知っててよかった 現地編

中国で病気になったら 日本人におすすめの病院一覧と医療費の備え方

2023.6.26 更新

「中国で病気になったらどうしよう。中国語が話せなくても、病院で診てもらえるのだろうか?」

赴任先で病気になってしまったとき、最も困るのが「言葉の問題」と「病院選び」ではないでしょうか。症状をどのように説明したらよいのか、病院はどうやって探せばよいのかなど、いろいろな不安が頭をよぎることかと思います。

赴任先では、風邪や腹痛といった日本でも馴染みのある病気だけではなく、日本では思いもよらない病気にかかる可能性もあります。外務省の「世界の医療事情」では、中国でかかりやすい病気を以下のように紹介しています。[1]

表)中国でかかりやすい病気の例

下痢・食中毒衛生状態が良くない厨房で調理された料理を食べることで便が緩くなったり、吐き気や嘔吐、腹痛を発症する
結核中国全土での結核の患者数は多く、死亡原因の上位を占めている
呼吸器症状PM2.5などの大気汚染の影響により呼吸器疾患を発症することがある
狂犬病上海市内では散発的に狂犬病による死者が発生している。犬・猫・コウモリなど野生動物に接触する可能性がある場合は要注意

参考)外務省「世界の医療事情」北京・上海・広州の情報より抜粋,https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html (閲覧日:2021年4月20日)

本稿では、中国で病気になったときに安心して対応できるよう、北京・上海・広州・大連の日本語が通じる病院の一覧を紹介しています。また、中国のローカル病院を受診する際の注意点も詳しく解説しています。

さらに、医療費の補償を充実させるための海外旅行保険や中国駐在員向けの医療保険もご紹介します。

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[1] 外務省「世界の医療事情」,https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html (閲覧日:2021年4月20日)

1. 中国で病気になったら日本人(外国人)向けの病院を探そう

中国で病気になったら、「日本人(外国人)向けの病院」を受診するか、地元の人が利用する「ローカル病院」を受診するかを選択することになります。

海外生活に慣れてきて、中国語も不自由なく話せるようになればローカル病院を受診するのも一つの方法ですが、初めのうちは日本人や外国人向けの病院を受診するのがよいでしょう。

1-1. 日本人(外国人)向けの病院を受診するメリット

日本人(外国人)向けの病院を受診することには、以下のメリットがあります。

・日本人医師が在籍している
・日本語の通訳サポートがある
・キャッシュレス・メディカルサービスが受けられる(海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険への加入が必須)

・日本人医師が在籍している
北京や上海などの大都市では、日本人医師が在籍している病院やクリニックがあります。

日本語が通じるので、日本語で症状を説明したり、診察の結果を説明してもらうことができ、とても安心感があります。日本人医師が在籍している病院はさほど多くないので、赴任先が決まっているのであれば、事前に調査しておきましょう。

・日本語の通訳サポートがある
日本人医師が在籍していなくても、日本語を話す外国人が、通訳サポートをしてくれる病院があります。そういった病院をインターネットで探す場合は、「日本語対応可」「日本語受付」などと表示されている病院を選ぶと良いでしょう。

・キャッシュレス・メディカルサービスを受けられる(海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険への加入が必須)
キャッシュレス・メディカルサービスとは、海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に加入している人向けのサービスです。病院の治療費を自己負担する必要がなく、費用は保険会社から病院に直接支払われるので、面倒な支払いの手続きが不要です。

キャッシュレス・メディカルサービスを受けるには、保険会社と提携している病院を受診する必要があります。しかし、地元の人が利用するローカル病院では、海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に対応していない場合があります。

日本人を含む外国人向けの病院の多くは、キャッシュレス・メディカルサービスに対応しています。海外旅行保険や現地の医療保険に加入してる人にとっては、とても便利なサービスです。

キャッシュレス・メディカルサービスを受ける手順

(1)保険会社に連絡して、提携している病院を紹介してもらう
(2)提携病院で保険証券、保険契約証、または被保険者証を提示する
(3)氏名などの必要事項を記入する
(4)診察を受ける
(5)費用の支払いは保険会社が直接行う

キャッシュレス・メディカルサービスを利用するためにも、万が一に備えて、海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に加入しておくことをお勧めします(海外旅行保険の選び方については3章で詳しく解説します)。

