導入成功事例 〔株式会社ヤマハミュージックジャパン・前編〕 組織開発の手段として企業内大学を活用。従業員が自走する組織を目指す

〔株式会社ヤマハミュージックジャパン・前編〕 組織開発の手段として企業内大学を活用。従業員が自走する組織を目指す
課題
・「ともに働く仲間の活力最大化」を実現するための組織開発
・多様化・複雑化する社会課題に対応するため、複数の専門性を持つダブルメジャー人材の育成
成果
・2社部⾨横断型、4学部・18学科を持つ企業内⼤学を開校
・講座の内製で、全国の現場に散らばるナレッジを「教え合い学び合う」場を形成

⼈的資本経営やキャリア⾃律、⾃律的⼈材育成が求められる近年、企業内⼤学への注⽬が集まっています。

楽器・音響機器をはじめとする幅広い製品、音楽教室などの「音・音楽」に関わるサービスを提供する、株式会社ヤマハミュージックジャパンおよび株式会社ヤマハミュージックリテイリング(2024年4月に株式会社ヤマハミュージックジャパンに合併)は、同社の従業員約1800⼈を対象とした企業内⼤学「ヤマハミュージックアカデミー」を開校しました。

「教え合い学び合う」をコンセプトとする同アカデミーでは、従業員が講師を務める教材の内製化に注⼒しています。従業員が教え合い学び合う⽂化の醸成を通して、組織開発の目標である「学習する組織」「共感する組織」「⾃⾛する組織」の実現を目指しています。

組織開発の一環として企業内⼤学を立ち上げた経緯と活用方法について、株式会社ヤマハミュージックジャパン アカデミー推進・組織開発室の武田信次郎様、加藤園美様、深水舞子様にお話を伺いました。

プロフィール(部署名・肩書は2024年2月取材時のもの)

■武田信次郎様
アカデミー推進・組織開発室 室長/リーダーシップゼミ「hintゼミ」主務

■加藤園美様
アカデミー推進・組織開発室 主幹/「組織開発ワークショップ」主務

■深水舞子様
アカデミー推進・組織開発室 主事/企業内大学「ヤマハミュージックアカデミー」主務

 

各業界における人材育成の課題と解決方法をまとめた事例集

各業界における人材育成の課題と解決方法をまとめた事例集

 

ミッションは「チャレンジする風土の醸成」

―まずは、みなさんが所属する「アカデミー推進・組織開発室」のミッションや業務領域を教えてください。

武田様:私たちアカデミー推進・組織開発室では、人と人との関係性にフォーカスする「組織開発」をメインに担当しています。当社の人材開発の主管部門は人事総務部で、会社視点で「こういうことを学んでほしい」という部分は人事総務部が担当です。一方、私たちアカデミー推進・組織開発室は、社員視点で「どういうことを学びたいか」という部分を担当しています。

私たちが立ち上げた企業内大学「ヤマハミュージックアカデミー」は、2つ以上の専門知識を持ったΠ(パイ)型人材の育成を目指して運営しています。これは、企業内大学を単なる「人材開発」ではなく、「組織開発」の重要な施策として位置づけているからです。

 

―ヤマハミュージックジャパン・ヤマハミュージックリテイリングが組織開発を始めた背景を聞かせてください。

武田様:私は過去に代表を務めていたヤマハサウンドシステムでも、企業内大学「YSSアカデミー」を設立した経験があります。私がヤマハサウンドシステムを離れたのはYSSアカデミーが開校して1年半が経った時でしたが、その時点で従業員の約1/3が講師を務めていました。まさに、「教え合い学び合う」組織風土の実現が進んでいる状況でした。

その後、2022年4月に古巣のヤマハミュージックジャパンに戻った際、当時の社長から「ヤマハグループの中期経営計画に掲げる『ともに働く仲間の活力最大化』を実現するための組織開発をしてほしい」との命を受けました。

私に課せられたのは、チャレンジする風土の醸成と、その実現に向けた教育研修カリキュラムの整備と展開です。これらを実現するために設計した施策のひとつが、企業内大学「ヤマハミュージックアカデミー」です。


―優れた組織風土は、社員にどのような影響をもたらすと考えられますか?

武田様:次世代を担う社員が誇れるような組織文化をつくることが、仕事への意欲や向上心に繋がっていくと考えています。

本来、企業活動というのは、自社ならではのカルチャーモデルとビジネスモデルの両方を磨くことが大事です。どれほど優れたビジネスモデルであっても、社員が誇れる組織カルチャーがなければ、社員は働きがいを見出せず、ビジネスも成長しません。

また、ビジネスモデルは模倣される可能性もありますが、カルチャーモデルは簡単に模倣できません。カルチャーモデルを磨くことでビジネスモデルに独自性を持たせ、企業のブランド価値も高められると考えています。

Π型人材育成を実現した企業内大学のシステム構築

―ヤマハミュージックアカデミーでの学習を通じて、どのような人材を育成したいと考えていますか?

