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外国人労働者への差別撤廃のために組織として知り、取り組むべきこと

「外国人労働者は日本企業にとって大切な労働力であり、パートナーであり、友人だ」

そう実感する人は年々増えていると思います。

特に企業の経営層、管理職、人事担当者の方は、私たちの社会・経済がもはや外国人労働者なくしては成立し得ない段階に来ていることを、肌で感じていらっしゃるのではないでしょうか。

コンビニや飲食店などの小売業から、IT業界まで、今日本では実に多くの外国籍の方が働いています。

彼らにいかに快適な労働環境、生活環境を提供していくか。この課題に取り組むことは、未来の日本の社会を作る重要な作業の一つと言えるでしょう。

それにもかかわらず、世の中には無意識の偏見や差別といった問題が根深く存在しています。

公益財団法人 人権教育啓発推進センターが2016年に日本に住む18歳以上の外国人を対象に行った調査によると、「過去 5 年の間に日本で外国人であることを理由に侮辱されるなど差別的なことを言われた経験があるか」という質問に対して、「よくある」「たまにある」と回答した人は、全4252人中1289人、29.8%に上りました[1]

誰から言われたのか、という追加の質問に対する回答の内訳上位5位は以下の通りです。

・見知らぬ人:676人(53.3%)
・職場の上司や同僚・部下、取引先:482人(38.0%)
・近隣の住民:245人(19.3%)
・店・レストランの従業員:201人(15.8%)
・公務員や公共交通機関の職員 :164人(12.9%)
※複数回答可

これを見ると、「職場の上司や同僚・部下、取引先」が見過ごせない割合であることが分かります。

店舗の従業員や公務員なども合わせると、「働く日本人」から差別的な発言を受けたことのある回答者は847人、65.7%に上ります。

つまり、「働く日本人」の意識を改善することが、外国人の住みやすい、働きやすい社会を作るうえで必須と言えるでしょう。

企業には、自社の従業員から社会を変えていくという気概を持って、差別や偏見を職場からなくしていく努力が求められます。

本稿では、企業が外国人労働者への偏見や差別を撤廃していくために知っておくべき情報として、外国人労働者に対する差別の実態や、各種の問題への対策、事例などについて解説します。

ぜひ社内での情報共有や、環境の改善にお役立てください。

[1] 公益財団法人 人権教育啓発推進センター「外国人住民調査報告書」,『平成28年度 法務省委託調査研究事業』,平成29年6月,http://www.moj.go.jp/content/001226182.pdf(閲覧日:2021年8月15日)


1. 外国人労働者が私生活で感じる差別

ここでは、公益財団法人が平成28年に実施した「外国人住民調査報告書」を基に、外国人が感じている差別について解説します[2]

外国人が私生活で感じている差別には以下のものがあります。

・「外国人」という理由で就職やアルバイトができない
・「外国人」という理由で賃貸契約ができない
・ヘイトスピーチによる差別を見聞きする

それぞれを詳しく解説します。

1-1. 「外国人」という理由で就職やアルバイトができない

前述の公益財団法人のアンケートによると、過去 5 年間に日本で仕事を探したり、働いたりしたことのある2,788 人のうち、「外国人であることを理由に就職を断られた」ことがあると回答した人は25%に上りました。

そのうち6割は、「日本人と同程度に会話ができる」「仕事に差し支えない程度に会話ができる」レベルの日本語力を持っていました。

日本語で十分なコミュニケーションができても、外国人という理由で働けない方が一定数いることが分かります。

ここには、いわゆる「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」が働いている可能性があります。企業ではアンコンシャス・バイアスに関する教育を行うと良いでしょう。

参考)ライトワークスのeラーニング教材
「無意識の偏見を理解する~ダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けて~」
https://www.lightworks.co.jp/e-learning/2479