海外旅行保険に未加入の場合は、治療費を事前に確認しよう

日本人(外国人)向けの病院では治療設備が充実している分、診察・治療費も高額になることがあります。海外旅行保険に加入していないと医療費が全額自己負担になることがあるので、CTやレントゲンを撮る場合、血液検査をする時などは、どのくらいの費用がかかるのか事前に確認したほうが良いでしょう。

1-2. 日本人におすすめの病院一覧

外務省の公式ホームページ等では、日本語対応が可能な病院を参照することができます。 [2]総合病院だけでなく、眼科や歯科などもあるので必要に合わせて参照するとよいでしょう。

今回は、北京・上海・広州・大連にある、日本人または外国人向けの病院をご紹介します。
(※以下の病院リストは当ブログが受診を推薦・推奨するものでありません。また、キャッシュレス・メディカルサービスの可否については記載しておりませんので、各自で受診前に病院に確認して下さい。)

表)北京・上海・広州・大連の日本語対応可能な病院例

地域 病院名 住所 特徴
北京

ラッフルズ・メディカル北京クリニック
(https://sekaidr.com/clinic-list/international-sos-beijing-clinic/)

北京市朝阳区新源里16号、昆莎中心一座105号室 日本人医師、日本語対応可能なスタッフが在籍
北京ユナイテッドファミリー病院
(https://beijing.ufh.com.cn/ja/)
北京市朝阳区将台路2号 日本人医師、日本語対応可能な医師が在籍
VISTAメディカルセンター
(http://www.vista-china.net/jp/)
北京市朝阳区光华路1号嘉里中心商场3F 医療スタッフによる日本語対応可
北京国際医療センター
(https://www.imcclinics.com/about?id=31)
北京市朝阳区亮马桥路50号 燕莎中心写字楼S-106/S-110 日本人医師と日本語対応可能な医師が在籍
上海 上海ヨセミテ病院
(http://www.yosemiteclinic.com/jp_index.aspx)
上海市静安区富民路118号 日本人医師、日本語対応可能な医師が在籍
上海嘉会国際医院
(https://www.jiahui.com/)
上海市徐汇区桂平路689号 日本人医師、日本語対応可能な医師が在籍
TOWA Medical Center
http://www.towa-clinic.com/
浦东院:上海市浦东新区锦康路5号
古北院:上海市长宁区荣华东道88号4F
天山院:上海市长宁长宁区天山路1111号3F
日本人医師が在籍
上海ユナイテッドファミリー病院
(https://shanghai.ufh.com.cn/ja/)
上海市长宁区平塘路699号 日本語対応可能な医師が在籍
広州 イーストウエストメディカルセンター
https://www.eastwestmedico.com/
广州市天河区天河北路233号中信广场14F1401室 日本語通訳可能
EurAmメディカルセンター
http://www.eurammedicalcenter.com/wzsy

广州市天河区珠江新城华利路15号远洋明珠大厦北座1F

日本人歯科医、日本語対応可能な医師が在籍
大連 平和クリニック
http://www.pihclinic.com/

大连市开发区九号办公区2-1-2富邦国际2F(平和クリニック内)

日本語での受付可能
大連さくらクリニック
http://sakuraclinic-mdc.jp/
大连市中山区上海路42号都市银座718室 日本語通訳可能

参考)各病院の公式ホームページ,閲覧日:2021年4月13日

上記の病院以外にも、日本人向けの病院があります。以下のウェブサイトでは、各地域の病院情報が載せられているので、事前にチェックしておくと良いでしょう。

各地域の病院情報が掲載されているウェブサイト

[2] 外務省「世界の医療事情」,『海外渡航・滞在』, https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html (閲覧日:2021年4月12日)
大連漫歩広告有限公司「病院・クリニック」,『Whenever 大連ローカル』,http://www.dllocal.com/stay/hospital(閲覧日:2021年4月12日)

2. 中国で病気になり、ローカル病院を受診する時の注意点

赴任先に日本人(外国人)向けの病院がない場合には、ローカル病院を受診することもあるでしょう。しかし、中国の病院事情は日本とは大きく異なりますので、注意点をしっかりと把握しておくことが必要です。

