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中国の税関は厳しい?税関規則と手持ち・郵送時の注意点[一覧表付]

「中国の税関は厳しいらしいが、難なくクリアする良い方法はないだろうか?」

中国へ荷物を持ち込む際、税関規則に引っかかりトラブルになった、という話を聞いたことがあるかもしれません。

実際に、持ち込みが禁止されている物や、持ち込みの際に申告が必要な物など、さまざまな制限があります。

大切な荷物が規制の対象となって持ち込み不可となったり、税を課されたりすることは避けたいですよね。

本稿では中国の税関規則を解説します。また、荷物を手持ちで持ち込む場合や日本から荷物を郵送する際の注意点も併せてご紹介します。

ぜひ中国へ荷物を持ち込む際の参考にしてください。


1. 中国の税関は厳しい?税関規則と荷物の持ち込みに必要な申告書

中国の税関事務機関の名称は「中華人民共和国海関総署(GENERAL ADMINISTRATION OF CUSTOMS PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA: GACC)」です。日本の行政機関の「省」にあたり、中国の物品等の輸出入管理や税関事務を行っています。

本章では中国への荷物の持ち込み制限と税関通過の際に必要な「税関申告書」について解説します。

1-1. 中国への荷物の持ち込み制限について

中国への荷物の持ち込みには、さまざまな制限があります。

持ち込み制限に違反すると、没収の上罰金を課される可能性があり、最悪の場合は起訴される可能性もありますので、注意が必要です[1]

まずは、中国への持ち込みが禁止されている物・税関申告書の記入不要で持ち込める物(免税品の範囲)・税関申告書の記入が必要な物(関税を課される場合がある物)を紹介します。

中国への持ち込みが禁止されている物[2]

・武器・弾薬など
・中国の政治・経済・文化・道徳に有害な印刷物や記憶媒体など
・麻薬類など
・偽造通貨及び偽造交渉可能な有価証券
・犬猫以外の動物
・肉類・魚類およびその加工品
・乳製品(ミルク・バター・チーズなど)
・卵・マヨネーズ
・果物
・野菜
・植物や野菜の種子・苗木
・動物の死体・標本
・土
・ツバメの巣

税関申告書の記入不要で持ち込める物(免税品の範囲)[3]

・紙巻きたばこ400本まで
・葉巻100本まで
・刻みたばこ500gまで
・アルコール飲料(アルコール分12%以上)1,500㏄まで
・個人で使用するカメラ、ビデオカメラ、ノートパソコン等
・5,000米ドル相当までの外国通貨
・人民元20,000元まで
・単行本・雑誌 10冊まで
・CD・DVD 20枚まで
・全集などシリ−ズものの図鑑(一人/3セットまで)
・セットものの音楽・映像ソフト(一人/3セットまで)

税関申告書の記入が必要な物(関税を課される場合がある物)[4]

・動植物とその製品、微生物、生物製品、人体組織、血液製品
・中国居住者が国外で入手した総額5,000元以上の個人使用目的の物品
・中国人以外の居住者が中国から持ち出さない予定の総額2,000元以上の個人使用目的の物品
・1,500ccを超えるアルコール飲料(アルコール分12%以上)
・400本を超える紙巻きタバコ
・100本を超える葉巻タバコあるいは500グラムを超える刻みタバコ
・20,000元を超える現金あるいは5,000米ドル相当を超える外貨現金
・無線送信機、無線受信機、通信セキュリティ機器
・別送の荷物、貨物、サンプル、広告品
・医薬品(処方薬で、個人で使用する合理的な量に限る)
・その他の税関申告の必要なもの

上記の品物のうち、特に注意が必要な物は以下の3点です。

・中国の政治・経済・文化・道徳に有害な印刷物や記憶媒体
・犬、猫
・医薬品(処方薬で、個人で使用する合理的な量に限る)