武田様:ヤマハミュージックアカデミーのコンセプトのひとつに、2つ以上の専門知識を持った「Π型人材の育成」があります。

例えば鍵盤営業部マーケティング課の社員の場合、鍵盤楽器という“モノ”の専門性と、マーケティングという“コト”の専門性が必要になります。このようなダブルメジャーを持つ人材がΠ型人材です。

「VUCA」と呼ばれる不確実性の高い時代、独創的なアイデアを生み出す人材が求められています。多様化・複雑化する社会課題に対応するには、複数の専門性と幅広い知識を持つΠ型人材が不可欠です。

Π型人材育成のために、ユーザーに2つ以上の専攻学科を選択してもらう仕組みをいかに構築するかが課題でした。当初は、専攻学科を選択する仕組みは「LMSで実現するのは難しいだろう」と考えていたのですが、ライトワークスさんにお話ししたところ「こうすればできますよ」と、あっさりシステムで対応できました。

加藤様:Π型人材は、ダブルメジャーに加えて、幅広い知識が必要です。そのために教養学部も設けることにしました。学習コンテンツをどう確保するかは課題でしたが、ライトワークスさんの「まなびプレミアム」のコンテンツが充実していたので、そこから約200講座を選定して対応できました。

深水様UIの観点では、いかに「大学のように見せるか」というのが重要なポイントでした。学部のガジェットを配置し、その中に学科を入れることで4学部18学科が一目でわかるようなトップ画面にしています。


<トップ画面は鍵盤や管楽器などのアイコンが入ったヤマハらしいビジュアル>

「お力になれます」の安心感。決め手は“真摯な姿勢”と“柔軟な対応力”

―組織開発を目的とした人材開発プラットフォームとして、CAREERSHIPを選んだ決め手についてお聞かせください。

深水様:決め手は、こちらの要望を真摯に聞いてくれる姿勢と、柔軟な対応力です。

LMSの導入にあたって、何社かとオンラインで話しました。パッケージや料金をご提示いただくなか、やりたいことをできるだけシステムに落とし込みたいと考えていたものの、「どうやってシステムに自分たちを合わせるか」を考える必要があるのだと感じました。

武田様:実際に「システムで対応できないことは人間側のルールで対応しよう」という話までしていました。ところが、ライトワークスさんは私たちに「まずは、やりたいことを聞かせてください」と言ってくれました。

コンセプトや課題など、私たちがやりたいことをじっくり時間をかけてヒアリングした上で、「できます。お力になれます」とはっきり言ってもらえた瞬間、非常に安心したことをよく覚えています。

加藤様:マニュアルに載っていないことでも、相談すると「この機能とこの機能を掛け合わせれば、ご要望のものができますよ」「他にもわからないことがあれば何でも聞いてください」という柔軟性があり、とても助かりました。

これだけニーズや課題をしっかり受け止めてもらえるのであれば、今の機能では実現できないことでも、いずれバージョンアップで対応してくれるのではと考えて「ライトワークスさんに賭けよう」と部門内の意見が一致しました。

深水様:ほかに決め手になったのは、受講管理の権限である「ロール設定」です。研修では、受講生が受講後にアンケートを送信し、上司が承認するロールは必須です。それとは別に、講座を制作する学部・学科メンバー用のロールも必要でした。

これは、学部・学科メンバーが、制作した講座の受講状況や理解度・満足度などを確認するためにアンケートの結果などをモニターするためのロールです。

当該学部・学科だけモニターできるように限定したかったので、全学部・学科がモニターできるAdminロールは使えません。この課題は、リリースされたばかりの新機能「フォルダ管理」で対応できました。

<フォルダ管理:任意のフォルダでアイテム管理権限を区分する機能>

 

CAREERSHIP導⼊時に、社内調整で意識したことや苦労した部分がありましたらお聞かせください。

武田様:社内決裁にあたっては、A社、B社、CAREERSHIPの比較表をつくりました。機能と価格、どこが一番やりたいことを実現できるかを比較した結果、丸が一番多かったのがCAREERSHIPでした。

予算との兼ね合いで多少の調整が必要でしたが、苦労と言うほどのものではなかったですね。

深水様:ITセキュリティ視点のチェックは確認すべき項目が多く時間がかかりましたが、CAREERSHIPの標準的な仕様で問題なくチェックをパスできました。

SSO連携も導入していますが、こちらも難なく導入できました。現在、IT部門、人事部門とともに、⼈事データ連携の調整を進めています。

 

―ヤマハミュージックアカデミーで、CAREERSHIPをどのように活⽤していますか?

加藤様:ほとんどの講座を、受講後アンケートがセットできる「コース」として設定しています。アンケートでは理解度、満足度の他に、受講前の課題、受講後にどんな気づきや学びがあったかを尋ねています。

これは、講座の制作者へのフィードバックだけでなく、受講前の課題や、受講後の気づきなどを問いかけることで、学習効果の向上も狙うものです。また、上司にはアンケートをきっかけにしたメンバーとの対話をお願いしています。

深水様:基本的に4学部18学科すべての講座を受講できますが、専攻した学科の講座には「推奨フラグ」が付いて、円グラフで進捗がわかるようにしました。

<トップ画面に表示される円グラフのガジェット>

例えば、専攻した学科に全部で10個の講座あったら、円グラフの分母が10になり、自分が今どこまで学べているかが円グラフで一目で把握できます。学びのモチベーションにも繋がる仕組みです。

 

―4学部・18学科を持つ企業内⼤学、さらに2社部⾨横断型は複雑な運⽤になるかと思います。ライトワークスのサポート体制はいかがでしょうか?

<ヤマハミュージックアカデミー 学部・学科構成>

深水様:開校前のLMS構築サポートで「こんなことはできますか?」と恐る恐る聞くと、「こうすればできますよ!」という回答ばかりで本当に「NGなし」でした。問い合わせの際の返答がとにかく早いのも、とても助かりました。開校後も変わらず、迅速にサポートしていただいていて、とても安心感があります。

CAREERSHIPユーザー同士で交流できる「User Meet Up」の開催も心強いです。他社の事例から「こんな使い方があるんだ」といった気づきや、ユーザー同士で課題感を共有できて、励みになっています。

武田様:私たちのように組織開発としてCAREERSHIPを使っている企業があれば情報交換してみたいので、そのような機会を設けていただければ幸いです。

 

後編に続く>>

 

上場企業売上TOP100社の47%*が導入したLMS「CAREERSHIP」の全機能を3分でご紹介。
*2021年4月現在、グループ会社を含む、当社調べ

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