ローカル病院を受診する際に注意すべき点は以下の通りです。

・診療費は先払いが基本
・大病院はとても混雑するので、インフォームドコンセントは期待できない

・診療費は先払いが基本
中国のローカル病院では、基本的に診察代や検査費用はすべて先払いになります。また、病院によっては受付で順番待ちをするだけで費用が発生したり、診察を受けたい医師の経験年数によって診療費が変わることもあります。

先払い式なので、診療を受けてから「お金が足りなかった……」といった状況になる心配はありませんが、日本とは大きく異なるところなので、覚えておきましょう。

・大病院はとても混雑するので、インフォームドコンセントは期待できない
専門性の高い医療サービスを提供する大学病院や大型の総合病院級病院では、受診する人が非常に多いので、大病院ほど大混雑が予想されます。

通常、医師は診察に追われ多忙を極めるため、患者と十分なコミュニケーションを取ることは難しく、日本のようなインフォームドコンセントはあまり期待できません。

また、中国では患者が医師に対して薬の処方や治療法について注文を付けることも多く、知りたいことは遠慮なく質問する傾向があります。

そのため、ローカル病院で受診をするときは、処方してもらいたい薬や治療法などはしっかりと主張して、納得がいくまで説明をしてもらうことが必要です。

しかし、ローカル病院では日本語や英語の通訳サポートは期待できず、医師も外国人向けに理解しやすい中国語を話してくれるとは限りません。

中国生活が長く、中国語もしっかりとマスターできている人であれば、ローカル病院でも医師やスタッフとコミュニケーションを取れるかもしれませんが、初めのうちは日本人を含む外国人向けの病院を受診するのが無難です。

3. 中国で病気になったときのための医療費の備え

1章でご紹介したように、日本人医師や日本語通訳者が在籍している病院を受診すれば、言葉の不安は解消できます。しかし、「治療費が高額になったらどうしよう」「日本の保険は使える?」など、医療費の心配が残ります。

この章では、これらの疑問を解決するための情報をお伝えします。中国で病気になった時の備え方は主に4つあります。

  1. 海外旅行保険に加入する
  2. クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する
  3. 駐在員向けの現地医療保険に加入する
  4. 日本の保険を利用する

それぞれを詳しく解説していきます。

3-1. 医療費補償を充実させるなら海外旅行保険への加入がベスト

海外旅行保険とは、海外で病気やケガをした場合の医療費を補償してくれるものです。海外旅行保険に加入していると、補償の範囲内であれば、キャッシュレスで診療・治療を受けることができるので、費用の心配をすることなく治療に専念できます。

海外旅行保険を選ぶ際は、(1)保険料、(2)治療費用をしっかりとチェックしましょう。保険料は保険期間や補償の内容によって異なるので、数社から見積もりを取って比較検討するとよいでしょう。

中国での医療費は高額になることが多く、入院した場合は数十万円~数百万円、緊急海外輸送になった場合は数千万円の費用が請求される可能性があります。

海外では思いもよらないトラブルに巻き込まれることもあるので、治療費用は充実させておくことをお勧めします。[3]

以下、中国赴任で加入できる海外旅行保険の一例を表にまとめました。保険期間は90日、180日、1年を設定しています。補償内容は「治療費用」と、他人にケガをさせたり、他人の物を壊した場合に補償される「個人賠償責任」などをピックアップしています。

表)海外旅行保険の代表的な補償プラン

保険期間 保険料 治療・救援費用 個人賠償責任 傷害死亡
損保ジャパン
https://www.sompo-japan.co.jp/kinsurance/leisure/off/
90日プラン61,340円2,000万円1億円2,000万円
チャブ保険
https://www.chubbtravelinsurance.jp/
90日プラン57,450円無制限1億円3,000万円
たびほ
https://tabiho.jp/tb/
180日プラン132,590円5,000万円1億円3000万円
AIG損保
https://travel.aig.co.jp/ota/plan/work
180日プラン126,810円無制限1億円1,000万円
ジェイアイ
https://www.jihoken.co.jp/personal/living/pe_li_index.html
1年間318,700円無制限1億円5,000万円