1-2. 「外国人」という理由で賃貸契約ができない

「働くために日本に来たのに、アパートを借りられない」というのも外国人労働者が抱える悩みの一つです。

同アンケートの調査によると「外国人であることを理由に入居を断られた」ことがある人が約40%いました。

他にも、日本人の保証人がいないことを理由に断られた、物件情報にそもそも外国人はお断りと書かれていた、といった例もあります。

賃貸物件を巡るトラブルのよくある例としては、騒音やゴミの出し方、又貸し、部屋の改造などが挙げられます。

こうしたリスクを回避するために外国人の入居を拒否する貸主が多いものと思われますが、これらの多くは、文化の違いを認識して契約時にしっかり説明を行うことで、回避できるものです。

外国人を雇用する企業は、住まい探しを支援したり、外国人労働者に必要な情報提供をするといったサポートを行うと良いでしょう。

1-3. ヘイトスピーチによる差別を見聞きする

ヘイトスピーチには、「特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に, 日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりする」ことが含まれます[3]

具体的には、特定の国の人に「出ていけ」や「帰れ」、あるいはもっとひどい発言をしたり、差別的な例えで表現したり、といった悪質なものが見られます。

公益財団法人のアンケートによると、「外国人を排除するなどの差別的なデモ、街頭宣伝活動」を直接的に見たり聞いたことがある人が20.3%、新聞や雑誌で見聞きした人が42.9%、インターネットで見た人が33.3%いました。

「自分には関係ない」と思っていても、生活の様々なシーンで見聞きしているうちに、無意識にこうした情報が頭の中に入ってしまうリスクは否めません。企業の場合、従業員が影響を受けている可能性もあります。

ヘイトスピーチについては、2016年に「ヘイトスピーチ解消法」が施行され、法務省が専用ページを設けて防止に取り組んでいます。

ヘイトスピーチは違法行為なのです。企業では、組織として、こうした行為を許容しない態度を貫くことが大切です。

参考)法務省「ヘイトスピーチ、許さない」
https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html(閲覧日:2021年8月11日)

この章では、外国人が私生活で感じている差別の実例を取り上げました。

近年、日本では働き方改革が進み、従業員のワークライフバランスやライフキャリアを重視する傾向がみられます。従業員のプライベートに配慮をすることは、企業として不自然なことではありません。

それと同様に、外国人労働者に対しても、快適に暮らし、そして働けるよう、必要な支援を行う姿勢が求められます。


[2] 公益財団法人 人権教育啓発推進センター「外国人住民調査報告書」,『平成28年度 法務省委託調査研究事業』,平成29年6月,http://www.moj.go.jp/content/001226182.pdf(閲覧日:2021年8月11日)
[3] 法務省「ヘイトスピーチ、許さない」,http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html#%E4%BD%95%E3%81%AA%E3%81%AE (閲覧日:2021年8月11日)


2. 外国人労働者が職場で感じる差別

ここでは、外国人労働者が職場で感じる差別について考えます。まず、以下の条文を確認しましょう。

・労働基準法 第一章 総則
(均等待遇)
第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

外国人であることを理由に労働条件や賃金面で差別することは、法律で禁止されています。外国人が働く条件は、日本人と同等でなければなりません。

それにもかかわらず、外国人労働者に対する差別行為を行っている企業は根強く存在します。例を見てみましょう。

2-1. 悪質な労働環境で働かされる

外国人労働者に対する差別の代表例とも言えるのが、労働時間や割増賃金の未払いなどを含む悪質な労働環境です。

厚生労働省の「外国人技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等」を見ると、令和元年に実習実施者に対して行われた9,455件の監督指導のうち、71.9%にあたる6,796件の労働基準関係法令違反が認められました[4]。中でも、以下のような違反事例が上位を占めています。

・労働時間
・割増賃金の支払
・賃金の支払
・最低賃金の支払

上記のような労働時間や賃金に関する違反事例が多い理由としては、「外国人だから長時間・低賃金で働かせても良い」「外国人には日本人労働者の法律は適用されない」などの間違った認識があります。