・中国の政治・経済・文化・道徳に有害な印刷物や記憶媒体
中国以外の国では一般的に販売・使用されているものでも、中国にとって有害と見なされるものがあります。特に地図には注意が必要です。税関窓口で持ち込みを拒否される場合もあるので、十分に注意してください。

・犬、猫
持ち込み可能なペットは、1人につき1回の入国ごとに1匹までとされています。
中国到着後、動物検疫所に提出する必要がある書類は下記のとおりです。

・日本の動物検疫所が発行する『輸出検疫証明書』(狂犬病予防接種証明兼用)
・中国の『携带进境宠物(犬、猫)信息登记表』
・飼い主(入国者)のパスポート

輸出検疫証明書は14日以内に発行されたものである必要があります。

また、輸出検疫証明書の荷受人と飼い主の名前(パスポートの氏名)は同一であることが求められますので注意しましょう。

その他にも、「ペットに個体識別用チップを装着させること」「中国指定の証明書を提出すること」などさまざまな規則があります。

参考)
在中国日本国大使館「犬、猫の日本から中国への持ち込みについて(検疫検査)」,『在中国日本国大使館Embassy of Japan in China』,https://www.cn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_animal-jtoc.html(閲覧日:2021年4月28日)

・医薬品
医薬品(処方薬)の持ち込みは個人での使用目的に限り許可されています。そのため、持ち込む量があまりに多いと商業目的と見なされ、持ち込み許可が得られない場合があります。

また、入国時に薬・処方箋・処方量・診断書(英文可)を開示する必要があります。

持ち込みが許可される薬の種類は中国当局が決定します。入国する空港により必要書類が異なる場合があるので、事前に空港に問い合わせすることが勧められています。問い合わせは「入国する都市の市外局番+12360」で行うことができます。

薬の持ち込みに関しては、厚生労働省のウェブサイトも参考になります[5]

参考)
厚生労働省「海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて」,『厚生労働省Ministry of Health, Labour and Welfare』,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html(閲覧日:2021年4月28日)

1-2. 税関申告書とは

税関申告書とは、中国の税関に申告すべき物品を中国国内へ持ち込む際に記入するものです。前項の「税関申告書の記入不要で持ち込めるもの」でも、規定量以上を持ち込む際は記入が必要です。

中国国内の空港に用紙があり、到着後に記入します。大人に帯同している16歳未満の子供は記入不要となります。

税関申告書を記入した後、紅色通道と呼ばれる申告者専用の赤色の通路を通り通関手続きを行います。申告すべき物品を帯同していない場合は、緑色の専用通路へ向かいます。

税関申告書の見本は下記のサイトを参考にしてください。

参考)
日本航空会社「中国入出国の際の税関申告書について」,『日本航空会社』,https://www.jal.co.jp/other/info2005_0713.html(閲覧日:2021年4月28日)

[1] 外務省「安全対策基礎データ 中華人民共和国(中国)」,『外務省海外安全ホームページ』, 2021年4月6日,  https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_009.html(閲覧日:2021年5月14日)
JETRO上海センター編「税関法」,2000年7月8日,https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/law/pdf/trade_002.pdf(閲覧日:2021年5月14日)
[2] 在中国日本国大使館「~日本からお越しの皆様へ~安全の手引き」,『在中国日本国大使館』, 平成25年1月,https://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/joho120220_j.htm(閲覧日:2021年5月11日)