参考)各保険会社の公式ホームページ,閲覧日:2021年4月15日

上記の海外旅行保険の場合、治療費用は2,000万円以上です。このくらいの補償があれば、万が一の緊急時にもしっかりと備えることができます。

3-2. クレジットカード付帯の海外旅行保険

クレジットカードの中には、海外旅行保険が付帯されているものがあり、カードを持っているだけで治療保障や障害死亡、賠償責任などが補償されます。「それなら、海外旅行保険に加入する必要はない」と思うかもしれませんが、注意点があります。

クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償期間は90日間が一般的です。そのため、3カ月以上、中国に赴任することが決まっている場合、残りの期間は保険がない状態になります。

また、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険会社の海外旅行保険と比較すると補償内容が手薄です。例えば、クレジットカード付帯の海外旅行保険の治療補償は100~200万円が一般的で、「3-1:海外旅行保険の補償と料金」でご紹介した補償内容と比較すると、やはり不安が残ります。

クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用すると、保険費用を節約できるというメリットがありますが、補償額や補償期間などをしっかりと確認して、緊急時に備えることができるか考慮する必要があります。

3-3. 駐在員向けの現地医療保険を利用

中国には、駐在員向けの現地医療保険があり、指定病院でのキャッシュレス受診や医療通訳サポートなどを受けることができます。

「WellBe」http://wellbemedic.com/)は、中国の駐在員向けの現地医療保険を取り扱っており、治療費用や障害死亡、緊急援助などを補償しています。指定病院であればキャッシュレス受診が可能です。

WellBeの現地医療保険の一番安いプランの場合、治療費用は約500万円まで補償され、年間の保険料は約10万円です。日本で加入する海外旅行保険と比較すると、費用を抑えることができます。

表)WellBeの現地医療保険の補償:本人プラン満18~60歳
(1元=16.6円で計算 2021年4月21日時点)[4]

 ABCD
傷害死亡・後遺障害100万元(約1,600万円)100万元(約1,600万円)100万元(約1,600万円)100万元(約1,600万円)
疾病死亡50万元(約830万円)50万元(約830万円)
治療費用30万元(約500万円)50万元(約830万円)30万元(約500万円)50万元(約830万円)
緊急救援30万元(約500万円)30万元(約500万円)30万元(約500万円)30万元(約500万円)
年間保険料6,500元(約10万円)7,500元(約12万円)8,000元(約13万円)8,500元(約14万円)

上記のプラン以外にも、「配偶者プラン」や「子女プラン」もあるので、家族を帯同する際も安心です。ただし、WellBeの現地医療保険に加入するには、同社が販売する「WellBeメディックサービス」という医療サポートサービスへの加入が必要です。

医療サポートサービスとは?

医療サポートサービスとは、病院の紹介予約、医療通訳の手配、緊急時の搬送などをサポートしてくれるものです。保険会社によっては、「医療アシスタンスサービス」「海外アシスタンス」などと呼ばれることもあります。
注意点として、医療サポートサービスは医療保険ではないので、医療費の補償は付いていません。キャッシュレス・メディカルサービスを含む医療費補償を受けるには、医療保険に加入する必要があります。

保険会社によっては、医療保険と医療サポートサービスがセットになっているものがあります。しかし、WellBeの場合は、現地医療保険には加入せず、医療サポートサービスのみを利用することも可能です。

3-4. これも知っておこう!日本で加入した保険の活用方法

中国で病気になった時に備える方法には、日本で加入している保険を利用する方法もあります。主に2つの手段があります。

・健康保険(健保)や国民健康保険(国保)の制度を利用する
・日本の民間の医療保険を利用する

・健康保険(健保)や国民健康保険(国保)の制度を利用する
企業等で健康保険(健保)に加入している場合や、国民健康保険(国保)に加入している場合、「海外療養費」の申請を行うと、海外で支払った医療費の一部の払い戻しが可能です。

この制度は、海外旅行保険に加入した際に受けられるキャッシュレス・メディカルサービスとは異なり、診察や治療でかかった費用の全額を、一度は自分で支払う必要があります。その後、日本に帰国した際に医療費の一部の払い戻しを受けることができます。

ただし、還付の対象となるのは、日本国内で保険診療として認められているものに限られており、インプラントや美容整形、日本で保険が適用されない医療行為や投薬の費用は対象になりません。