日本語の能力が十分でない場合、「苦情が上がりにくい、訴えられるリスクが少ないから問題ない」といった誤った考え方も潜んでいる可能性があるでしょう。

これらの違反行為を行わないために、労働基準法を念頭に置き、外国人だからという理由で労働条件や賃金面で差別してはいけないということをしっかり覚えておきましょう。

ちなみに、外国人労働者に時間外労働を行わせる場合、日本人従業員の場合と同じく36協定を締結する必要があります。

36協定を締結せずに時間外労働をさせた場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金になります。

2-2. 身体的な暴力を受ける

外国人労働者には日本人労働者と同じ労働関係法令が適用されます。

この法律には、労働基準法や労働安全衛生法などが含まれ、外国人労働者に対する、パワハラやいじめなどの身体的な暴力は法律に反する行為です。

それにもかかわらず、外国人労働者に対する暴力事件が起きています。

一例として、建設業で働く技能実習生のベトナム人に対して、「日本語が通じないから体で指導する」として、日常的に工具でヘルメットを叩いたり、殴る蹴るの暴行が加えられていました [5]

最初は少しの暴力だったものが日常化することで過激になり、さらには集団で個人を攻撃することにもつながりかねません。

この種の問題行動の背景には、外国人労働者に対する人権意識の低さが関係しています。

経営陣や管理職、日本人従業員が、外国人労働者を人手不足を補う単なる労働力と認識していると、外国人労働者の人権に対する意識が薄れ、身体的暴力などの差別につながる恐れがあります。

2-3. 言葉による暴力を受ける

暴力には身体的なものだけでなく、罵声やののしりなどを浴びせることも含まれます。

例えば、「国へ帰れ」「死ね」「バカ」など人格を否定する言葉があります。

また、身体的な特徴を差別的な言葉で表現したり、「○○人は怠ける」など、ネガティブな要素を国籍と結びつけて表現するといったことも含まれます。

外国人労働者と働くと、言葉がうまく通じないためにコミュニケーションロスが生じることがあります。また、日本人とは違う習慣や気質を持っていることもあります。しかし、それを理由に、外国人労働者に対して差別的な暴言を吐いて良いわけはありません。

外国人を雇用する企業では、一緒に働く日本人の従業員が外国人と働くことを理由にしたストレスを感じないよう、日本人従業員に対しても十分なケアをする必要があります。

外国人を雇用する目的を伝えるとともに、必要なマナー、コミュニケーションのコツなどを共有したり、コンプライアンス意識の醸成を図るための教育を行いましょう。

2-4. 強制帰国させられる

外国人労働者が労働法違反やパワーハラスメント等を訴えた際の口封じとして、企業や監理団体 [6]が外国人労働者を強制的に空港まで連れていき、強制的に帰国させる事例があります。

これは、外国人労働者に対する一種の差別行為と言えます。

このような事例を自社から出さないためには、経営陣を含め、組織全体で外国人労働者に関する正しいコンプライアンス意識を持つことが大切です。

技能実習制度を活用する場合、信頼できる監理団体を選ぶことも重要になってきます。

[4] 厚生労働省「技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況」,平成31年・令和元年,https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/000680646.pdf(閲覧日:2021年8月18日)
[5] 特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク「外国人労働者が遭遇するパワーハラスメントハラスメント」,『移住連』,https://migrants.jp/user/media/ijuuren/page/news/pdf/example.pdf (閲覧日:2021年8月11日)
[6]技能実習制度で、現地の送出機関から紹介された技能実習生の技能等習得活動の監理を行う非営利団体のこと。


3. 外国人労働者への差別を無くすために企業がすべきこと

外国人労働者への差別を無くすには、企業単位で努力する必要があります。ここでは、経営陣や人事担当者が主体的に進められる施策をご紹介します。

・外国人労働者の雇用に関するコンプライアンス意識を強化する
・外国人労働者とのコミュニケーション問題を解決する
・外国人労働者にとって働きやすい職場環境を構築する