脚注1の外務省「安全対策基礎データ 中華人民共和国(中国)」,『外務省海外安全ホームページ』(閲覧日:2021年5月11日)
中华人民共和国中央人民政府「农业部 国家质量监督检验检疫总局公告」,2012年3月2日,http://www.gov.cn/zwgk/2012-03/02/content_2081510.htm(閲覧日:2021年5月12日)
「Customs Clearance Guide for International Passengers」,『GENERAL ADMINISTRATION Of CUSTOMS Of PEOPLE‘S REPUBLIC Of CHINA』, http://english.customs.gov.cn/Statics/88707c1e-aa4e-40ca-a968-bdbdbb565e4f.html(日本語翻訳版を閲覧:2021年5月11日)
[3] 脚注1の外務省「安全対策基礎データ 中華人民共和国(中国)」
JETRO「小口貨物の通関制度:中国」,『貿易・投資相談Q&A』,2019年7月, https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-051022.html(閲覧日:2021年5月11日)
中华人民共和国中央人民政府「中华人民共和国海关总署令」,『海关总署网站』, http://www.gov.cn/ziliao/flfg/2007-04/20/content_589295.htm,(日本語翻訳版を閲覧:2021年5月11日)
[4] 脚注1の外務省「安全対策基礎データ 中華人民共和国(中国)」及び「Customs Clearance Guide for International Passengers」 (閲覧日:2021年5月11日)
[5] 外務省「安全対策基礎データ 中華人民共和国(中国)」,『外務省海外安全ホームページ』, 2021年4月6日,  https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_009.html(閲覧日:2021年5月11日)
厚生労働省「海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて」,『厚生労働省Ministry of Health, Labour and Welfare』,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html(閲覧日:2021年4月28日)


2. 実際にあった中国の税関トラブル事例

本項では実際に税関関連で起きたトラブルをご紹介します。持ち込み制限の対象になるかどうかは、国によって判断が異なります。ご自分が持ち込む・郵送する予定の物が果たして通関検査を無事通過できるかどうか、もう一度確認してみてください。

2-1. 入国・持ち込み編

まずは、在上海日本国総領事館のウェブサイトに記載されている、CD・DVDの持ち込みに関連するトラブル事例をご紹介します[6]

事例

 

上海赴任のため浦東空港に到着したMさん。入国時の荷物の通関検査にて自己使用の目的で持参したCD・DVDのうち、数十枚がアダルトな内容であったため、関税法違反の疑いで没収され、数万人民元の保証金を支払うように要求されました。

 

Mさんは在上海日本国総領事館に相談。総領事館が税関へ事情を尋ねたところ、ディスクの内容が中国の関税法に違反している疑いがあるとのことでした。そのため、ディスクを押収し保証金の預託を求めたとのことでした。

 

Mさんはひとまず所持金を支払い、保証金の不足分は後日支払うことにし釈放されました。釈放から約3週間後、ほとんどのディスクが違法であると鑑定され、数万人民元の罰金を支払う行政処分が下りました。

中国の関税法の中の「印刷物及び音像製品の出入国管理規定」では、規定に違反する内容の印刷物及び音像製品を個人が携帯・郵送することを禁じています。違反すると、ディスク1枚あたり1,000人民元~最高5万人民元の罰金を課されることがあります。

日本では問題のない内容のディスクでも、中国では違法と鑑定される場合があります。

このように、ディスクの内容が規定に違反しているかどうかは個人では判断しづらいものです。持ち込みには慎重を期する必要があるでしょう。

在上海日本国総領事館のウェブサイトでは、税関関連以外でもさまざまなトラブル事例が紹介されていますので、確認しておくことをお勧めします。

参考)
在上海日本国総領事館「トラブル(事件・事故具体例)」, https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/info-j5.html(閲覧日:2021年4月28日)

2-2. 郵送編

『中国順德双彩虹生活』という個人のウェブサイトには、郵送(EMS)における税関関連のトラブル事例が共有されています。[7]

事例

 

2020年9月下旬、東京から中国の広東省方面へEMS(国際スピード郵便)で荷物を郵送。通常2~3日で届くEMSですが、1週間経っても現地へ届きませんでした。EMSの配達状況を調べると「通関手続き中」と表示されています。

 

2週間以上が経過したのち、関税のお知らせが郵便局から届きました。受け取りの申請後に荷物が現地へ到着したのは、発送日から約3週間後のことでした。

 

また、送った荷物の内容品の総額が1,000元(約15,000円)を超え1,300元ほどになっていたため、荷物の受け取りに際し、250元ほどの関税を支払うこととなりました。

