力を容認しない

失踪の主な理由に「パワーハラスメント」が挙げられているように(2章参照)、人種差別や暴力、いじめが常習的に行われている企業では、技能実習生が失踪するリスクが高いと言えます。

マネジャーや部門の責任者などが、外国人労働者の人権を無視するような言動をとると、他の従業員も知らず知らずのうちに影響を受けて、技能実習生へのいじめやパワハラが組織的に黙認される原因になります。

企業内でそのような悪しき習慣を生み出さないためには、全従業員が技能実習生に対して、「共に働く従業員」という意識を持てるように教育することが有効です。

4-2. 優良な監理団体を選ぶ

技能実習生を受け入れる方式には、団体監理型と企業単独型があり、違いは以下の通りです。

・団体監理型:事業協同組合や商工会などの監理団体が技能実習生を受け入れ、傘下の企業で技能実習を実施
・企業単独型:実習を実施する日本の企業が、海外の現地法人や取引先の企業の職員を受け入れて技能実習を実施

技能実習生等の受け入れ促進を図る国際人材協力機構(JITCO)によると、技能実習生を受け入れている企業のうち、団体監理型の受け入れが97.2%(技能実習での在留者数ベース)、企業単独型の受け入れが2.8%(2018年末時点)です[6]

団体監理型の場合、企業の担当者が受け入れたい技能実習生の人数や自社の求人内容を監理団体に伝えます。その後、監理団体が現地の送出機関に求人情報を送ります。

求人情報を受け取った送出機関は、技能実習生として日本に行く人材を現地で募集します。実習実施者としては、自分で直接、送出機関にコンタクトを取り、有用な人材を紹介してもらえるように取り計らいたいところです。

しかし、団体監理型の場合、実習実施者が直接、現地の送出機関とやり取りをすることは基本的にありません。契約している監理団体が提携している送出機関から紹介を受けるのが一般的です。

そうなると、実習実施者にとって重要なのは、有用な人材を紹介できる送出機関と提携している監理団体を選ぶこととなります。

判断基準の一つは、「優良な監理団体」として認定されているか否かです。優良な監理団体は政府公認の送出機関と提携しており、良い人材、失踪リスクの低い技能実習生の受け入れをサポートしてくれます。

優良な監理団体は法務省または厚生労働省が所管する認可法人、外国人技能実習機構(OTIT)のホームページで探すことができます。

・優良な監理団体の検索サイト
OTIT外国人技能実習機構「監理団体の検索」,https://www.otit.go.jp/search_kanri/(閲覧日2021年8月26日)

監理団体に問い合わせを行う際は、現地の送出機関についてもヒアリングしておきましょう。「政府認定の送出機関と提携しているか」「現地の送出機関はどのくらいの実績があるのか」などを確認しておくことをお勧めします。

政府認定の送出機関はOTITのホームページから見ることができるので、監理団体から聞いた送出機関の名前がリストに挙げられているか確認しておきましょう。

・外国政府認定の送出機関の検索サイト
OTIT外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧」,https://www.otit.go.jp/soushutsu_kikan_list/(閲覧日:2021年8月26日)

また、ヒアリングだけでなく実際に現地に足を運び、送出機関の施設を見学させてもらうことも有効です。送出機関の担当者に、技能実習生への教育カリキュラムや失踪者を出さないための対策などについて、尋ねておくと良いでしょう。

このように実習実施者には、監理団体の選定または利用する送出機関について、自分の目で確認していく慎重さが求められます。一つ一つのプロセスに時間と手間をかけることで、技能実習生の失踪リスクを低くすることができるでしょう。

そのことは、ひいては自社の安定的な技能実習制度の運用と、継続的な人材の確保につながっていきます。

[5] 労働契約法 第八条,「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」
[6] JITCO「外国人技能実習制度とは」,https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/(閲覧日:2021年9月27日)


5. 技能実習生が失踪した場合に企業が取るべき手順

これまでに技能実習生が失踪する理由や、失踪者を出さないためのポイントを解説しました。しかし、万が一、失踪が起きてしまった場合には、どのように行動すれば良いのでしょうか。具体的に解説します。

・監理団体に連絡

技能実習生が失踪した、または失踪した可能性があることに気づいたら、すぐに監理団体に連絡します。同僚に失踪先の心当たりがないかなどの聞き取りをして、受け入れ企業と監理団体が協力して、行方を捜します。

・外国人技能実習機構(OTIT)に連絡

受け入れ企業が監理団体に連絡した後、監理団体が外国人技能実習機構に連絡し、「技能実習実施困難時届出書」を提出します。この用紙には、「技能実習を行わせることが困難となった事由並びにその発生時期及び原因」を記入する欄があり、失踪の詳細を報告しなければなりません。