それぞれを詳しく解説します。

・外国人労働者の雇用に関するコンプライアンス意識を強化する
外国人労働者の雇用に関する法律は複雑であり、頻繁に改正が行われます。

経営陣や人事担当者がコンプライアンスをしっかりと理解していないと、無意識に労働時間や安全基準の面で不正行為が生まれ、法律違反を問われる事態になりかねません。

例えば技能実習制度では、国が定期的に検査を行い、監督指導や送検等の状況をレポートしています。

参考)厚生労働省「外国人技能実習生の実習実施者に対する平成31年・令和元年の監督指導、送検等の状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13980.html(閲覧日:2021年9月15日)

また、各都道府県から集められ厚生労働省が集約・公表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」には、企業名や事案概要も掲載されます。

これは外国人労働者に限った資料ではありませんが、企業名が公表されると、企業のブランドイメージ低下につながります。

外国人労働者を雇用するときは、日本人を雇用するときと同じく、労働契約を締結して、契約書に記載された内容を遵守しなければなりません。

また、労働契約を締結していたとしても、労働者の同意なく労働時間や残業代の支給などについて、無断で契約内容を変更することは、労働契約法8条[7]に違反する行為です。

こうした認識を、企業全体で共有し、コンプライアンスの徹底を図りましょう。

参考)ライトワークスのeラーニング教材
「外国人材採用企業向けシリーズ 入門編」
https://www.lightworks.co.jp/e-learning/9371

外国人雇用に関する相談窓口

 

外国人の雇用について相談したい場合は「外国人雇用管理アドバイザー」を利用すると良いでしょう。「外国人を雇用する際、どんな点に注意したら良いか?」「すでに外国人を雇用しているが、コンプライアンスに問題はないか?」などの相談に無料で応じてくれます。外国人雇用管理アドバイザーの詳細は厚生労働省のホームページで確認できます。

 

厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー」
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/koyoukanri/index.htm(閲覧日:2021年8月19日)

・外国人労働者とのコミュニケーション問題を解決する
現場で仕事をしている日本人従業員は、外国人とのコミュニケーションを壁と感じ、ストレスを抱えてしまうことがあります。

日本人同士であれば少しの説明で伝わることであっても、相手が外国人の場合、スムーズにはいかないことがあります。

相手が理解できるように、分かりやすく丁寧に説明しなければいけません。

外国人とのコミュニケーションに慣れていない日本人の場合、「いちいち説明するよりも自分でやった方が早い」と考えてしまいがちです。

結果、自分の作業量が増えて仕事のパフォーマンスが落ち、イライラが募り、外国人労働者に怒鳴り散らしてしまう可能性があります。さらに、差別的な発言をしたり、身体的な暴力行為に発展することもあります。

このような問題を解決する方法としては、日本人従業員向けにコミュニケーション研修が有効です。

例えば、外国人とコミュニケーションを取るためには、「国籍が違うとコミュニケーションの取り方が異なること」「自分の文化や価値観に基づいて相手を判断しないこと」などを教えます。

また、外国人に分かりやすく話すために、標準語で話すことや複雑な文法を避けること、指示を明確にすることなどを段階的に教育します。

そうすることで、日本人と外国人労働者がスムーズにコミュニケーションを取ることができ、差別の根を事前に摘むことができます。

・外国人労働者にとって働きやすい職場環境を構築する
ダイバーシティの実現を目指した職場環境の改善は、多くの企業で取り組まれています。この中に、外国人労働者を対象としたプログラムを組み込みましょう。

一例として、外国人でも雇用契約や就業規則、作業マニュアルをしっかり理解できるように、母国語でそれらを準備します。

また、外国人が少しでも早く日本語を習得できるよう、学習面のサポートを行うといった施策も有効です。最近は翻訳アプリなどもあるので、ツールとして導入するのも良いでしょう。