荷物が通関手続きで止まってしまった一因として「EMSの内容の総価格が1,000元(日本円で約15,000円)を超えていたこと」が挙げられます。

日本から中国への郵送では、個人宛の郵送品の場合、1件当たりの限度額は1,000元相当までとされています。そして、限度額を超えても個人使用目的と認められる場合は、関税を納付すれば、個人用物品として受け取ることができます[8]

1,000元を超えているかの判断は、EMSに添付する「インボイス」と呼ばれる送り状を元に行われます。

1,000元を少々超えてしまっても税関を通過できる場合もあれば、同じ状況でも関税を課される場合もあり、税関の対応は場合によって異なることが多いようです。

今回のEMSは総額が1,300元ほどでしたので、関税が課されることになり通関手続きに時間が取られたため、荷物の到着までに多くの日数がかかったと思われます。

今回の事例では通関手続きの際に荷物を開封されることはありませんでしたが、場合によっては税関職員によりEMSが開封され、中身によってはさらに追加の関税を支払うことになってしまうことがあります。

上記のような事態を避けるためにも、中国への郵便物は余裕をもって1,000元以内に収めることを徹底した方がいいでしょう。

また、ちょうど国慶節[9]の休暇の前に荷物を送付したことも、到着までに時間がかかった原因のようです。春節[10]の休暇の時期なども物流が滞ることがあります。中国の長期休暇の前は要注意と言えるでしょう。

[6] 在上海日本国総領事館「トラブル(事件・事故具体例)」, https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/info-j5.html(閲覧日:2021年4月28日)
[7] ABIRU「止まってた中国EMS到着! 今回の反省点とコツ」,『中国順德双彩虹生活』https://abiru.localinfo.jp/posts/10752816(閲覧日:2021年4月28日)
[8] 脚注3のJETRO「小口貨物の通関制度:中国」,『貿易・投資相談Q&A』(閲覧日:2021年6月1日)
[9]中国の建国記念日に相当する。10月1日が祝日となり、1週間ほどの大型連休となる。
[10]中華圏の旧正月。時期は年によって異なるがだいたい1月下旬~2月上旬で、1週間ほどの大型連休となる。


3. 中国の税関トラブルへの不安を解消するためには

大切な荷物が、前項でご紹介したようなトラブルに巻き込まれてしまうのではないかと不安に思われる方もいるでしょう。

本項では税関トラブルにまつわる不安を解消するために役立つ情報を解説します。

また、万が一現地で税関トラブルに巻き込まれてしまった場合の連絡先などもご紹介します。ぜひお役立てください。

3-1. 荷物を手持ちで持ち込む場合

荷物を手持ちで持ち込む場合は、大原則として「持ち込み禁止物は持ち込まない」「持ち込めるかどうか不明なものは持ち込まない」ということが大切です。

中国の税関の対応は変わりやすいため、以前は税関を通過できたものが現在は通過できないというケースも多く見受けられます。

荷物の持ち込みに関して少しでも不安がある場合は「領事サービスセンター(海外安全相談班)」に相談してみましょう。領事サービスセンターでは日本人が渡航先で巻き込まれやすいトラブルについての情報を提供しています。

参考)
外務省「領事サービスセンター(海外安全相談班)では海外における安全問題に関する情報を提供し、 相談に応じています。」,『外務省海外安全ホームページ』https://www.anzen.mofa.go.jp/about_center/(閲覧日:2021年4月28日)

また、現地で通関手続き中にトラブルに巻き込まれた際は、在中華人民共和国日本国大使館・総領事館に相談してみましょう。
中国にある大使館・総領事館のリストは外務省ホームページを参考にしてください。

参考)
外務省「在外公館リスト」,『外務省Ministry of Foreign Affairs Japan』https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/asia/china.html(閲覧日:2021年4月28日)

3-2. 郵送の場合

郵送の方法は、(1)通常郵便物、(2)小包郵便物(航空便、SAL便[11]、船便)、(3)EMSの3つがあります。ここでは、(2)小包郵便物と(3) EMSにおいて気を付けたいことについて解説します。