海外療養費制度で払い戻される金額は、日本で同じ治療をした場合にかかる医療費を基準にして計算されます。

例えば、海外で100万円の治療を受け、日本で同じ治療をした場合の費用が60万円だったとします。この場合、60万円の7割(日本で医療を受けて自己負担額が3割の場合)=60×0.7=42万円が還付されます。トータルすると、100万円-42万円=58万円の自己負担となります。

上記の例からもわかるように、健康保険(健保)や国民健康保険(国保)の制度を利用しても、海外旅行保険とは異なり、医療費の一部を自分で支払う必要があります。ある程度の出費は免れませんが、医療補償を受ける一つの手段として覚えておきましょう。

なお、健康保険(健保)や国民健康保険(国保)に加入したまま中国に赴任できるかどうかは、赴任の形態や期間によっても異なるので、確認が必要です。

海外療養費について
全国健康保険協会:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3120/r138/ 
(閲覧日:2021年4月19日)

・日本の民間の医療保険を利用する
メットライフ生命や日本生命など、日本国内の民間医療保険に加入している場合、海外で支払った医療費の請求が可能です。

請求の方法は、海外から直接請求する方法と帰国後に請求する方法がありますが、保険会社によって異なるため事前に確認する必要があります。また、保険会社によっては海外での医療費の支払いに対応していない可能性もありますので、注意が必要です。
以上、万が一中国で病気になったときのための医療費の備え方を紹介しました。現地の病院へのかかり方を押さえておくのとともに、医療費の支払いに困ることがないようにしておきましょう。

[3] 海外旅行保険比較節約研究所「中国(北京/上海/西安)の医療費と海外保険の節約」,2017年08月09日,http://www.xn--ruqpu24rrwci0sxhl4x9b2yxa.net/iryouhi-china.htm,(閲覧日:2021年5月6日)
株式会社カカクコム・インシュアランス「海外の医療費」,『価格.com』,https://hoken.kakaku.com/travel/select/cost/shanghai/,(閲覧日:2021年5月6日)
[4] WellBe「HAPPY CHINAリーフレット」,『資料ダウンロード』,http://wellbemedic.com/service/download.html (閲覧日:2021年4月19日)

4. まとめ

本稿では、中国で病気になった時の対応方法についてご紹介しました。

中国で病気になったら、日本人(外国人)向けの病院とローカル病院のどちらに行くかを選ぶことができます。中国生活のベテランであればローカル病院を受診するのもよいかもしれませんが、初めのうちは日本人(外国人)向けの病院を受診するのがベターです。

日本人(外国人)向けの病院の受診するメリットは以下の通りです。

・日本人医師が在籍している
・日本語の通訳サポートがある
・キャッシュレス・メディカルサービスが受けられる(海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険への加入が必須)

北京や上海などの大都市では、日本人医師が在籍している病院やクリニックがあります。日本人医師が在籍していない場合でも、日本語を話す外国人が、通訳サポートをしてくれる場合があります。

また、外国人向けの病院の多くはキャッシュレス・メディカルサービスに対応しています。海外旅行保険や駐在員向けの現地医療保険に加入していれば、治療費を自己負担する必要はなく、面倒な支払いの手続きも不要です。

病気になったときは、ローカル病院を受診することもできます。ローカル病院では、治療費が先払い制になっており、診察やレントゲン検査などをする前に費用の支払いが求められます。

また、大病院ほど大混雑が予想されるので、インフォームドコンセントはあまり期待できません。

中国で病気になったとき、医療費の補償を充実させるには、以下の方法があります。

  1. 海外旅行保険に加入する
  2. クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する
  3. 駐在員向けの現地医療保険に加入する
  4. 日本の保険を利用する

海外でケガや病気になった場合、医療費が高額になることがあります。万が一に備えるためには、中国で利用できる医療保険に加入しておくことをお勧めします。

海外で生活すると、思いもよらない時にケガをしたり、日本ではあまり馴染みのない病気にかかることもあります。「自分は病気にはならない」「何とかなるだろう」と考えるのではなく、今できる範囲で準備をしておきましょう。

本稿を参考にしていただき、あなたの中国赴任が安全のうちに成功することを願っています。

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