会社が外国人労働者に働きやすい職場環境を提供しようと努力している様子を見れば、日本人の従業員も自ずと外国人労働者に対するリスペクトの気持ちや姿勢を意識するようになっていくことが期待できます。

参考)ライトワークスのeラーニング教材
「外国人材採用企業向けシリーズ 基礎編」
https://www.lightworks.co.jp/e-learning/9366

[7] 労働契約法 第八条,「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」


4. 外国人労働者への不正行為の事例

ここでは、外国人を雇用している企業において発生した、差別を含む不正行為を具体的に解説します。

以下で取り上げる事例はどれも法律に違反するものであり、企業ブランドのイメージを失墜させることにつながります。決して同じような不正行為が自社内で発生しないように注意しましょう。

事例1

賃金等の不払い

22名の技能実習生を雇用している企業が、18時以降の時間外労働に対して時給400円から600円しか支払っていなかったことが判明した。不正行為が発覚した背景には、18時以降の労働に対する給与が低いことに気づいた技能実習生が労働基準監督署に相談したと考えられる。労働基準監督署が18時以降に企業への立入検査を行い、賃金の支払い状況を確認した結果、事実が明るみになった。

事例2

賃金等の不払い

フルタイムで働いているにもかかわらず月6万円の給与しか受け取っていなかった技能実習生に対して、総額970万円の支払いが企業側に命じられた。この事例では、海外領事館が労働基準監督署に対して情報を提供したことがきっかけで不正行為が明らかなった。外国人労働者が海外領事館などを訪れた際、外国人同士で職場環境についての情報交換を行うことがある。悪質な労働環境で働かせていると領事館経由で不正行為が発覚する場合がある。

事例3

労働関係法令違反

溶接業を行っている技能実習機関が技能実習生に対して最大で月に165時間の時間外労働を行わせていたことが発覚した。36協定で定められた時間外労働・休日同労の特別条項の回数を超える労働を行わせており、監理団体からの報告によって事実が明るみになった。

事例4

人権を著しく侵害する行為

食品加工業を営む実習実施機関が、技能実習生がタイムカードの打刻を忘れるたびに1回1,000円の罰金を科していたことが判明した。これは外国人労働者の人権を著しく侵害する行為となる。

参考)
弁護士法人デイライト法律事務所「技能実習生の受入先で起こっている労働問題」,『弁護士による労働問題』,2020年1月20日,https://www.fukuoka-roumu.jp/column/10078/(閲覧日:2021年8月18日)
法務省「技能実習制度の現状」,平成30年3月23日,https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/ginoujisshukyougikai/180323/4_moj-genjyou.pdf(閲覧日:2021年8月18日)

上記で取り上げた事例はどれも不正行為であり、外国人労働者を雇用する企業で起きてはならないものです。

経営陣や人事担当者は自社内で同様の問題が発生していないか、また発生する要因がないかどうかを常に注視しておく必要があります。

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外国人材の採用にあたって企業が把握しておくべき基本事項とは?