(2) 小包郵便物(航空便、SAL便、船便)と(3) EMS、共通で気を付けたいことは以下の通りです。

・税関告知書が必要
・通関電子データの送信が必要
・総額1,000元に収める
・新品の衣服のタグは取る
・新品の電化製品は再梱包する
・内容物のレシートを取っておく
・【(3)EMSのみ】税関告知書だけではなく、インボイスも必要(業務用書類等を送る場合を除く)

・税関告知書が必要
小包郵便物(航空便、SAL便、船便)またはEMSを送付する際は、税関告知書が必要です。

税関告知書は、税関に郵便物の内容品などを申告するための用紙で、荷物の内容品の品名、個数や価格などの詳細を記入し、貼付または添付します。

税関申告書には、「税関告知書CN22」(300SDR[12]未満の物品を同封する場合に使用)と「税関告知書CN23」(300SDR以上の物品を同封する場合に使用)の2種類があります。

小包郵便物(航空便、SAL便、船便)の場合「税関告知書CN23」が2枚必要です。

EMSの場合は、業務用書類等を送る場合を除き、「税関告知書CN22」または「税関告知書CN23」のどちらかが1枚必要になります。

参考)
日本郵便株式会社「送達条件 郵便種別ごと」,『中国(中華人民共和国)China,(Chine)』https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/country.php?cid=41(閲覧日:2021年6月7日)
日本郵便株式会社「税関告知書について」,『国際郵便』, https://www.post.japanpost.jp/int/use/writing/customs.html (閲覧日:2021年6月7日)

・通関電子データの送信が必要 
2021年1月1日より、郵送物のセキュリティ向上のため、差出人の氏名・住所・内容品などを電子化した「通関電子データ」を郵送前に送信することが義務化されました。

そのため、手書きのラベルで郵送すると通関が遅れる場合や返送される場合があります。

この手続きは「国際郵便マイページ」を利用して行います。国際郵便マイページでは、発送に必要なラベルや書類(税関申告書等)を全て印刷できます。

詳細は日本郵便株式会社のウェブサイトを参考にしてください。

参考)
日本郵便株式会社「国際郵便 通関電子データ送信義務化について」,『国際郵便』,https://www.post.japanpost.jp/int/ead/index.html(閲覧日:2021年4月28日)
日本郵便株式会社「国際郵便マイページサービス」,『国際郵便』, https://www.post.japanpost.jp/intmypage/whatsmypage.html (閲覧日:2021年6月7日)

・総額1,000元に収める
「2. 実際にあった税関トラブル事例の郵送編」でもご紹介しましたが、1,000元を超える品物を送ると受取人による通関手続きが必要となります[13]

荷物の到着まで時間がかかる原因となるほか、一定期間を過ぎても通関手続きが完了しない場合、荷物が返送される場合もありますので注意が必要です。

・新品の衣服のタグは取る
新品の衣服は代理購入を疑われ、課税対象となる場合があります[14]。タグを取ることで商業目的ではないとのアピールになる場合があります。

・新品の電化製品は再梱包する
新品の電化製品も、衣服と同様に商業目的と見なされやすいようです。そのため、引っ越しの際にはあらかじめ箱を開封し、再梱包する引っ越し業者もあります[15]

また、引っ越しにおける荷物の関税対策は、引っ越し業者が請け負ってくれる場合があります。業者を選ぶ一つのポイントとして「関税対策への取り組み方」も一考に値するでしょう。

・内容物の購入レシートを取っておく
税関手続きに入ると「受取人」が荷物内容について連絡を受けることがあります。その際、中身の品物を購入した際のレシートの提出を求められることがあります[16]

ここまでは(2) 小包郵便物(航空便、SAL便、船便)と(3) EMSの共通の注意点をご紹介しましたが、(3)EMSでは、上記の項目に加え、以下の点にも気を付けましょう。