・技能実習実施困難時届出書
OTIT外国人技能実習機構「技能実習実施困難時届出書」,https://www.otit.go.jp/files/user/docs/abstract_056.pdf(閲覧日:2021年8月26日)

・警察に連絡

失踪した技能実習生が事件に巻き込まれている可能性も考えられるので、警察に連絡して対応方法を相談します。

・給与の支払い手続き

技能実習生が失踪したとしても、失踪以前の賃金は給料日に支払う必要があります。支払いを怠ると、給与の未払いとして不正行為に該当するので注意しましょう。

・退職手続き

技能実習生が失踪したからと言って、即日、雇用契約を解消できるわけではありません。そのため就業規則に「○○日間以上、無断で欠勤した場合は、退職したものとみなす」などと定めておく必要があります。定めた期間を経ても失踪者が見つからない場合、雇用保険や社会保険の資格喪失手続きなどの退職手続きを行います。

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外国人材の採用にあたって企業が把握しておくべき基本事項とは?

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6. まとめ

本稿では、技能実習生の失踪について詳しく解説しました。
技能実習生が失踪する原因には以下のものがあります。

・労働賃金に不満がある
・パワーハラスメントを受けた
・実習期間終了後も日本で働きたい

受け入れ企業の中には、技能実習生に対して十分な給与を支払っていなかったり、暴力行為が常習化しているなどの問題が見れます。基本的に技能実習生には転職という選択肢がないため、状況から逃れるために失踪する事例があります。

技能実習生が失踪すると企業側には以下のようなデメリットがあります。

・技能実習生の受け入れが停止される
・優良認定要件の減点
・企業名の公表

技能実習生の受け入れが停止されたり優良認定が取り消されると、企業利益に大きな影響を与えます。また、企業名が公表されると企業イメージの悪化にもつながります。

技能実習生の失踪を防ぐために企業がすべきことには以下の点があります。

・技能実習生に適した労働環境の構築
・優良な監理団体を選ぶ

技能実習生が失踪した場合に企業が取るべき手順は以下の通りです。

・監理団体に連絡
・外国人技能実習機構(OTIT)に連絡
・警察に連絡
・給与の支払い手続き
・退職手続き

技能実習制度を利用して来日する技能実習生は増加しており、それに伴い技能実習生の失踪問題が深刻になっています。日本政府も技能実習生の失踪を防ぐために様々な施策を講じていますが、企業としても失踪者を出さないための対策を講じる必要があります。

現実問題として、技能実習生の失踪リスクをゼロにするのは難しいでしょう。しかし、本稿でご紹介した内容を実行していただくことで、失踪リスクを減らすことは可能です。

ぜひ、技能実習生が安心して実習に専念できる環境の構築を目指しましょう。

参考)
出入国在留管理庁「失踪技能実習生を減少させるための施策」,『出入国在留管理局資料』,https://jsite.mhlw.go.jp/fukuoka-roudoukyoku/content/contents/000678897.pdf(閲覧日:2021年9月20日)
出入国在留管理庁「失踪技能実習生を減少させるための施策」,『技能実習制度における失踪問題への対応について』,令和元年12月24日,https://www.moj.go.jp/isa/content/930004592.pdf(閲覧日:2021年9月20日)
法務省「出入国在留管理をめぐる近年の状況」,https://www.moj.go.jp/isa/content/001335866.pdf(閲覧日:2021年9月20日)
厚生労働省「外国人技能実習制度の現状、課題等について」,平成30年3月23日,https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/ginoujisshukyougikai/180323/3_mhlw-genjyoukadai.pdf#search=’%E6%8A%80%E8%83%BD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E7%94%9F%E3%81%AE%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E4%BA%BA%E6%95%B0+%E6%A5%AD%E7%A8%AE%E3%81%94%E3%81%A8′(閲覧日:2021年8月26日)
法務省「報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」」,令和2年12月,https://www.moj.go.jp/isa/content/001334958.pdf(閲覧日:2021年8月26日)
厚生労働省「パワーハラスメントの定義について」,平成30年10月17日,https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000366276.pdf(閲覧日:2021年9月21日)
法務省「技能実習制度における失踪問題への対応について」,令和元年12月24日,https://www.moj.go.jp/isa/content/930004592.pdf(閲覧日:2021年8月26日)
厚生労働省「技能実習制度 運用要領」,https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000183086.pdf(閲覧日:2021年9月23日)
OTIT外国人技能実習機構「監理団体の検索」,https://www.otit.go.jp/search_kanri/(閲覧日2021年8月26日)
OTIT外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧」,https://www.otit.go.jp/soushutsu_kikan_list/(閲覧日:2021年8月26日)
OTIT外国人技能実習機構「技能実習実施困難時届出書」,https://www.otit.go.jp/files/user/docs/abstract_056.pdf(閲覧日:2021年8月26日)
JITCO「外国人技能実習制度とは」,https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/(閲覧日:2021年9月27日)

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