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5. まとめ

本稿では、外国人労働者に対する差別の実態や、各種の問題への対策などを解説しました。

外国人労働者が私生活で感じている差別には以下のものがあります。

・「外国人」という理由で就職やアルバイトができない
・「外国人」という理由で賃貸契約ができない
・ヘイトスピーチによる差別を見聞きする

日本語で十分なコミュニケーションができても、外国人という理由で働けない方がいます。また、アパートを借りられない外国人労働者もいます。

外国人を雇用する企業は、住まい探しを支援したり、外国人労働者に必要な情報を提供するなどのサポートを行うと良いでしょう。

外国人労働者が感じる職場での差別には以下のものがあります。

・悪質な労働環境で働かされる
・身体的な暴力を受ける
・言葉による暴力を受ける
・強制帰国させられる

外国人が悪質な労働環境で働かされている背景には、「外国人には日本人労働者の法律は適用されない」などの間違った認識があります。

また、外国人労働者の日本語の能力が十分でない場合、「苦情が上がりにくい、訴えられるリスクが少ないから大丈夫」といった誤った考え方も潜んでいる可能性があります。

外国人に対する身体的または言葉による暴力行為を予防するためには、日本人従業員に対する教育が重要です。

外国人を雇用する目的を伝えるとともに、必要なマナー、コンプライアンス意識の醸成を図ると良いでしょう。

外国人労働者への差別を無くすために企業がすべきことは以下の通りです。

・外国人労働者の雇用に関するコンプライアンスを理解する
・外国人労働者とのコミュニケーション問題を解決する
・外国人労働者にとって働きやすい職場環境を構築する

経営陣や人事担当者がコンプライアンスをしっかりと理解していないと、無意識に労働時間や安全基準の面で不正行為が生まれ、法律違反を問われる事態になりかねません。

労働基準関係法令に違反して企業名が公表されると、企業のブランドイメージ低下につながります。

日本人従業員が外国人労働者とのコミュニケーションでストレスを抱えないように、日本人従業員向けにコミュニケーション研修を実施することが有効です。

外国人に分かりやすく話すために、標準語で話すことや複雑な文法を避けること、指示を明確にすることなどを段階的に教育します。

また、雇用契約や就業規則、作業マニュアルを外国人労働者の母国語で準備することで、外国人労働者にとって働きやすい職場環境の構築を目指すことができます。

日本で働く外国人の数は増加傾向にあり、少子高齢化問題を抱える日本において必要な存在となっています。一方で、外国人労働者に対する差別が根強く残っているのも事実です。

日本人従業員と外国人労働者が共に協力して働くことで、企業の生産性が向上し、経営目標の達成につながります。

自社内で外国人労働者に対する差別が発生しないように、今回の情報を参考にしていただけると幸いです。

参考)
公益財団法人 人権教育啓発推進センター「外国人住民調査報告書」,『平成28年度 法務省委託調査研究事業』,平成29年6月,http://www.moj.go.jp/content/001226182.pdf(閲覧日:2021年8月11日)
法務省「ヘイトスピーチ、許さない」,http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html#%E4%BD%95%E3%81%AA%E3%81%AE(閲覧日:2021年8月11日)
e-Gov「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)」,https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049(閲覧日:2021年8月11日)
厚生労働省「技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況」,平成31年・令和元年,https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/000680646.pdf(閲覧日:2021年8月18日)
特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク「外国人労働者が遭遇するパワーハラスメントハラスメント」,『移住連』,https://migrants.jp/user/media/ijuuren/page/news/pdf/example.pdf(閲覧日:2021年8月11日)
株式会社 朝日新聞社「うつ病の外国人実習生、「パワハラが原因」と労災認定」,朝日新聞DIGITAL,2017年9月12日,https://www.asahi.com/articles/ASK9D5G3CK9DULFA03V.html(閲覧日:2021年8月18日)
厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー」,https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/koyoukanri/index.htm(閲覧日:2021年8月19日)
弁護士法人デイライト法律事務所「技能実習生の受入先で起こっている労働問題」,『弁護士による労働問題』,2020年1月20日,https://www.fukuoka-roumu.jp/column/10078/(閲覧日:2021年8月18日)
法務省「技能実習制度の現状」,平成30年3月23日,https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/fiber/ginoujisshukyougikai/180323/4_moj-genjyou.pdf(閲覧日:2021年8月18日)
ベリーベスト法律事務所「外国人労働者を雇ったらトラブルが!企業がすべき対策と解決方法」,『企業法務・顧問弁護専門サイト』,2020年4月7日,https://corporate.vbest.jp/columns/2302/(閲覧日:2021年8月19日)

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