・税関告知書だけではなく、インボイスも必要(業務用書類等を送る場合を除く)
EMSの場合は、業務用書類等を送る場合を除き、税関告知書だけでなく、インボイスも必要です[17]

上記でご紹介した国際郵便マイページサービスを利用すると、通関電子データを送信する際に税関告知書やインボイスもまとめて印刷できますので、それを使用するとよいでしょう。

3-3. 自分の荷物は今どこに?荷物の通関状況を追跡するには

日本から荷物を郵送した場合、自分の荷物の通関状況が気になると思います。

もし課税対象になってしまった場合、荷物を受け取る人が税金を支払ってから荷物の受け渡しがされるというケースが多いため、荷物の通関状況はリアルタイムで知りたいものです。

荷物の通関状況は中華人民共和国海関総署のウェブサイト(英語版)で確認することができます。

同ウェブサイトの右上には、「CLEARANCE STATUS(クリアランスステータス)」と書かれた箇所があります。

画像)中華人民共和国海関総署(英語版)のトップ画面

引用元)中華人民共和国海関総署(英語版)http://english.customs.gov.cn/(閲覧日:2021年5月31日)

その部分の、Declaration Noと記載されている上の欄に、荷物を郵送した際の申告番号を入力します。また、Verification codeと記載されている下の欄には、欄のすぐ下にある数字のコードを入力します。

これで、該当する申告番号の荷物の通関状況を確認することができます。

[11] エコノミー航空(SAL)便のこと。日本国内と到着国内では船便として扱い、両国間は航空輸送するので船便より速く、航空便より安い。
出典:エコノミー航空(SAL)便について「国際郵便」,『日本郵便株式会社』, https://www.post.japanpost.jp/int/service/dispatch/sal.html (閲覧日:2021年6月7日)
[12] Special Drawing Rights(特別引出権)の略。特別引出権とは、全世界共通の通貨単位を表す。1SDRは2021年1月時点で148.8355円(毎年変動する)。
出典:日本郵便株式会社「SDRとは何ですか?」,『国際郵便』,https://www.post.japanpost.jp/int/question/10.html (閲覧日:2021年6月7日)
[13]日本郵便株式会社「中国宛て国際郵便物の差出しについて」https://www.post.japanpost.jp/notification/productinformation/2017/0818_01.html(閲覧日:2021年4月28日)
[14] wasako「中国へ引っ越し3回目」,『wasakoのブログ@寧波&日本』https://ameblo.jp/wasakoto/entry-12402369666.html(閲覧日:2021年4月28日)
[15] 上海福岡国際貨物運輸代理有限公司「日本→中国へ」,『日本から上海への海外引越』https://transit-asia.com/wp-content/uploads/2017/01/jptosha_relocation.pdf(閲覧日:2021年4月28日)
[16] Mai「海外(中国)に荷物をEMSで送る際に気をつけること。」,『2020-2021 旅する(したい)国際アロマセラピスト』https://aromachopi.com/emschina/(閲覧日:2021年4月28日)
[17] 日本郵便株式会社「送達条件 郵便種別ごと」,『中国(中華人民共和国)China,(Chine)』https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/country.php?cid=41(閲覧日:2021年6月7日)


4.【ダウンロード資料あり】中国税関対策お役立ちシート

本稿の内容のうち、「中国へ荷物の持ち込み制限一覧」及び「困ったときの問い合わせ先」を表にまとめ、中国の税関対策に役立つシートにしました。
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5. まとめ

本稿では中国の税関を問題なく通過できるように様々な情報をご紹介しました。

中国への持ち込みが禁止されている物は以下です。

・武器、弾薬など
・中国の政治・経済・文化・道徳に有害な印刷物や記憶媒体など
・麻薬類など
・偽造通貨及び偽造交渉可能な有価証券
・犬猫以外の動物
・肉類、魚類およびその加工品
・乳製品(ミルク・バター・チーズなど)
・卵、マヨネーズ
・果物
・野菜
・植物や野菜の種子・苗木
・動物の死体・標本
・土
・ツバメの巣

税関申告書の記入不要で持ち込める物(免税品の範囲)は以下です。

・紙巻きたばこ400本まで
・葉巻100本まで
・刻みたばこ500gまで
・アルコール飲料(アルコール分12%以上)1,500ccまで
・個人で使用するカメラ、ビデオテープ、ノートパソコン等
・5,000米ドル相当までの外国通貨
・人民元20,000元まで
・単行本・雑誌 10冊まで
・CD・DVD 20枚まで
・全集などシリ−ズものの図鑑(一人/3セットまで)
・セットものの音楽・映像ソフト(一人/3セットまで)

税関申告書の記入が必要な物(関税を課される場合がある物)は以下です。

・動植物とその製品、微生物、生物製品、人体組織、血液製品
・中国居住者が国外で入手した総額5,000元以上の個人使用目的の物品
・中国人以外の居住者が中国から持ち出さない予定の総額2,000元以上の個人使用目的の物品
・1,500ccを超えるアルコール飲料(アルコール分12%以上)
・400本を超える紙巻きタバコ
・100本を超える葉巻タバコあるいは500グラムを超える刻みタバコ
・20,000元を超える 現金あるいは5,000米ドル相当を超える外貨現金
・無線送信機、無線受信機、通信セキュリティ機器
・別送の荷物、貨物、サンプル、広告品
・犬、猫
・医薬品(処方薬、個人で使用する合理的な量に限る)

中国国内へ税関に申告すべき物を持ち込む際は「税関申告書」を記入します。申告すべき物を持っていない場合や、大人に帯同している16歳未満の子供の場合は、記入不要です。

中国国内へ物を手持ちで持ち込む際は
・持ち込み禁止物は持ち込まない
・持ち込めるかどうか不明なものは持ち込まない

上記2点を徹底しましょう。また、中国の税関の対応は変わりやすいという点も念頭に置いておきましょう。

荷物の持ち込みに関して、少しでも不安がある場合は「領事サービスセンター(海外安全相談班)」に相談し、判断を仰ぐことを推奨します。

また、現地で税関トラブルに巻き込まれた際は、在中華人民共和国日本国大使館・総領事館に連絡をしましょう。

郵送の方法は、(1)通常郵便物、(2)小包郵便物(航空便、SAL便 、船便)、(3)EMSの3つがあります。

小包郵便物(航空便、SAL便、船便)とEMS、共通で気を付けたいことは以下の通りです。

・税関告知書が必要
・通関電子データの送信が必要
・総額1,000元に収める
・新品の衣服のタグは取る
・新品の電化製品は再梱包する
・内容物のレシートを取っておく

EMSの場合は、さらに以下の点にも気を付けましょう。

・税関告知書だけではなく、インボイスも必要(業務用書類等を送る場合を除く)

荷物の通関状況は、中華人民共和国海関総署ウェブサイト(英語版)の右上にある、「クリアランスステータス」と書かれた箇所で確認することができます。

中国の税関にまつわるさまざまな情報を事前に入手することで、「中国の税関は厳しそうだ」というイメージはありながらも、どのように対応していけばよいのかご理解いただけたのではないでしょうか。

本稿が、あなたの駐在生活のお役に立てれば幸いです。

参考)
外務省「安全対策基礎データ 中華人民共和国(中国)」,『外務省海外安全ホームページ』, 2021年4月6日, https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_009.html(閲覧日:2021年4月28日)
日本郵便株式会社「中国(中華人民共和国)China,(Chine)」,『日本郵便株式会社Webサイト』,https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/country.php?cid=41(閲覧日:2021年4月28日)
中華人民共和国海関総署「通関管理」,『中華人民共和国海関総署 GENERAL ADMINISTRATION OF CUSTOMS PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA』,Service Guide – Service Center – GACC (customs.gov.cn)(日本語翻訳版を閲覧、閲覧日:2021年4月28日)

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